世界初のEVピックアップトラック販売を目指しているEVメーカーのRivian(リビアン)は、投資管理会社であるT. Rowe Price Associates Incのアドバイスを受けたファンドなどがリードするラウンドで25億ドル(約2670億円)を調達した。
新規投資家のSoros Fund Management LLC(ソロス・ファンド・マネジメント)、Coatue(コーチュー)、Fidelity Management and Research Company(フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチカンパニー)、Baron Capital Group(バロン・キャピタルグループ)そして既存株主のAmazon(アマゾン)とBlackRock(ブラックロック)が管理するファンドも参加した。新たに役員は加わらなかった。
Rivianと同社の創業者でCEOのR.J. Scaringe(R.J. スカーリンジ)氏は上場を避け、代わりに戦略的ファンドとプライベート投資家から資金を調達してきたが、今回の調達は同社にとってこれまでで最大のラウンドだ。一連の投資を通じて28億5000万ドル(約3050億円)を集めた活発な2019年に続く動きだ。今回、Rivianは2019年に相当する額を一度に集めた。
同社は2019年2月に、Amazonがリードした7億ドル(約750億円)の資金調達を発表した。その後、Ford(フォード)による5億ドル(約530億円)の投資を含め、将来のEVプログラムでコラボする約束とともにさらに多くのディールや投資が続いた。Cox Automotive(コックス・オートモーティブ)も9月に3億5000万ドル(約370億円)を投資した。RivianはT. Rowe Price Associates Incのアドバイスを受けたファンドなどがリードし、AmazonやFord、BlackRockが管理するファンドが参加した13億ドル(約1390億円)の資金調達ラウンドを発表して2019年を締め括った。
Rivianはまた2019年に、スケートボードプラットフォームを活用してAmazon向けの配達EVバンを開発していることも発表した。AmazonはEVバン10万台を発注し、2021年から納車が始まる。
Rivianは集中的に資金調達を行っており、これは2021年まで続きそうだ。同社はR1T電動ピックアップトラックとR1S SUVを組み立て、AmazonにEVバン納車するための工場をイリノイ州ノーマルに準備している。
これら3つのプロダクトは(EVバンに限っては直接Amazonへの納車になるが)2021年に販売開始となる見込みだ。R1TとR1Sは2020年に生産が開始される予定だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで後ろ倒しになっている、と同社は以前述べていた。
「我々はR1TとR1S、そしてAmazonの配達EVバンの立ち上げにフォーカスしている。これらはすべて2021年にローンチされる予定で、当社のチームは生産を増強できるように車両やサプライチェーン、生産システムの準備に注力している。生産にフォーカスできるようにしてくれている強力な投資家に感謝する」とスカーリンジ氏は声明で述べた。
Rivianは困難も抱えていた。Fordとのコラボは棚上げされ、新型コロナで余儀なくされた工場停止はRT1とRS1のプロジェクトの遅延につながった。 2020年初め、Ford傘下のラグジュアリーブランドであるLincoln Motor(リンカーン・モーター)はRivianのスケートボードプラットフォームを活用した新電動車両を生産する計画をキャンセルした。RivianとFordは当時、現状に基づく共同の決断だと述べた。現状とは、主に新型コロナパンデミックを指す。両社はまだ将来共同で車両を開発することを計画している。
画像クレジット: Rivian