Facebookが6月に実施した、パブリッシャーより友達を優先するフィードアルゴリズムの変更によって、ニュース配信会社は集客力を失ったが、その一部を取り戻せるかもしれない。今日(米国時間8/12)Facebookは、有益な記事を予測し、「ユーザーの興味に関連が深い、活溌な議論の材料になる、あるいはニュース価値がある」記事を優先して表示する計画を発表した。
どんなフィード記事が有益であるかを知るために、Facebookは夥しい人数を対象に調査を行った。その結果上に挙げたような基準で人々が記事を認識していることがわかった。それを元にFacebookは、パーソナル化したニュースフィードのモデルを作り、関連性の高い記事と共通点の多い記事や、ユーザーが以前から好んでいる記事と似た記事を選ぶ。
「それは今起きてる出来事のニュースかもしれない」とFacebookは書いている。しかし、何が有益かについては誰もが主観的な視点をもっているので、「好きな有名人の話題やローカルニュース、近日公開の映画やレシピなど、その人にとって意味のある情報ならなんでも」選ばれるかもしれない。
Facebookはこれについて、劇的な変更ではなくすでにフィードの上位に来るような記事の順番が変わる程度で、特定の記事が選ばれたり外れたりするものではないと言っている。「ほとんどのFacebookページにとってニュースフィードへの配信状況が変わることはない。参照トラフィックがわずかに増えるページもあれば、わずかに減るページもある」。
この変更によって、友達の他愛もないコンテンツが重要なニュースより上に表示されてしまうのではないかという恐れを、一部のパブリッシャーに抱かせるかもしれない。パブリッシャーは2ヶ月前の「友達と家族優先」という変更の影響を今も評価しているところだ。伝聞ではあるが、フィードに現れるパブリッシャーの記事が明らかに減ったというユーザー報告もある。
Facebookはこうして有益性を予測する
今日の変更を発表したFacebookのブログ記事は少々曖昧だったが、私はどうやって新しい予測モデルを構築したのかを同社に問いただした。
開発チームはまず、クラウドソースによる調査結果と、フィード品質プログラムの結果を検討した。後者は、記事の重要さ、面白さ、および有益性を1(全く有益でない)から5(非常に有益)までの尺度でユーザーにランク付けさせたものだ。有益性ランク4と5の記事を予測モデルに取り込み、何を探すべきかを教えこむ。
次に、ユーザー毎に記事の著者との関係、過去の投稿へのコメント頻度、どんな記事をよくクリックしているか等に基づき、モデルをパーソナル化する。こうして得られたヒントを、ユーザーが関心を持った記事のコンテンツ解析に従来から使用している機械学習アルゴリズムと組み合わせることによって、そのユーザーがどんな話題を気にかけているかを判定する。
ニュースフィードのアルゴリズムは、このモデルを使って閲覧可能なあらゆる投稿を解析する。その人にとって有益であると予測された記事は、露出度が高くなる。
Facebookによると、何が有益と考えるかは人によって異なるため、この変更によってニュースの認知度が上がるとは限らないという。それでも、ウェブ広告ブロッカーを回避する ― パブリッシャーの嫌悪する行為 ― という最近の発表と同じように、今日の変更はFacebookとニュース業界との関係を改善するかもしれない。ニュースに関心のある人は、さらにニュースを見るようになるのだから。
このようにニュースフィードの変更を詳しく公表することは、参照トラフィックをフィードに頼っている企業の不安を掻き立てるおそれがある。しかし、Facebookがフィードの法則を密かに変更している、というかつて繰り返し囁かれた疑惑はなくなるはずだ。