Facebookの20億ドルのOculus買収は、比較的短期間に起きたことであり、交渉はサンフランシスコで行われたゲーム・デベロッパーズ・カンファレンスの最後の5日間に行われたと、本件に詳しい筋が語った。
これまでにMark Zuckerbergが、Oculusの南カリフォルニアオフィスを訪ねたのは、今年一度立ち寄った時だけだ。彼は同社のDK2、セカンド・デベロップメント・キットで遊んだ。
Spark CapitalとMatrix PartnersはOculusの1600万ドルのシリーズAラウンドを、Andreessen Horowitzは7500万ドルのシリーズBラウンドをそれぞれリードし、3社で等しく株を分け合っていると情報源は言っている。本誌はこの買収における内部収益率(IRR)が、シリーズA投資家の歴史の中で最大級だと、複数の筋から聞いている。
ベンチャーキャピタリストのMarc Andreessenは、Facebookの取締役でもあり、今回の交渉には参加しなかった。
「理由は何であれ、彼には信条がある」と契約に関わった筋は言った。Oculusのヘッドセットは、すでに7万5000個が開発キット用に注文されている、とZuckerbergは投資家向会見で言った。
Zuckerbergは、Oculusは全く新しいポストPC、ポストモバイルプラットフォームの象徴だと感じていると説明した。
実際、他の契約交渉では早期の動きが遅かったZuckerbergは、おそらく先手を取る必要があると感じたのだろう。
自前のモバイルOSを持たないFacebookは、垂直戦略を進めるためにスタンドアロンのモバイルアプリを作ったり、サードパーティーアプリを横断するソーシャルレイヤーを作ったりしてきた。しかし、携帯電話はアドレス帳でもつながっているため、Snapchatなどのライバルが急速に成長し何億というユーザーを集めた。
190億ドルのWhatsApp買収に詳しい別の筋によると、同社のメッセージサービスにおけるリーダーシップによって、ZuckerbergはWhatsApp買収を少なくとも2年前から迫られていた。しかし、両社共今年になるまで真剣に考えていなかったため、その間にWhatsAppは5億ユーザーを蓄積し、著しく高い値札がつく結果となった。
「われわれが、10億ドル規模の買収をこのペースで続けるとは思わないでいただきたい」とZuckerbergは会見で言った。「WhatsAppは、将来10億人とつながる稀な会社の一つだと考えており、それは非常に価値が高い。同じく、次期主要コンピューティング・プラットフォーム候補というものも多くはない。このOculusという会社は、その点で明らかに他をリードしている」
Instagram買収と同様に、FacebookはOculusが独立して運用することを約束している。Instagramは今や月間アクティブユーザー数2億人に達し、Zuckerbergはその契約を、同社が数十億ドル規模の戦略的買収を成功させる能力を持つことを示す一例だと言った。
しかし、InstagramやWhatsApp買収と異なり、OculusはFacebookが手を染めたことのない代物だ。モバイルチームが端末メーカーと提携したことはあるが、Facebookがハードウェアを直接扱ったことはない。
「Oculusの連中は明確なロードマップを持っている。唯一変わるとすれば、Facebookが彼らの市場参入を早める手伝いをできることだけだ」と、契約をリードしたMatrixのパートナー、Antonio Rodriguezは言った。「Markが前の2社で証明したのは、彼が買収後も完全独立に運営させるやり方だ」
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)