FedExアプリが他社サービスの配達も追跡できる機能をテスト中

FedExが消費者向けモバイルアプリで開発中の新機能は、Shopify(ショッピファイ)の人気アプリ、Shopと競合するものになるかもしれない。ShopifyのShopアプリの大きなセールスポイントは、ユーザーが自分の購入と配達の追跡を、Shopifyのものだけでなく、AmazonやFedEx、UPS、USPS(米国郵便サービス)などの荷物についても行えることで、ユーザーのメール受信箱から追跡情報をインポートすることによって機能を実現している。FedExは「Crosstrack(クラロストラック)」と呼ばれる機能で同様の方向を目指しているようで、FedExの配達状況が表示されるものとは別のタブで受け取り予定の配達物を追跡できる。

この新機能は、あるデベロッパーがTechCrunchに見せたもので、現在開発中だという。

それを見ると、モバイルアプリの検索・追跡画面が2つのタブに分かれている。1つは「FedEx」で、もう1つには「Crosstrack」というラベルがついている。Crosstrackタブを使ってFedExアプリユーザーは、送られてくる商品の写真やTarget、eBay、Wayfairなどの発信者情報に加えて、予定配達日時と追跡番号を見ることができる。商品が届くと、アプリはこれにグリーンのテキストとグリーンのチェックマークをつける。

画像クレジット:FedExモバイルアプリのスクリーンショット

ShopifyのShopアプリと異なり、この拡張機能はショッピングや商品のおすすめなどには踏み込まず、追跡のみを行うとFedExはいう。

同社はこの機能を開発中であることを声明で認めた。

「FedExはお客様のニーズに答えるために、デジタル体験コンセプトを常に模索しています。これは当社がお客様とともに数多く行っているテストの1つです」とFedExの広報担当者はいう。同社は新機能の詳細をそれ以上話すことはなく、「Crosstrack」という名称が実際に「非FedEx」の配達を意味しているかどうかも明らかにしなかった。しかし、アプリの追跡セクションにタブが2つあり、片方のみに「FedEx」のラベルが付けられていることから、それ以外の用途を思いつくことは極めて困難だ(TechCrunchはFedExに対して「Crosstrack」に関するこの説明を訂正する機会を提示したが、声明以上のことは何も言わなかった)。

もしこの機能が予想どおりなら、Shopifyが広く業界に与えている影響に競争圧力をかけるものであり、実に興味深い。パンデミックに起因する消費者の行動シフトによってeコマース需要が急増する中、あらゆる荷物の追跡を1つのアプリで行えることはShopifyのアプリ「Shop」の大きなセールスポイントになっている。同アプリは3月21日現在ショッピングカテゴリーの第4位で、300万件ほどのレビューで星4.8という高いレーティングを得ていることから、この種の機能に対する消費者の需要の高さがわかる。

ただしFedExは、多くの主要企業と同じく、数多くの新機能をテストしており、正式公開されるのはそのごく一部であることは留意しておくべきだ。今回のCrosstrack機能は、FedExがテストしている「コンセプト」であると我々は認識しており、一般公開に向けて同社が発表間近なものではない。

画像クレジット:VCG / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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