Googleは、ウェブ版のGmailのリニューアル作業を行なっているところだ。新しいデザインのスクリーンショットについては昨日の記事でも触れている。このスクリーンショットを最初に提供してくれたのはChaimというハンドル名の人物だが、氏はデザインだけでなく、興味深い新機能も発見していた。どうやら、Gmailにて期間限定メールを送ることができるようになりそうなのだ。
昔から存在する「メール」という仕組みに、新たな機能を追加するのは意外に難しいことだ。ユーザーは膨大だし、またメールクライアントの数も多数にのぼるからだ。しかしGoogleは、シンプルなPOP3/IMAP/SMTPプロトコル以上のサービスを提供しようとしているようだ。
スクリーンショットをみると、動作の仕組みはProtonMailに近いものであるようだ。一定の期間が経過すると、メールは読めなくなる。
編集画面には、「confidential mode」という名前の小さなアイコンが表示されている。このモードをオンにすると、受信側でメールを転送したり、あるいは内容のコピー&ペースト、ダウンロードや印刷ができなくなるようだ。
メールが読めなくなるまでの期間は、1週間、1ヵ月、数年などの期間を指定して設定することができる。また、受信者にテキストメッセージで送信するパスコードを入力するように要求することもできる。メールアドレスと電話番号を組み合わせて、セキュアな情報のやり取りをすることができるようにしているわけだ。もちろんこれは、Googleの広告提供にもプラスの効果をもたらすことだろう。
この情報を提供してくれた人物が、画面上の「Learn more」をクリックしたところでは、ヘルプページらしき場所に遷移しようとしたものの、目的のページは(まだ)存在していなかったそうだ。
新しいGmailで作成された「confidential mode」のメールを、これまでのGmailで受け取った場合、メール本文へのリンクを受信することになるようだ。読むにはGoogleへの再ログインが要求されるとのこと。再ログイン後にメールを読むことはできるが、コピー&ペーストないし印刷機能は動作しないようになっていたとのこと(それでもスクリーンショットはとれたようだ)。
現状ではどうやらGoogleアカウントを通じてセキュリティチェックを行なっているようだが、果たして「confidential mode」機能が、Google以外の環境でも動作するのかどうかについてはまだ不明だ。また、新しいGmailが普及した段階で、より快適に利用できるようになるのかどうかについても、現段階ではわからない。
たとえば、ProtonMailの利用者が、他のProtonMailの利用者に自動消去メッセージを送った場合には、メールはあたかも普通のメールのように送受信され、そして期日がくれば勝手に受信トレイおよび送信者の送信ボックスから消え去ることになる。
Gmailが用意している新インタフェースでは、メールがリンク情報としてやり取りされることになっているようなのだ。有効期間が経過すればメール本体は消滅するが、しかしリンクをやり取りしたメールは消えないようだ。
また、このメールについて、暗号化の可否などについて一切言及されていないことについても気をつけておくべきかもしれない。「confidential mode」のメールであっても、暗号化されないのであれば、Googleはそのメールの内容を見ることができるわけだ。物理的に見ることができないわけではないことになる。新デザインの公開については、まもなくとアナウンスされている。Confidential modeも同時ないし若干のタイムラグで公開されることになるだろうと思われる。
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(翻訳:Maeda, H)