LA地下鉄、全米初の爆発物検知用ボディスキャナー導入へ

ロサンゼルス郡都市圏交通局は、爆発物を検知するポータブルのボディスキャナーを全米で初めて地下鉄とライトレイルに導入すると発表した。

「我々は常に交通システムにリスクを抱えている」。TSA(米国運輸保安庁)のDavid Pekoskeは発表文でこう述べている。「テロが発生しないよう、交通システムの安全性を確保するのが我々の使命だ」。

ポータブルスキャナーは今後数カ月以内に導入される、とLAメトロの保安担当の取締役Alex Wigginsは述べた。AP通信によると、このスキャナーでは30フィート離れたところからフルボディのスキャンが可能で、1時間あたり2000人超のスキャンに対応する。

「多くの人を殺傷する能力をもつ武器を対象としている」とWigginsは語る。「爆発するようなベストや自動小銃を隠し持っていないか検知するが、多くの人を傷つける能力のない小型の武器は必ずしも検知の対象ではない」。

1台10万ドルするThruvision社がデザインしたこのマシーンは、電波を発し、武器を隠し持っていない“クリーン”な乗客は明るい緑色で、怪しい物は黒色で分割スクリーンディスプレイに表示する。

ロサンゼルスはTSAがこのボディスキャナーのパイロット事業を展開していた都市の一つだが、導入するのはロサンゼルスが初となる。当局はまた、サンフランシスコのベイエリア高速鉄道、ニュージャージー州のトランジット、ニューヨーク・ペンステーションとワシントンDC・ユニオンステーションのアムトラック鉄道駅といった公共交通機関とも試験を行なっている。Wigginsは、LAメトロでのスクリーニングは誰の目にもはっきりとわかる形で行われ、もしスクリーニングを受けたくなければ駅を離れればいい。

米国では昨年、101億回もの移動に公共交通機関が活用されたが、この自動スクリーニングはそうした移動を安全にするためのものだ。しかしながら、交通ハブに配置された保安要員に取って代わるものではない。この夏ベイエリア高速鉄道の駅で起きたNia Wilson殺害のような事件ではこうしたスキャナーは役に立たないが、それでも暴力的な行為を予防するのには役立つ。

交通機関における安全性を確保する手段は進歩しつつあるが、テクノロジーを導入するだけでなく、その使用方法をトレーニングするのも同様に重要となってくるだろう。

イメージクレジット: Richard Vogel / AP

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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