May Mobilityは10年の経験をもつ自動運転スタートアップ、来年にも商用運行を開始

May Mobilityは、(米国時間)月曜日に開催されたY Combinatorのデモディに正式デビューを果たした。10年後ではなく、より近い将来に商用車に利用できる自動運転技術に注力している。しかし、このスタートアップは、まだ若い企業でありながら、2007年の第3回DARPAグランドチャレンジ以来自動運転技術に取り組んでいるチームのおかげで、実際には10年の経験を重ねてきている会社だ。

May MobilityはCEOで共同創業者のEdwin Olsonによって率いられているが、彼はかつてFordの自動運転プログラムの主任研究員として働いていた。Olsonはまた、トヨタ研究所で自動走行に焦点を当てた研究の共同ディレクターも務めていた(トヨタ研究所は、ロボットの世界でトップクラスの人々を抱えている)。そして彼はこれまでのポジションであるミシガン大学コンピュータサイエンス学科の准教授を去り、Mayを設立した。

Olsonと共に共同創業者に名を連ねるCOOのAlisyn Malekも、自動運転では優れた経歴を持っている。かつてGM Venturesで働き、そこで彼女は最終的にはGMに買収されたスタートアップCruise Automationを担当し、GM社内での自動運転テクノロジーの自力開発を助けた。Malekは、自動運転技術や製品を宣伝するスタートアップの素人ではない。それゆえに、彼女がMayに参加すると決めたことは大いに宣伝となる。

5月のチーフ・テクニカル・オフィサーであるSteve Vozarも、Fordの自動運転プログラムの元メンバーであり、自動運転の研究に注力しているミシガン大学のAPRILロボット研究室を指導していた。一方、APRILで働いていたOlson研究室出身の研究者たちの多くも、スタートアップに参加している。

スタートアップを支えるチームはアカデミックな専門知識を備えてはいるが、その目的は、自動運転テクノロジーの実世界における実用的な実装だ。5年から10年後におそらく実現可能だとされているものには目を向けず、特に現時点で可能なものに力点を置いている。すなわち、ビジネスエリア、キャンパス(学校や企業)、そしてクローズドな住宅地域のような、ルートがより簡単にマッピングされ、状況が比較的予測可能な場所での車両ニーズを持つ顧客に訴求することを目指しているのだ。

なぜMayのアプローチは他と異なるのかと問われて、Olsonは「私たちはFord、フォード、そしてGMの経験を間近に見て来ています」と説明する。「この領域の他の大企業、例えばWaymo、Zoox、その他のOEMたち同じように、彼らは皆輸送マーケット全てを一体のものとして追いかけています。これは4兆ドルに達するオンデマンド輸送の課題です。自律的Uberのことを考えてみてください。それは素晴らしい課題であり、素晴らしい市場です。しかし私たちはその方向の技術的パスにはより長い年月、少なくとも5年から10年が必要になると考えています。一方その間に、実世界に出ていくことで、成功したビジネスを構築できるだけではなく、R&Dモードで開発を行うOEM企業たちよりも早く行動し、システムを素早く改善することができるようなデータフローや運用のノウハウを手に入れることができる、と私たちは考えているのです」。

これを達成するため、Mayはコアチーム全体としては6番目の主要なスタックとなる、包括的な自動運転テクノロジースタックを作成した。見込み客たちの自動輸送ニーズに合わせて、このスタックは車両にインストールすることができる。May自身は車両を製造していないが、この種の車両サービス用に設計された既存の車両プラットフォームで動作し、その実装は単なるアドオンよりも深く入り込んでいる。

同社はまた、フルフリートオペレーションサービス(車両群の完全運行サービス)を提供することによって差別化を行なっている。Mayは、日々の運行からメンテナンスおよび清掃まで、あらゆることを手がけようとしているので、自動シャトルサービスを提供しようとする者にとっては、フルサービスの垂直サービスプロバイダとなる。

では実際にはいつからこれらの提供を始めることができるのだろうか?May Mobilityは、2018年中のいずれかの時点で最初の顧客との長期的な事業を開始することを目指している。これは今年始めに会社として立ち上がったばかりだということを考えると素早い動きだ。Mayはまた、現在最大4社と来年の2月までにパイロット運行を始める交渉を行なっている。これらは公的並びに私的なエリアをカバーしている。

これまでのところ、MayはMaven、Trucks、そしてTandemなどの投資家たちから約350万ドルを調達している。雇用と業務の成長を助けるために、来年中にはさらに調達を行うことが目標だ。

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(翻訳:Sako)