MesosphereがGoogleのKubernetesを“データセンターのためのオペレーティングシステム”に導入

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Googleは同社製のKubernetesを、大きなクラスタ集合やコンテナ集合を管理するための標準技術にしたいようだ。同じくコンテナに注力している、データセンターのためのオペレーティングシステムを自称するMesosphereも、クラスタ集合の一元管理のデフォルトの座をねらっている。だから両者は一見すると競合するようだが、しかし今日(米国時間4/22)のGoogleとMesosphereの発表によると、Mesosphereがこれからは、同社のDatacenter Operating System(DCOS)にKubernetesを統合する。

Google自身はデータセンターのクラスタ管理に同社製のBorgを使っている。GoogleがBorgの名を表に出したのはほんの数年前だが、最近では、KubernetesはBorgを大いに参考にしている、とおおっぴらに公言している。

GoogleのプロダクトマネージャCraig McLuckieはこう述べる: “Kubernetesは最初からこれらの機能を誰もが使えるために設計され、社内でBorgという名前で知られているシステムを作った技術者たちが、その開発を担当した”。

そしてこのたび両社のコラボレーションにより、KubernetesとMesosphereのそれぞれ良い点を合体させてデベロッパに提供できる。ターゲットは主に、企業だ。

かねてからMesosphereの売りは、どんなに大きなデータセンターでもまるで一台のコンピュータのように操作/管理できることにある。 MesosphereのベースになっているオープンソースのプロジェクトApache Mesosは、複数のマシンにわたるジョブ分散とジョブスケジューリングを担当し、リソース利用の最適化を図る。

このたびのMesosphereとKubernetesの統合により、デベロッパはMesosphereのDCOSのインタフェイスからKubernetesのクラスタを管理でき、KubernetesにはなかったMesosphereの高度な機能のすべてにアクセスできる(高い可利用性や高度なスケジューリングなど)。DCOSを使うと数千ものノードにわたってKubernetesをデプロイでき、それらのノードは、ベアメタルでも仮想マシンでも、あるいはオンプレミスでもクラウドでも、どこにあってもよい。

また、KubernetesとMesosphereの統合により、Kubernetesのアプリケーションはそのほかのデータセンターサービス(Hadoop、Cassandraなどなど)とクラスタをシェアできるので、企業としてはアプリケーションが複数あっても同じクラスタを複数設ける必要がなくなる。

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MesosphereのCEOで協同ファウンダのFlorian Leibertはこう述べる: “Googleとの協働により、クラウド起源のアプリケーションをどこででも動かすための、堅牢な共通スタックをパッケージできた。MesosphereのEnterprise KubernetesをMesosphere DCOSに統合したことにより、企業はクラウド起源のアプリケーションをSparkやHadoopなどを含む、リッチなマルチサービスの環境で、しかも、高い信頼性とセキュリティとエラスティックなやり方で動かせるためのアーキテクチャを、初めて持つことになる”。

Mesosphereは今後、Kubernetesに関しても企業向けサポートを提供して行く。この件でGoogleは、対顧客サポートを担当しない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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