Nginxは、その商用バージョンとオープンソースバージョンの両方で、今日のインターネット上のとても人気の高いロードバランサーであり、プロキシであり、Webサーバー/アプリケーションサーバーだが、その提供企業であるNginx, Inc.は、顧客を獲得するための網をもっと大きくしたい、と考えている。とくに重要視しているのが、アプリケーションの開発とデプロイ方式の、近年における急速な変化だ。ポートランドで行われたデベロッパーカンファレンスで今日(米国時間9/6)同社は、デベロッパーがアプリケーションを開発するため、あるいは、DevOpsやクラウド、コンテナ、マイクロサービスといった新しい枠組みに基づいてアプリケーションを現代化するためのワンストッププラットホームとして、Nginx Application Platformの立ち上げを発表した。
当然ながらこのプラットホームの核は、オープンソースバージョンにさまざまなエンタープライズ機能を加えた商用バージョンのNginxだ。さらにその上に、Nginx ControllerおよびNginx Unitというものが加わる。Controllerはその名のとおり、アプリケーションの集中的な管理と制御を行う(アプリケーションはどこへデプロイされていてもよい)。そしてUnitは、PHP, Python, およびGoで書かれた、動的可変的な環境で動くアプリケーションのための、現代的なアプリケーションサーバーだ(今後node.js, Java, Ruby, Perlなどもサポートされる)。年内にUnitはControllerに完全に統合されるので、opsのチームがUnitのアプリケーションをControllerのダッシュボードから管理できる。
Nginxのプロダクト担当Owen Garrettはこう言う: “Unitの基本的な考え方は、今日のアプリケーションサーバーがマイクロサービス方式のアプリケーションアーキテクチャに十分に対応していない、という点にある。たとえば一つのアプリケーションを構成する複数のマイクロサービスが、いろんな言語で書かれていたりするからね”。
Controllerは、Nginx Plusおよびその上で動く従来的なアプリケーションと、今多くの企業が投資している現代的なグリーンフィールドデプロイメント(green-field deployments, レガシー残存物のない処女地デプロイ)の両者を橋渡しする。
Controllerは10月に一部の顧客に非公開ベータで提供され、Unitはすでに可利用である。
今あるNginx Web Application Firewallも、このプラットホームに加わる。Controllerがまだ非公開ベータだから、料金等は未定だ。
なお、Unitはオープンソースだが、Controllerはクローズドソースだ。一部の商用製品をクローズドにするのは、Nginxの従来からのやり方だ。協同ファウンダーでCTOのIgor Sysoevはこう述べる: “Unitは多くの人に使ってほしいから、オープンソースにする。でもControllerは商用製品にしたい”。Unitを早くリリースしたのは、コミュニティからのフィードバックをなるべく早く得て、ツールの今後の方向性の参考にしたいから、だそうだ。