OpenStackクラウドのデプロイを支援するSolineaが$4Mを調達してアジア太平洋(とくに日本)市場の開拓へ

8681750288_354823d8d3_o

OpenStackのクラウドをデプロイすることは、今なお容易なワザとは言えない。Solineaは、コンサルタント兼技術提供者として企業によるプライベートクラウドの設計と展開を支援する。同社は今日(米国時間10/21)、Translink Capitalが率いるシリーズAのラウンドで400万ドルを調達したことを発表した。数名のエンジェル投資家がこのラウンドに参加している。

TransLink Capitalはアジアとの強いコネがあり、エンタプライズテクノロジの経験もある。SolineaのCEO Francesco Paolaによると、そのため彼の企業にとっては理想的な投資家だ。

Paolaと協同ファウンダでCTOのKen PeppleはOpenStackとのつき合いが長く、同社を創業したのは数年前だが、ほとんど自己資本のみでやってきた。Paolaによると、当時はまだプライベートクラウドをやろうとする企業にとって自己の技術力やサードパーティのサービスが乏しく、彼らにとってはとくにスケーリングが難題だった。

Solineaはサービスのプロバイダとして創業したが、やがて、プロダクトも提供しないとだめだ、と気づいた。そこで同社が作り上げたプロダクトGoldstoneは、OpenStackのクラウドを視覚化して監視および管理するツールだ。Paolaが経験から学んだのは、適切なプロダクトがなくて、素手でサービスビジネスをスケールするのはとても難しい、ということだ。Goldstoneは今年の初めにオープンソース化し、今取り組んでいる次のプロダクトはGoldstoneがベースで、2016Q1にリリースできる予定だ。

今回得た資金は、この新しいプロダクトの開発資金にもなる。そのほかは、APAC諸国(中でもとくに日本)の市場開拓のための資金となる。これらの国々ではOpenStackへの関心は高まっているが、Solineaのようなサービスプロバイダはまだ少なくて、企業によるOpenStackクラウドの本格的な実装もまだそれほど多くない、とPaolaは見ている。

Paolaによると、ヨーロッパ市場もいずれは、と考えてはいるが、そのためには、人材を揃えるなど態勢の整備が重要だ、と彼は言う。

今日の資金調達の発表と並行してSolineaは、Deutsche Börseと共にハイブリッドクラウドのプラットホームを開発中であることを公表した。

“クラウドを採用して成功している企業では、経営者とITのトップたちが、クラウドは単なる技術的なソリューションではないことをよく理解している”、とPaolaは語る。“Deutsche Börseも、また北米やAPACの顧客企業も、クラウドが経営にアジリティと効率をもたらすための戦略的な要請だ、と解釈している。だからDeutsche Börseのチームと協力してハイブリッドクラウドを構築していくことを、とても楽しみにしている”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。