SequoiaがビデオゲームエンジンUnityのIPOで大きなリターンの可能性

米大手VCのSequoia Capital(セコイア・キャピタル)とそのパートナーらがラスボスを倒せるなら、ビッグボーナスが待っている。

大方の予想どおり、3DゲームエンジンのUnity(ユニティ)は8月24日、フォームS-1をSEC(米証券取引委員会)に提出した(SECサイト)。今後数週間での公開を目指し、ロードショーの準備中だ。

Unityの株主情報が公開された今、IPOの大きな勝者が1社明らかになった。それはSequoiaだ。申請書類によると、Sequoiaの現在の保有割合は約24.1%。Unityの直近のバリュエーションは2019年半ば時点で約60億ドル(約6400億円)だった(未訳記事)。数週間経てば市場での価値がわかる。しかし、Sequoiaにとって数十億ドル(数千億円)のほぼ4分の1を保有していることは大きなリターンになる。

もう1つの主要なVC投資家はSilver Lake(シルバーレイク)。2017年に最大4億ドル(約430億ドル)を投資したようで(PR Newswire記事)、現在18.2%を保有している。創業者および経営幹部の中では、Unityの創業者で現在取締役を務めるDavid Helgason(デビッド・ヘルガソン)氏が4.4%を、Unityの現在のCEOであるJohn Riccitiello(ジョン・リッチティエッロ)氏が3.4%を保有している。申請書類によれば株主は合計782人だ。

Sequoiaの持ち分について興味深い点は、2009年に遡る10年以上前のシリーズAでUnityに最初に投資して以来、長期間でUnityがどれだけ成長したのかということだ。下表で、Sequioaのさまざまなファンドからの長年にわたる投資を確認してほしい。

Sequoiaがビデオゲームプラットフォームの分野に手を付けたのは確かに早かったが、何年にもわたってカギとなったのは、成長投資の一環としての追加投資と、おそらく初期の投資家、従業員、創業者からの普通株の買い集めだ。最初の12号ファンドからの出資割合は合計10.28%だが、グロースファンドからは合計で13.82%だ。

最後に、シリーズAから現在までのUnityの株価上昇のグラフを以下に示す。

リークされたS-1申請書類のコピーに基づきTechCrunchが8月20日に報じたPalantirの数字(未訳記事)とは異なり、Unityの業績は過去10年間で比較的上向きだ。2011年のシリーズBと2016年のシリーズCの間には調達額にかなりの開きがあり、価格は指数関数的な成長カーブを描いている。今度は、公開市場の反応を見てみよう。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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