Sisenseは米国時間12日より、特定の指標値に関して正常なパラメータを逸脱する結果を検出した際に、警告を発するPulseという新しいツールの提供を開始した。このツールには機械学習が活用されている。
利用者はPulseに対して、営業活動や成約率などの、メトリクスやKPIをモニタリングし警告を出すように設定を行う。機械学習コンポーネントは、選択されたメトリクスを監視し、何が正常な状態かを時間をかけて学習する。そして異常を検出した際に、ユーザーに対して警告を送る。更には、メトリクスが時間とともにどのように変化して来たかを判断することができるため、新しい正常パターンに対して警告トリガーを出し続けることもない。
このアプローチは、ビジネスインテリジェンス(BI)を簡単にするというSisenseのミッションの一部であると、同社のCEOであるAmir OradがTechCrunchに語った。昨年彼の会社は、Amazon Echo Skillを導入し、ユーザーがSisenseのデータについてAlexaを介して質問できるようにした。Pulseはそうしたユーザーたちに、意識的な検索を行うことなくデータへのアクセスを行うことを可能にする。
「これはこれまで私たちがやってきたこと、すなわち利用者の手に洞察を届ける『どこでもSisense』というコンセプトの、直接的な延長線上にあるものです。Pulseはその方向への一歩なのです。私たちは、興味深いものに警告を割り当てる機能から始めました」と彼は説明した。
Sisenseのようなツールを使用するときには、まずそのツールを起動してデータを検索するのがこれまでのやり方だ。このプロセスの一環として、特に興味深かったりあなたにとって重要な何かを見つけることがあるだろう。そのときあなたはPulseに設定を行い、メトリクスが異常を示したときにシステムに警告を送らせるようにすることができる。Oradは、これは人びとがBIツールを使用してきた典型的な方法とは、逆転したやりかただと語る。
「従来のやり方では利用者がコンピューターに向かい、質問を発して、報告を得ていました。しかし、もしその情報をシステムがプッシュしてくれるなら、より興味深いものになるのです」と彼は言った。特にツールが機械学習を使って、特定のメトリクスに関連する過去の数字を見張ってくれるのならば、確かにより簡単になるだろう。
「時間をかけて曲線をプロットし、曲線の典型的な形を理解します。その曲線から逸脱し、大きな差異が見られる場合には、警告を受け取ります」と彼は言う。
Oradによれば、Pulseはただ警告を発するだけではないと言う。アクションのための、あるいはワークフローを開始するためのトリガーを出すこともできるのだ。Sisenseは、IFTTTに似通ったワークフローツールであるZapierと提携している。ワークフローツールを用いてユーザーは、特定の条件にアクションや、アクション群に対してトリガーを出すことができる。Sisenseの場合には、新規顧客や在庫補充(その他任意の業務プロセス)のためのワークフローを開始することができる。
現在Sisenseは、何かが大きく変化した際に、ツールに明示的な指示を出さなくても利用者に対して警告を出すことができる機能に注力している。「私たちは自分たちのミッションをシンプルなものと捉えています。すなわち、ビジネスユーザーがいつでもどこでも価値を得ることができるように、複雑なデータを単純化するということです。それを行うための唯一の方法は、ユーザーたちの手に価値ある情報を届けることなのです」と彼は言った。
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(翻訳:Sako)