ソフト開発の分析プラットフォーム「Sourced」がエンタープライズ版を公開

Sourced(同社自身の表記では「source{d}」)は、開発者やIT部門向けにソフトウェア開発のライフサイクルを深く分析するプラットフォームを提供している。コードベースを分析し、利用されているAPIや開発者の生産性に関する情報などの指標を得ることができる。米国時間7月2日、同社はこのプラットフォームのエンタープライズ版を正式に公開した。これにはIT部門や経営陣がソフトウェアのポートフォリオや開発のプロセスを管理するための先進的なツールが多数含まれている。

SourcedのCEOであるEiso Kant(エイソ・カント)氏は次のように語っている。「Sourcedはアクション可能なデータをITのリーダーに提供するプラットフォームで、大規模なエンジニアリング組織のIT戦略を監視、測定、管理することができる。今回のSourced Enterpriseのリリースにより、エンタープライズにおけるソフトウェア開発のライフサイクル全体についてエンジニアリングを適切にオブザーブできるようになる。これは大きな進歩だ」。

ほかのエンタープライズ向けツールがそうであるように、Sourced Enterpriseもロールベースのアクセスコントロールなどのセキュリティ機能や専用サポート、SLAを提供している。IT部門はサービスをオンプレミスでもSaaSプロダクトとしても利用できる。

同社は、エンタープライズ版ではより大規模なコードベースを扱うこともでき、大きなデータセット上での複雑なクエリを数秒、あるいは相当大規模なデータセットでも数分で実行できるとも語った。こうした複雑で高度なクエリを作成するために、エンタープライズ版には多くのアドオンが含まれている。同社は「こうした機能を要望に応じて利用できる。アイデンティティマッチングやコード重複分析といった機械学習に依存することの多い課題を解決するのに役立つように作られている」としている。

サービスには広く使われているプロジェクトマネジメントツールやBIツールが統合されている一方、オープンソースのBIアプリケーションのApache Supersetも内蔵のデータ可視化ツールとして付属している。

こうしたデータ可視化機能は、Sourced Community Editionのプライベートベータでも利用できるようになった。

エンタープライズ版を公開前にテストしたオープンソースのCloud Foundry FoundationのCTO、Chip Childers氏は次のように語っている。「Sourced Enterpriseによって、Cloud Foundryのコードベースの進化、開発パターン、トレンド、依存関係がすべてダッシュボードにわかりやすく表示され、有用な知見を得られた。自社のコードベースとエンジニアリング部門がどうなっているかを本当に知りたいなら、Sourcedはぴったりだ」。

現在までにSourcedは、First VC、Heartcore CapitalXavier Nielなどから1000万ドル(約11億円)を調達している。

画像:Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

AWSのBIツールQuickSightがセッション課金制を導入して気軽な利用を促進

Amazon AWS上のビジネスインテリジェンスツールQuickSightは2015年にローンチしたが、しかし競争の激しいBI市場にこのサービスが与えたインパクトを量るのは難しい。でも同社にこのプロジェクトをギブアップする気配はなく、今日はQuickSightのダッシュボードのセッションあたりの課金という、新しい料金プランを導入した。それは明らかに、TableauやMicrosoftのPower BIが大きなマインドシェアを握っている市場に、食い込む努力の一環だ。

この新しい料金プランでも、ダッシュボードの作成と発行に関しては一人あたり月額18ドルのままだ。しかしダッシュボードの内容を読んで利用する者は、1セッションあたり30セントを払い、最大月額が一人あたり5ドルになる。1セッションの定義は、ログインしてから最初の30分のことだ。

それまでのQuickSightの料金プランは、一人あたり月額9ドルのスタンダードプランと、Active Directoryと保存時の暗号化がサポートされる24ドルのエンタープライズプランの二種類だった。

月額9ドルのプランは今後も残り、ダッシュボードを作る人と利用する人が同一人物であることの多い小企業にはこれで十分だろう。今回の新しい料金プランは、既存のエンタープライズプランと併存せず、それを置換する。

QuickSightはすでに、Tableauなどに比べるとかなり低料金だったが、しかしその機能の揃いぐあいについては、評価が低かった。今度のセッションあたりの料金制は、安売りをさらに強調するだけだ。

AWSでQuickSightを担当するVP Dorothy Nichollsは、今日のコメントでこう述べている:

“Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)が提供するスケーラビリティの優れたオブジェクトストレージや、従来のソリューションの1/10の費用で利用できるデータウェアハウジングサービスAmazon Redshift、そしてAmazon Athenaが提供するサーバーレスのアナリティクスにより、AWSは、かつてなかったほどのペースで、顧客がデータを保存し利用する場所になりつつある。そしてそれにより、知識労働者たちのほぼ全員が、それらのデータと、そこから得られるインサイトへの、容易なアクセスを求めるようになっている。それは、ほとんどの企業における近年の大きな変化だ。企業が全社にわたってそのような要求を満たすことは、かつては費用的に不可能だったが、Amazon QuickSightのこのたびのセッション課金制により、情報とアナリティクスへのアクセスが、新しい時代を迎えようとしている”。

QuickSightの現在のユーザーの中には、NFL, Siemens, Volvo, AutoTraderなどがいる。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SAPがビジネスとIoTのデータを結ぶLeonardo IoT Bridgeを発表

SAPは本日(米国時間7月11日)、Leonardo IoT Bridgeと呼ばれる新しいツールを発表した。現場のセンサーから収集されたデータと、企業内で動作するビジネスシステムの間のギャップを埋めるためにデザインされたツールだ。

製造業界は今、センサーを備えた機器群が、健康や周囲の環境データを、濁流のようにインターネット上を介して送り付けるようになる、大規模なシフトの途上だ。

大規模で複雑なERPシステムデータベースの開発で知られるドイツのSAPは、大量のビジネスデータ処理処理を通して学んだ知見を、接続されたセンサ群や基盤となるシステムに適用したいと考えている。

このため、同社はこの5月に、SAP Leonardoと呼ばれる新しいプラットフォームを発表した。SAPのInternet of Things担当SVP(これが出来たばかりのポジションであることは確実だ)であるNils Herzberg氏によれば、Leonardoは、大量のIoTデータを収集し処理を行い、そして活用することを助けるクラウドサービスである。

初の顧客イベントであるLeonardo Liveで、本日発表されたLeonardo IoT Bridgeは、SAPアプリケーション情報とセンサーデータを組み合わせて、運用状況をリアルタイムで追跡することができるようにするデジタル司令センターだ。

新しいツールを発表した同社のブログ記事によれば、「SAP Leonardo IoT Bridgeの主要な機能は、IoTアプリケーションから送られる予想外のイベントや予定外のイベントを特定し、ユーザーにコンテキストと共に提示を行なうことです。その際には意思決定を助けるために、サービスレベル契約、コストおよびその他の関連要因とのトレードオフも同時に示されます」とのことだ。

もし述べられたとおりに動作するならば、リアルタイムで情報を追跡するために苦労している物流および運用チームを持つ顧客たちへの福音となるだろう。実際同社は、Bosch Groupと提携し、配送会社向けの、配送車両ならびに荷物のリアルタイム追跡を行なう、IoT Bridge Bridgeのダッシュボードの構築を行なうことを発表した。このシステムは車両の位置情報や、車内の温度並びに衝撃データに基づく荷物の状態に関わるセンサーデータを、IoT Delivery Bridgeに対して送信する。

しかも、それは単に車両が故障していることや、ひどい渋滞に巻き込まれていること、そして荷物が破損したことなどが検知できるだけではない。近隣のどこに代替車両や荷物があるのか、とにかくどのような手段を用いれば配送を完遂できるのかを知るために、ビジネス情報にアクセスすることが可能だ。

このツールは、さまざまなやりかたで構成することができるため、この同じ技術を使用して、製造業における機械設備の故障や、スーパーマーケットの食品腐敗に対する予測などに応用することも可能だろう。

標準のLeonardoサービスには、機械学習、分析、ビッグデータ、さらにはブロックチェーンがサービスとして含まれる。プラットフォームはセンサーからの情報を収集し、データを活用する、より実用的なワークフローを構築する目的に役立つ。

Herzbergが指摘したように、もし倉庫内に修理部品があるかどうか、どれ位の時間でそれを入手できるのか、そして修理を行うことのできる訓練されたサービス要員がいるのかどうかが分からないのならば、燃料ポンプが故障する可能性があると予測できてもあまり意味がない。これは実際、こうした種類の情報を追跡するシステムを構築している、SAPのようなERPプロバイダにとっては、魅力的な応用対象分野だ。そのノウハウを使ってIoTデータを活用できると彼らは考えている。

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(翻訳:Sako)

MongoDBがバックエンドサービスStitchを開始、AtlasはAzureとGCPに対応、そして新しいBIツールも発表

MongoDBは今週シカゴで年次デベロッパーカンファレンスを開催している。そして良い開発者会議には新しいプロダクト発表がつきものだ。MongoDBは本日(米国時間6月20日)の基調講演に於いて、現在提供しているAtlasデータベースサービスが、Microsoft AzureならびにGoogle Cloud Platformの上で動作するようになったというアップデートを発表し、また同時に2つの完全に新しいプロダクトを発表した。1つはStitchと呼ばれるもので、MongoDBデータベースの上で動作し、サービスとしてのバックエンド(BaaS)を提供して、開発者が異なるサードパーティサービスとの連携を行なうことを助けるもの。もう1つはMongo Chartsと呼ばれるもので、Tableauに似たビジネスインテリジェンス(BI)サービスであり、MongoDBデータベース内の情報をチャート化する目的に利用することができる。

多くの点で、StitchはMongoDBにとって、コアデータベースサービスから踏み出す最初の挑戦だ。MongoDBのCTO兼共同創業者のEliot Horowitzは、彼等の開発チームが、今やMongoDBのユーザーの大半が、サードパーティのサービスを組み合わせたアプリケーションを作成していることに気付いたと述べた。Stitchを使用することで、開発者たちはこれらの外部サービスに接続し、そのAPIからデータを容易に引き出してデータベースに格納することができるようになる。理想的には、たとえば、開発者は独自のセキュリティやプライバシーコントロールを構築する必要がなくなり、アプリケーションをこれらのサービスと統合するために苦労するのではなく、アプリケーションの構築に集中することができるようになる。
Stitchは、Google、Facebook、AWS、Twilio、Slack、MailGun、そしてPubNowととのプレビルド統合が行われた形で開始されるが、Horowitzが強調するように、StitchをREST APIを提供するサービスと統合することは簡単に行うことができる。

Stitchは現在、MongoDB Atlasユーザーに対するパブリックベータ版で利用可能だ。現在の利用料金は開発者たちが必要とするデータ転送量に基いている。Stitchがベータ版を終了したあとは、全てのMongoDBユーザーが同様の課金モデルでそれを利用することが可能になり、かつ同社はオンプレミス版の提供も行う予定だ。

MongoDBのクラウドデータベースサービスであるAtlasに関する新しい機能は、特に発表されなかったが、同社はユーザーたちがサービスをGoogle Cloud Platform(GCP)ならびにAzure上に展開できるようにした。この提供には随分時間がかかったが、これまで同社はリソースを、最も顧客がいるAmazon AWSプラットフォームに対して集中することを決めていたのだ。昨年6月にサービスを開始したこのサービスには、同社によれば現在「何千人ものアクティブユーザーがいる」という。そうしたユーザーの中には、例えばeHarmonyやThermo Fisher Scientificのような会社が含まれている。

新しい2つのプラットフォームのサポートが示すのは、MongoDBのようなデータベースプロダクトを必要としている企業たちが、今や代替プラットフォームを検討し、単純にAWSをディフォルトとして利用していないことを示すものだ。

MongoDBにとって、AzureとGCPのサポートを追加することは、全体的なビジョンを達成するための第1歩にすぎない。ここでのアイデアは、将来はユーザーたちが、完全に特定のクラウドにとらわれない、グローバルに分散したデータベースを展開できるようになることだ。この計画に於ける(すぐにやってくる)第2歩は、ユーザーたちが任意のクラウドの任意のリージョンに展開できるデータベースを構築できるようにすることだ。

少々驚きを伴ったが、MongoDBはまた、新しいビジネスインテリジェンス(BI)ツールであるMongo Chartsのプレビューを行なった。残念ながらこれはまだ使うことはできないが、同社の広報担当者によれば、これはこの秋に行われる、もっと大きな新規改訂の一部だということだ。ここでのアイデアは、ビジネスユーザーたちが、MongoDBインスタンスの中に保持している自分たちのデータを活用して、グラフやダッシュボードを簡単に構成できるようにしようというものだ。類似ツールと同様に、ユーザーはインタラクティブに、データをリアルタイムに探索することができる。

Horowitzによれば、他のデータベースのサポートを取り込む予定はないということだ。よってこのサービスが、TableauやMicrosoftのPower BIなどと直接競合することはない。しかしMongoDBをヘビーに使い倒している企業にとって、Mongo Chartsは唯一必要とされるツールになるのかもしれない。

Mongo Chartsの価格設定に関しては、会社がまだ決定していないと、Horowitzは答えた。

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(翻訳:Sako)

SisenseのPulseは機械学習を用いてデータ異常に警告を発する

Sisenseは米国時間12日より、特定の指標値に関して正常なパラメータを逸脱する結果を検出した際に、警告を発するPulseという新しいツールの提供を開始した。このツールには機械学習が活用されている。

利用者はPulseに対して、営業活動や成約率などの、メトリクスやKPIをモニタリングし警告を出すように設定を行う。機械学習コンポーネントは、選択されたメトリクスを監視し、何が正常な状態かを時間をかけて学習する。そして異常を検出した際に、ユーザーに対して警告を送る。更には、メトリクスが時間とともにどのように変化して来たかを判断することができるため、新しい正常パターンに対して警告トリガーを出し続けることもない。

このアプローチは、ビジネスインテリジェンス(BI)を簡単にするというSisenseのミッションの一部であると、同社のCEOであるAmir OradがTechCrunchに語った。昨年彼の会社は、Amazon Echo Skillを導入し、ユーザーがSisenseのデータについてAlexaを介して質問できるようにした。Pulseはそうしたユーザーたちに、意識的な検索を行うことなくデータへのアクセスを行うことを可能にする。

「これはこれまで私たちがやってきたこと、すなわち利用者の手に洞察を届ける『どこでもSisense』というコンセプトの、直接的な延長線上にあるものです。Pulseはその方向への一歩なのです。私たちは、興味深いものに警告を割り当てる機能から始めました」と彼は説明した。

Sisenseのようなツールを使用するときには、まずそのツールを起動してデータを検索するのがこれまでのやり方だ。このプロセスの一環として、特に興味深かったりあなたにとって重要な何かを見つけることがあるだろう。そのときあなたはPulseに設定を行い、メトリクスが異常を示したときにシステムに警告を送らせるようにすることができる。Oradは、これは人びとがBIツールを使用してきた典型的な方法とは、逆転したやりかただと語る。

写真提供:Sisense

「従来のやり方では利用者がコンピューターに向かい、質問を発して、報告を得ていました。しかし、もしその情報をシステムがプッシュしてくれるなら、より興味深いものになるのです」と彼は言った。特にツールが機械学習を使って、特定のメトリクスに関連する過去の数字を見張ってくれるのならば、確かにより簡単になるだろう。

「時間をかけて曲線をプロットし、曲線の典型的な形を理解します。その曲線から逸脱し、大きな差異が見られる場合には、警告を受け取ります」と彼は言う。

Oradによれば、Pulseはただ警告を発するだけではないと言う。アクションのための、あるいはワークフローを開始するためのトリガーを出すこともできるのだ。Sisenseは、IFTTTに似通ったワークフローツールであるZapierと提携している。ワークフローツールを用いてユーザーは、特定の条件にアクションや、アクション群に対してトリガーを出すことができる。Sisenseの場合には、新規顧客や在庫補充(その他任意の業務プロセス)のためのワークフローを開始することができる。

現在Sisenseは、何かが大きく変化した際に、ツールに明示的な指示を出さなくても利用者に対して警告を出すことができる機能に注力している。「私たちは自分たちのミッションをシンプルなものと捉えています。すなわち、ビジネスユーザーがいつでもどこでも価値を得ることができるように、複雑なデータを単純化するということです。それを行うための唯一の方法は、ユーザーたちの手に価値ある情報を届けることなのです」と彼は言った。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: SCIENCE PHOTO LIBRARY/GETTY IMAGES

ふるさと起業の典型Skuidがプログラミング不要アプリケーション開発ツールで$25Mを調達

ユーザーインタフェイスを“コードレス”で作れるので、一般社員でもBI(business intelligence, ビジネスインテリジェンス)アプリケーションを作れる、というSkuidが、新たに2500万ドルの資金を調達した。

テネシー州チャタヌーガに本社を置くSkuidは、シリコンバレーやサンフランシスコ、ボストン、ロサンゼルス、ニューヨークなど従来のイノベーションハブ以外の場所で生まれつつあるスタートアップの、ひとつの典型だ。

本誌TechCrunchは3年前に、投資家たちが予言している“逆ゴールドラッシュ”〔Uターン起業、ふるさと起業〕を取り上げたが、同社はある意味でその代表的な例でもある。

アパラチア山脈の内陸側山麓丘陵地帯がテネシー川で区切られるあたりに位置するチャタヌーガは、西半球で最速のインターネット接続を誇り、ガス・水道などと同じ公共サービスとして提供されるギガビットアクセスは、この都市(まち)を “救った”と言われる。

名曲チャタヌーガ・チュー・チューを産んだこのSouthern Railway鉄道沿いの工業都市は、もはやチャタヌーガの今の姿ではない。今やヘルスケア産業を中心に脱工業化を図るとともに、Volkswagenがこの小さな南部の都市に10億ドルを投じた大工場も抱えている。

SkuidのCEOでファウンダーのKen McElrathにとって、競争の激しいシリコンバレーではなく、のどかな田舎で起業することのメリットの大きさは、計り知れない。また1ギガのインターネットサービスに毎月250ドル払うことと、ウェストコーストで数千ドル払うことを比べれば、その違いは自明だ。

今回の25万ドルはMcElrath一家の資産管理会社Iconiq(Mark Zuckerbergにもそんな会社がある)と、前からの投資家K1 Investment Managementからだ。その主な用途は、今後の技術開発、企業のふつうの社員が、ツールバーやデータの視覚化を駆使したビジネスインテリジェンスアプリケーションを作れるようになるための、Skuidを作ることだ。

ユーザーがSkuidで作るアプリケーションは、もっぱらRest APIを駆使して、その会社が使っているBI用アプリケーション、すなわちOracle, Microsoft, Salesforce, Slackなどなどを統合する。

この、McElrathが“Skuid Model”と呼ぶ方式では、ユーザーがそのアプリケーションを一二箇所クリックするだけで、目的のデータソースを呼び出せる。そして目的のデータオブジェクトをさまざまな視覚化タブへドラッグ&ドロップすると、会社のデータを見ることができる。

McElrathによると、Skuidの次のバージョンでは、AmazonのAlexaやAppleのSiriに似た技術を導入して、音声によるインタフェイスが可能になる。

McElrathは語る: “まるでそれは、Alexaに表を作らせたり、何かの基準でデータをフィルタさせたりするような、アプリケーションになるだろうね。たとえば自動車販売店の営業なら、車を運転しながらSkuidのアプリケーションに、‘これから行くお客さんの会社のホームページを見せてくれ’、なんて…音声で…言えるだろう。そして、‘そこの担当者のXXXさんに電話をかけてくれ’、とかね”。

こうやって誰でもアプリケーションを作れるのが、プログラミングの未来だ、とMcElrathは語る。“それは、そんなに遠い未来ではない。こういったいろんな機能を統合するのは、今ならきわめて容易だ。音声機能は、来年の製品に実装できるだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SisenseのSlack, Skype, Facebook Messenger, Telegram用ボットはBIへのアクセスを非技術系一般社員にまで日常化・民主化する

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複数のデータソースを結びつけてそれらを単一のダッシュボード上に要約するSisenseは、データとの対話性を広げる技術に積極的に挑戦する。この前はAmazon Echoとの統合を発表し、ユーザーがAlexaにデータをリクエストできるようにした。

そして今日は、ボットの統合。対象がEchoからメッセージングアプリに変わった。今日のリリースがサポートしているのは、Slack, Skype, Facebook Messenger, Telegramという、定番中の定番だ。

SisenseのCEO Amir Oradによると、“最初にこの4つをパートナーとして選んだのは、企業ユーザーがとても多くて、ほとんどの企業が使っているからだ。いずれもAPIがあるから、これらのメッセージングシステムにSisenseのような外部システムがアクセスできる。このようなオープンなプラットホームこそが、企業経営の未来であり、コラボレーションの原動力だ”、という。

ユーザーは、質問をしたり、単純なリストから選択をしたりする。Slackの統合では、誰かが営業データのチャートをシェアしたら、ユーザーは“See Widget”(ウィジェットを見る)や“See Dashboard”(ダッシュボードを見る)選べる。ウィジェットを選んだら、アナリシスのウィジェットがチャートのインサイト(insight, データの奥深い意味)を提供するだろう。

Sisense Slack bot.

写真提供t: Sisense

ボットのメリットは、ソフトウェアビジネスのワークフローにインテリジェンスを持ち込むだけではない。巧みな設計のボットの真の長所は、ソフトウェアそのものの複雑性を隠してくれることだ。

“セルフサービスタイプのサービスと、データの視覚化技術によって、非技術系のユーザーでもデータを日常的に使いこなせるようになった。うちのようなビジネスインテリジェンス(BI)・ボットは、そういうセルフサービスの上で、日常の仕事環境にデータのインサイト(データの洞察的意味)を直接提供する。〔宿主であるSlackなどの上で日常的にBIを提供する。〕

いちいち、何かをクリックしたり、セレクトしたり、ときにはコピー&ペーストしたり、という、ここ30年間のソフトウェアとの対話方式と違って、対話的操作がより会話に近いものになる。ボットは、自然言語によるソフトウェアとの対話に似た感覚を与え、うまく行けばソフトウェアの隠れた価値を浮かび上がらせる。直接、非技術系のユーザーに対して。

一見ギミックのようだが、実は、Sisenseなどが提供するデータを、顧客企業内のできるだけ多くの人びとに届ける、クリエイティブな方法だ。このようなツールは、データへのアクセスを大幅に民主化し、しかもデータのエキスパートの手を煩わせずに、情報への広範なアクセスを(スタッフだけでなく)ラインのビジネスユーザーにも与える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビッグデータはビッグトラブルか?、…その正しい方向性を見定めるべき時

Abstract 3D network in future

[筆者: Dave Mariani](AtScaleのCEOで協同ファウンダー。)

ビッグデータとビッグデータ分析の世界に最近、二つの重要な展開があった。まず、Tableau(DATA)が決算報告を出したが、EPSはアナリストたちの予想を$0.05下回り、同社の株価は5%下がった。そしてHortonworks(HDP)は売上の低迷を発表し、それにより株価は大幅に下落した。

ビジネスインテリジェンス(BI)やHadoopの世界に、今何が起きているのか? BIやビッグデータの世界が内部崩壊する前に、われわれは遠くの高台に避難すべきか?

何をどう考えていたのか?

市場記事のセンセーショナルな見出しを見て、怖がる必要もないが、しかし、彼らの予想を裏切る業績の背後には、投資家たちやテクノロジー企業を買収しようと考えている人たちが留意すべき重要なトレンドがある。

まず、純粋にパフォーマンスだけを見るとどうか。Tableauはビジネスインテリジェンスのリーダーだ、と多くの人が見ている。売上は前年比で35%も増加した。上場しているデータ分析企業で、昨年こんなペースで成長したところが、ほかにあっただろうか?

これを、業界全体と対比してみよう。Gartnerの予想では、2016年の全世界のIT支出額の成長率は0.0%、すなわち横ばいだ。そんな中で35%の成長は、きわめて異例である。Hortonworksの前四半期はどうか。売上は前年同期比で46%増加している。

一体どういう意味か?

投資家の期待や予想は、頑固だ。テクノロジーバイヤー*や業界のオブザーバーは、(一見成績の良い)両社のパフォーマンスを、業界全体の傾向や見通しと照合したうえで、評価する。〔*: technology buyer, テクノロジー系の企業やその株を買おうとしている人たち、≒テクノロジー指向の投資家。〕

たとえばTeradataも最近、売上を報告したが、同社のビジネスは前年比で約4%縮小した。だからほかの条件が変わらなければ、Hortonworksの売上は2020年までにTeradataを上回るだろう。

ここからどこへ行くのか?

あなたがテクノロジーバイヤーなら、これらの短期的な業績にはとらわれないだろう。あなたが気にするのは、この業界にこの夏、何が起きたかだ。Workdayは7月にPlatforaを買収し、Qlik Techは6月に投資企業Thoma Bravoに吸収された。噂ではAmazonは来月、ビジネスインテリジェンスの視覚化ソリューションをリリースするらしい。もちろんMicrosoftとGoogleには、すでにこの市場向けの製品がある。

視覚化やビジネスインテリジェンスを一社に絞ることは、最近ますます難しい。だから業界のいろんな選手たちの業績を気にするよりは、全体としての彼らの技術の方向性やビジョンに着目すべきなのだ。

たとえばこの市場では、一枚岩的でクローズドなやり方は、きわめて受けが悪い。Platforaのアーキテクチャを見て気づくのは、そのエンドツーエンドの統合に最大のメリットがあることだ。データプラットホームという一方のエンドから、視覚化レイヤという片方のエンドまで、全体が統合化されている。しかしこのアプローチが有効なのは、ユースケースがきわめて特殊で、ユーザーが少数の高度な専門家であるときだ。何十万ものユーザーを対象とする幅広いユースケースのためにデータサービスを提供したい、と考えている一般企業には、向いていない。

しかしTableauは、セルフサービス型ビジネスインテリジェンスというものを開拓し、業界全体をその方向へ向かわせようとしている。MicrosoftやGoogleやAmazonが視覚化市場への参入に熱心なのは、Tableauの成功によって、データをビジネスユーザーの手中に置くことの威力を、思い知らされたからだ。

プラットホームのベンダーは今明らかに、今後成長し栄える市場がこれであることに、気づいている。Tableauが見つけたのは、本当にビジネスインテリジェンスを必要としているのは、日々十分なサービスにも恵まれず日陰に放置されている、9億人を超える情報労働者であることだ。それだけでも、今もっともらしく“ビジネスインテリジェンス”と呼ばれている市場の、約10倍はある。MicrosoftやAmazonがビジネスインテリジェンスの低価格化をトライしていることからもうかがわれるように、明日の業界が必ず目にするのは、BIが、これまで、そんなものとは無縁だと思われていたところで増殖し拡大していく光景だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BIサービスのTableauがドイツのHyPerを買収してビッグデータ分析を高速化

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BIサービスのTableauが、ドイツの先進的データベース企業HyPerを買収したことを発表した。Tableauのねらいは、彼らの技術を自社のプロダクト集合に組み入れることだ。

Tableauはビジネスインテリジェンスとデータ分析の企業として、企業顧客が自分たちのデータからインサイトを得ることを助けている。大学の研究から生まれたHyPerのデータベース技術は、Tableauのすべてのプロダクトのパフォーマンスを向上させる。Tableauのエンジニアリング担当シニアディレクターPatrice Pellandは、そう説明する。

“HyPerはダイアモンドの原石だ。ミュンヘン工科大学(Technical University of Munich, TUM)の研究チームがそれを開発した”、とTableauは述べている。

Tableauは実は、この若い企業に前から注目していた。最初に発見したのは、データベース技術に関する学界の場だった。その技術が姿をなしてくるにつれてTableauは、それが同社のBIサービスによくフィットしていることが分かってきた。

HyPerがTableauに持参する能力の中には、データ分析の高速化がある。それは、データセットのサイズとは無関係であり、トランザクションのシステムと分析システムを一体化してプロセスをスピードアップする。またその多様な分析能力は、定型データと非定型データの両方をサポートし、ビッグデータの分析に威力を発揮する。

まだ生まれたてほやほやのHyPerは資金もなく、Tableauが買収しようとしたとき、顧客もいなかった。買収の条件をTableauは公表していないが、Tableauのスポークスパーソンによると、“それは現金以外の取引なので公表はできない”、という。つまり、おそらくそれは1億ドルに満たない価額と思われるが、まだ新生児のような企業だから、それも当然かもしれない。

HyPerのトップは、TUMの二人の教授で、これまで院生たちとともに研究を続け、HyPerデータベースシステムの開発に至った。Tableauも数年前に、大学(スタンフォード)の研究プロジェクトから生まれた。つまり両者は‘大学発’というルーツを共有する。二人の教授は当面コンサルタントとして仕事を続け、プロジェクトに関わった4人のPhDは、ミュンヘンに設けられるTableauのR&D部門を担当する。

そのオフィスは今後拡張する予定だが、最初何名の社員でスタートするかは、公表されていない。

今現在、彼ら新しい社員たちは、シアトルにあるTableauの本社を訪れて、技術者たちとHyPerのデータベース技術とTableauのプロダクトとの統合について、話し合っている。

これはTableauの二度目の買収だ。“うちの企業をもっと良くする機会はいつも探しているが、企業文化という重要なものがあるので、買収にはつねに慎重だ”、とPellandは述べる。

なお、Tableauは2013年に上場し、昨年7月には一株127ドル44千とという高値をつけた。しかし今週水曜日(米国時間3/9)の時間外では、42ドル64セントと落ち込んでいる。今年のテクノロジー株は年初から良くないが、Tableauの下げは激しすぎる。

〔ここにグラフが表示されない場合は、原文を見てください。〕

[graphiq id=”3oaS89DzStf” title=”Tableau Software Inc. (DATA)” width=”700″ height=”414″ url=”https://w.graphiq.com/w/3oaS89DzStf” link=”http://listings.findthecompany.com/l/14692592/Tableau-Software-Inc-in-Seattle-WA” link_text=”Tableau Software Inc. (DATA) | FindTheCompany”]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AmazonがAWSのユーティリティとしてBI(ビジネスインテリジェンス)サービスQuickSightをローンチ、ユーザアプリケーションから利用可

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今年のre:InventデベロッパカンファレンスでAmazonは、AWSのサービスの一環としてビジネスインテリジェンス(BI)サービスを発表した。そのサービスはQuickSightと呼ばれ、AWSのユーザがデータの視覚化を短時間(最大で60秒以内)で行うことができる。

Amazonは、このサービスの使いやすさをとくに強調している。対象となるデータは、ユーザがすでにAmazonの各種サービスの上に保存しているデータだ(S3、RedShift、DynamoDB、Kinesisなど)。ユーザはデータの分析結果を他と共有でき、視覚化をビデオのようにアプリケーションに埋め込んだり、 ライブのダッシュボードを作ったりできる(Web上とiOS/Androidのネイティブアプリ上)。

このサービスはAmazonのインメモリクェリエンジンSPICE(Super-Fast Parallel In-Memory Computation Engine)が駆動し、Amazonのそのほかのクラウドサービスも使われる。Amazonによると、そのコストは他社の同種サービスの1/10ぐらいだ、という。

AmazonはBIという競争の激しい市場に参入するわけだが、そこではIBMやMicrosoft(Power BI)、それにTableauらのスタートアップが勢力を拡大している。しかしSPICEは、Tableauのようなサードパーティでも利用できる。

AWS re:Invent 2015

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。