IntelとHyperがOpenStack Foundationとパートナーしてコンテナのセキュリティで独自技術

【抄訳】
すでに周知のように、OpenStack Foundationは今後、その名前が示すような単一のビッグプロジェクトだけでなく、もっと多様なオープンソースプロジェクトのホームになる、と宣言している。そこで今日、同Foundationが発表したのが、Kata Containersプロジェクトのローンチだ。

Kata Containersは、実行環境の仮想化/隔離化に関してコンテナと仮想マシンの良いとこ取りをするようなオープンソースプロジェクト(GitHub上)だ。コンテナからはそのスピードと柔軟性と管理性を、そして仮想マシンからはとくにそのセキュリティをいただく。この技術のベースは、IntelのClear Containersと、Hyperのハイパーバイザーランタイム(仮想マシン環境)runVだ。

OpenStack Foundationの事務局長Jonathan Bryceによると、彼のこの組織は、クラウド上の本格的なワークロードの実行を容易にするような、別のプロジェクトを求めていた。“OpenStack Foundationではユーザーコミュニティにフォーカスし、そのニーズに応えるものを作っている。それが、OpenStackの本来のサービスより大きいことも、ありえる”、と彼は語る。

では一体、Kata Containersプロジェクトとは何なのか? その基本的な着眼は、確かに優れた技術であるコンテナにも、長年手付かずのセキュリティの問題がいくつかあることだ。とくに複数のコンテナが仮想マシンを共有して動いていくときには、それぞれを完全に隔離孤立することが難しい。Kata Containersはこの問題を、それぞれのコンテナにきわめて軽量な仮想マシンとカーネルを与え、各コンテナないしコンテナポッドが自分だけの隔離された環境で動き、ネットワーキングもI/Oもメモリそれぞれ独自に割り当てられるようにすることで、解決しようとする。またIntelがプロセッサーに組み込んでいる仮想化技術により、ハードウェアレベルでの隔離孤立も利用する。

Kata Containersは現在、Kubernetes, Docker, およびOpenStackを統合し、x86アーキテクチャのプロセッサーでのみ動く。サポートしているハイパーバイザーは、KVMのみである。今後、他のアーキテクチャやハイパーバイザーにも拡張していくプランはある。

HyperとIntelとの技術融合には約1年を要しているが、この技術は多方面から期待されていて、すでにCanonical, China Mobile, CoreOS, Dell/EMC, Google, Huawei, JD.com, Mirantis, Suse, Tencent, ZTEなどがこれをサポートしている。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

BIサービスのTableauがドイツのHyPerを買収してビッグデータ分析を高速化

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BIサービスのTableauが、ドイツの先進的データベース企業HyPerを買収したことを発表した。Tableauのねらいは、彼らの技術を自社のプロダクト集合に組み入れることだ。

Tableauはビジネスインテリジェンスとデータ分析の企業として、企業顧客が自分たちのデータからインサイトを得ることを助けている。大学の研究から生まれたHyPerのデータベース技術は、Tableauのすべてのプロダクトのパフォーマンスを向上させる。Tableauのエンジニアリング担当シニアディレクターPatrice Pellandは、そう説明する。

“HyPerはダイアモンドの原石だ。ミュンヘン工科大学(Technical University of Munich, TUM)の研究チームがそれを開発した”、とTableauは述べている。

Tableauは実は、この若い企業に前から注目していた。最初に発見したのは、データベース技術に関する学界の場だった。その技術が姿をなしてくるにつれてTableauは、それが同社のBIサービスによくフィットしていることが分かってきた。

HyPerがTableauに持参する能力の中には、データ分析の高速化がある。それは、データセットのサイズとは無関係であり、トランザクションのシステムと分析システムを一体化してプロセスをスピードアップする。またその多様な分析能力は、定型データと非定型データの両方をサポートし、ビッグデータの分析に威力を発揮する。

まだ生まれたてほやほやのHyPerは資金もなく、Tableauが買収しようとしたとき、顧客もいなかった。買収の条件をTableauは公表していないが、Tableauのスポークスパーソンによると、“それは現金以外の取引なので公表はできない”、という。つまり、おそらくそれは1億ドルに満たない価額と思われるが、まだ新生児のような企業だから、それも当然かもしれない。

HyPerのトップは、TUMの二人の教授で、これまで院生たちとともに研究を続け、HyPerデータベースシステムの開発に至った。Tableauも数年前に、大学(スタンフォード)の研究プロジェクトから生まれた。つまり両者は‘大学発’というルーツを共有する。二人の教授は当面コンサルタントとして仕事を続け、プロジェクトに関わった4人のPhDは、ミュンヘンに設けられるTableauのR&D部門を担当する。

そのオフィスは今後拡張する予定だが、最初何名の社員でスタートするかは、公表されていない。

今現在、彼ら新しい社員たちは、シアトルにあるTableauの本社を訪れて、技術者たちとHyPerのデータベース技術とTableauのプロダクトとの統合について、話し合っている。

これはTableauの二度目の買収だ。“うちの企業をもっと良くする機会はいつも探しているが、企業文化という重要なものがあるので、買収にはつねに慎重だ”、とPellandは述べる。

なお、Tableauは2013年に上場し、昨年7月には一株127ドル44千とという高値をつけた。しかし今週水曜日(米国時間3/9)の時間外では、42ドル64セントと落ち込んでいる。今年のテクノロジー株は年初から良くないが、Tableauの下げは激しすぎる。

〔ここにグラフが表示されない場合は、原文を見てください。〕

[graphiq id=”3oaS89DzStf” title=”Tableau Software Inc. (DATA)” width=”700″ height=”414″ url=”https://w.graphiq.com/w/3oaS89DzStf” link=”http://listings.findthecompany.com/l/14692592/Tableau-Software-Inc-in-Seattle-WA” link_text=”Tableau Software Inc. (DATA) | FindTheCompany”]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

映画人たちが選んだ“その日の秀作ビデオ”を毎日お届けするHyper、ビデオサイト過当競争に勝利するか?

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サイト内部でのキュレーションを伴うビデオ発見プラットホームHyperが今日(米国時間8/26)から、インターネット上の短編ビデオの、毎日のベスト作品を提供するサービスを開始する。

110万ドルのシード資金をAdvancit CapitalやLowercase Capital、Broadway Video Ventures、Freelands Ventures、Mesa Venturesなどからもらった映画プロデューサーのMarkus Gillesと映画撮影カメラマンのJonas Brandauは、今年の初めにベルリンのインディー映画界から足を洗って、Hyperを立ち上げた。

“今はフィルム映画の時代ではなく、インターネットの時代だから、これまでありえなかったほどたくさんの、短編ビデオの秀作が作られるようになったが、その量の増大に比例して、軽薄なクリックベイト*をかき分けかき分けてそれらを見つけるのが、ますます困難になっている”、とGillesは語る。“そういう雑草は今では、ソーシャルメディアのストリームやアルゴリズムによるリコメンデーションにも侵入している。友だちがみんな、それらの犠牲者になっているからだ”。〔*: clickbait, クリックを誘惑する餌〕

たしかに、YouTubeは、丘を転がり落ちるグリズリーを見るには適しているが、もっと知的な作品を見たい人にとっては、それを見つけるまでの時間がたいへんだ。

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そこでHyperは複数のジャーナリストや映画作家を起用して、毎日一人あたり半ダースから1ダース(12編)程度のビデオ作品を自分の目で選んでもらい、それらを、デザイン性のよい“インターネット雑誌”のような形で提供する。

ビデオは、最長でも20分ぐらい、テーマは美味しそうなグルメや、見るのが辛くなる戦場のドキュメンタリーなど、さまざまだ。

Gillesによると、同サイトの目標は、人びとがそれを見て学べたり、感動するようなビデオコンテンツを提供することだ。たとえそれが、目を背けたいような事象であっても。

発表から二日以上経ったビデオはこのサイトから取り去られるので、選択はビュー数やソーシャルな共有数に依存せず、もっぱら選ぶ人の主観にまかされる。

“人間によるキュレーションが絶対に必要な場合が、よくある”、とGillesは述べる。“これまで選んだビデオの中には、非常な優秀作だけど、だからこそ、アルゴリズムが検出できない作品が、多くあるからね”。

ビデオコンテンツのアグリゲーションやキュレーションはとても混雑している分野だが、Gillesによると、彼のチームは映画出身者が多く、ユーザ体験をあくまでも重視するから、これまでのVimeoやYouTubeなどが提供している発見やアグリゲーションやキュレーションのツールに比べると、Hyperの方が優れている。でも、こんなマニアックなサイトが将来大きくなったら、アングラ的なアーチストたちがあまり取り上げられなくなる心配もあるね、きっと。

Hyperは今、iPad用のアプリがあるだけだが、数カ月後にはiPhoneアプリも出す予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa