TuSimpleが量産型自動運転トラック技術に向けてサプライヤーZFと提携

自動運転トラックのスタートアップであるTuSimpleは、自動車サプライヤーZFと提携し、センサーなどの自動運転車技術の、商用規模での開発と生産を始める。

4月に開始予定であるこのパートナーシップは、中国、ヨーロッパ、そして北米をカバーする予定だ。両社は、カメラ、ライダー、レーダー、そして中央コンピューターなどの、自動運転車両技術に必要なセンサーを共同開発する。パートナーシップの一環として、ZFはTuSimpleの自律システムを検証して、車両に統合するためのエンジニアリングサポートを行う。

2015年にローンチされたTuSimpleは、中国や、サンディエゴ、そしてアリゾナ州ツーソンで事業を展開している。同社はこれまで「フルスタックソリューション」に取り組んできた、この言葉は自動運転に必要な、すべての技術要素を開発して統合することを意味する業界用語である。TuSimpleが開発しているのはSAE(米国自動車技術協会)の定義によるレベル4システムである。これは特定の条件下(領域内)で車両がすべての運転を行う自動運転だ。

TuSimpleは、この新しい自動運転技術産業の他の企業たちが行き詰まる中で事業を拡大し、投資家を引き付けることになんとか成功した。同社はこれまでに、Sina、UPS、そしてティア1サプライヤーのMando Corporationといった投資家たちから約3億ドル(約326億円)を調達している。現在、アリゾナ州とテキサス州の間で毎週40台以上の自動運転トラックが、約20回の自動運転走行を行っている。すべてのトラックには、ハンドルの前に人間が安全オペレーターとして同乗している。

TuSimpleのチーフプロダクトオフィサーであるChuck Price(チャック・プライス)氏は声明の中で、この提携はTuSimpleが自動運転トラックを市場に投入するための重要なマイルストーンだと語っている。TuSimpleの計画は、同社の自動運転ソフトウェアと、ZFの自動車品質製品を開発する能力を組み合わせることだ。

だがこのパートナーシップが、TuSimpleのすべての課題を取り除いてくれるわけではない。開発から出荷への移行には、さらに多額の投資が必要だ。もし企業がテスト段階から商用展開に移行できたとしても、利益率を上げるためには、日常業務を効率的に進める必要がある。

原文へ

(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。