VISAがNFC-A/B非接触決済による国内キャッシュレス化を強力推進へ

ビザ・ワールドワイド・ジャパンは2月19日、同社のキャッシュレス、非接触決済の推進ついての発表会を開催した。発表会には代表取締役社長を務めるスティーブン・カーピン氏が登壇。「日本がキャッシュレス化に遅れているのは、習慣ではなく混乱が起きてることが原因」と説明した。

すでに米国と日本以外は半分が非接触の決済が浸透している一方で、日本ではいまだにATMに並んで現金を引き出し、店舗でも現金を支払うことで時間を無駄にしていることを同氏は指摘。同社によると、40%のユーザーが政府が進めている「キャッシュレス・消費者還元事業」後にキャッシュレスの支払い頻度が高くなると回答しているほか、90%がクレジットカードを利用、52%が最も使うキャッシュレスの決済手段としてクレジットカードを挙げているという。また、Visaのタッチ決済利用者の42%のユーザーが、よりキャッシュレスになったと回答している。さらに、Visaデビット利用後は12%現金利用が減少したというデータもあるそうだ。

VISAカードの発行枚数は1億6000枚超。そのうち1900万枚が非接触決済のVISAタッチ搭載カードとのこと(2019年12月末現在)。VISAタッチ搭載カードは、過去1年で3.8倍の発行枚数、対応端末数も3.8倍となっている。スーパーマーケットでの利用は2019年10月〜12月までの3カ月で3倍に伸びたという。

現在、VISAタッチ決済が可能なのは、ローソンやマクドナルド、すき家、Japan Taxi、関西3空港(関西、伊丹、神戸)など。2020年3月中には、イオン本体やイオンモール、ドラッグストアチェーンのウェルシア、コンビニエンスストアのミニストップなどイオングループ各店舗が対応する。

さらに開催まであと4カ月を切った東京五輪については、ワールドワイドスポンサーを務めており、各種プロモーションでキャッシュレス化を推進するという。

発表会にはJapanTaxiの川鍋一朗氏も登壇。同氏が会長を務める日本交通では現在約75%の配車がJapanTaxiのアプリを使っていることを明らかにした。またJapanTaxiのキャッシュレス決済端末を導入している日本交通のタクシーでは、62%が現金以外(キャッシュレス)での決済を選んでいるという。

川鍋氏は今後のタクシーについて、大型化、そして相乗りが進むという。自動運転も普及し、ドライバーは乗務員として利用者へのサービス提供などが主業務になると予想。さらには将来的には、貨客混載、つまり人と荷物を混載して運ぶ役目をタクシーが担うことも目指しているという。

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発表会ではキャッシュレスプロモーター施策も発表された。キャッシュレス・アンバサダーには「メイプル超合金」、タイムトラベルナビゲーターには昨年のM-1グランプリで決勝進出を果たした「ぺこぱ」が就任する。タイムトラベルナビゲーターは、ぺこぱの漫才中に松蔭寺太勇が使う「時を戻そう」というフレーズから設定された役職だ。

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TechCrunch Japan

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