この前のAppleのイベントでは、Apple TVに関するニュースもあった。しかし、このニュースはApple TVのハードウェアに関してではなく、多くの人が期待していたものではなかった。ただ、BuzzfeedのJohn Paczkowskiによると、6月に開催されるWWDCでは、ついにハードウェアが刷新されるとのことだ。それに加え、このセットトップボックスにようやくApp Storeができ、更には公式SDK、Siriへの対応、内蔵ストレージの増量、そしてSiriからの指令をスマートデバイスに伝えるHomeKit対応がなされるとのことだ。
新しいハードウェアがこのタイミングで発表されるのには理由がある。この前のイベントでは、Apple TVの値下げが発表された。これは新しいモデルを迎えるための既存製品の在庫処分の意味合いがある。またAppleは、Apple TVを今までの衛星テレビやケーブルTVを補完するものではなく、それらのサービスに取って代わるものである、と主張する重要な動きを見せた。月々15ドルから視聴できるストリーミングサービスHBO Nowのローンチだ。このサービスは、既存のサブスクリプションから独立している。
直近の報道によると、Appleはケーブルテレビより低価格で複数のライブ中継チャンネルを視聴できる次なるストリーミングサービスのローンチを予定している。このサービスについては、夏には全貌が明らかとなり、秋にはローンチ予定だとされる。また6月にはiTunesのブランドの元、Beats Musicの制作する音楽ストリーミングサービスをローンチ予定だ。このような動きを鑑みると、今回のWWDCは従来の開発者向けカンファレンスであると共に、メディア事業に焦点を当てたものになると思われる。
新しいハードウェアと登場とともにデビューするApple TV SDKは、App Storeの人気に火を付けることだろう。Apple TV SDKはHomeKit対応のデバイスをサポートするものだからだ。この話題はWWDCのカバーストーリーになるのにはぴったりだ。Siriを実装した新Apple TVを使用することで、誰でも音声でHomeKitとつながったスマートデバイスに指令を出すことができるようになる。HomeKitは既に発表されたものではあるが、コンシューマーが充分活用できる段階ではないことから、まだ正式にローンチはされてなかった。この重要な開発プラットフォームの話はWWDCを華々しく彩るだろう。
個人的には、Apple TVのハードウェアにはApple Watchと連携させる何かの仕掛けを用意していてもおかしくはないと思っている。例えば、音声やジェスチャーでスマートデバイスを操作できるリモコンアプリをApple Watchに入れるといったことだ。WWDCではそこにも注目したい。このような新機能、ストリーミングサービス、サードパーティのアプリのサポートといった内容は、既存メディア市場を一変させる影響力があるだろう。そのことを踏まえると、この前のウェアラブルデバイスのイベントより、今回のWWDCはセンセーショナルなものになることが予想される。
Apple はこの件についてコメントを差し控えている。
[原文へ]
(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook)