Yコンビネーター、スタートアップ増加中のサンフランシスコにサテライトオフィスを設置

Y Combinationはシリコンバレーの中心地として、オフィスはカルトレインのマウンテンビュー駅から遠くない(*)位置にあるが、最近はサンフランシスコに居を構える会社やパートナーが増えてきた。このため、Y-Combinatorは一時的に場所を必要とするファウンダーやパートナーを支援するために、市内に小さなサテライト・オフィスを設置した。

このところサンフランシスコを拠点にするスタートアップが増える傾向にある。若いテク系ワーカーたちが、マウンテンビューよりナイトライフを楽しめる場所を求めているからだろうか。10年ほど前、TwitterやSquareといった会社はスタンフォードやサンドヒルロードの近くに来たがっていたものだが、新しいスタートアップたちは都市部の方が居心地がいいのだろう。投資家たちもそこにやってくる。

Y Combinatorは、すでにサンフランシスコを拠点とする大きなサクセスストーリーを数々生み出してきた。例えば、DropboxとAirbnbはいずれもSOMA地区の近くに広大な新オフィスを構えている。しかし、インキュベーターはさらに多くのサンフランシスコ拠点企業を支援しようとしている。テク系ワーカーの間で、都会に住みたがる人々が増え、そこには職も十分あるからだ。

同時にYCは、ここ数年間にパートタイム・パートナーを増員し、その多くがサンフランシスコを拠点としている。SocialcamのMichael Seibel、HipmunkのSteve Huffman、App.netのDalton Caldwell、そしてGrouponのAndrew Mason(最近シカゴからサンフランシスコに越してきた)などだ。

Y Combinatorはこれまでもシリコンバレーだけではなかった ― ファウンダーのPaul GrahamとJessica Livingstonが年間を通じて西海岸に留まると決めるまで、シリコンバレーとケンブリッジの両方でクラスが開催されていた。しかし、先月始めに完成した新オフィスは、退屈なサンドヒルロードの先を見通し、増えつつあるサンフランシスコに居を構えるスタートアップを発掘して支援しようという、VC会社や投資家の間に芽生えつつある大きなトレンドを追うものだ。

Benchmark CapitalKleiner Perkinsはここにオフィスを持っている。来年始めには、500 Startupsもサンフランシスコ・オフィスを開き、新しいベンチャーパートナー、Parker Thompsonがアクセラレーター・プログラムを一つ受け持つ予定だ。

500 Startupsとは異なり、Y Combinatorのサンフランシスコ拠点では、インキュベーター・クラスの開催や支援活動をする予定はない。マウンテンビューと同じく、ここも一時的には利用できるが、YCスタートアップたちは自分でオフィスを見つけることが求められている。

新YCスペースは、市のユニオン・スクエア近隣にあり、デスク8台分ほどの部屋と、ファウンダーがパートナーとオフィスアワー・ミーティングを行う部屋がある。

==

* 同僚のAnthony Haは、YCのマウンテンビュー・オフィスは「カルトレインにそんなに近くない。むしろかなり歩かなくてはならない」と主張している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。