Appleの全iOSデバイス(*)にインストールされているNewsアプリが、全パブリッシャーに開放される。2015年秋の公開時、Newsアプリの配信ツールは、AppleのパートナーであるConde Nast、New York Times、CNN等の主要メディアのみに提供された。これからは誰でも、つつましいブロガーでも、サインアップしてコンテンツを収益化できる。[* 日本語版注:日本では未サポート]
ただし、Newsアプリは完全自由化されるわけではない。コンテンツ制作者が配信ツールを利用するためには、Appleの承認を得る必要がある。
同社はApple News FormatというNewsコンテンツ用文書フォーマットを制定し、パブリッシャーはこれに沿ってコンテンツをカスタマイズしたり、テキスト、フォトギャラリー、ビデオ、アニメーション等をNewアプリ用に追加できる。Apple News Formatに関わりたくない制作者はRSSフィードを、News PublisherというiCloudアプリケーションに送れば、記事をNewsアプリにプッシュ送信してくれる。その後パブリッシャーは、News Publisherの分析ツールでトラフィックを監視したり、Appleの広告プラットフォーム、iAdでコンテンツに広告を差し込んだりできる。
Apple Newsは全iPhoneおよびiPadに塔載されているが、パブリッシャーが実際どれだけ収益を得られるのかは不明だ。例えば、Apple Newsにはライバルが既に山ほどいる。Flipboardが最有力だが、Facebook Instant ArticlesやSnapchat Discover等のサービスも読者獲得を争っている。
さらに、Wall Street Journalが2ヵ月前に報じたところによると、Appleはアプリを利用している読者数を過少に評価し、配信パートナーに不正確な情報を提供していた。Appleのインターネットソフトウェア&サービス担当上級副社長、Eddy CueはWall Street Journalに対して、正確な数字をパートナーに渡すべく問題解決に努めていると言ったが、もちろんこれは、優れたコンテンツ制作者を集め、維持していくためには不可欠だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)