北京発の自転車シェアリングサービス「Mobike(モバイク)」が、日本でのサービスを札幌で開始したのは今年の8月のこと。2015年1月創業、2016年4月から上海でサービスを開始したモバイクは現在、世界の200を超える都市でサービスを展開し、登録ユーザー数も2億人以上へと大きく成長。日本のサービスローンチに先駆け、6月には日本法人モバイク・ジャパンも設立されている。
このモバイク・ジャパンと手を組み、自転車シェアリング事業に新たに参入を表明したのがLINEだ。LINEは12月20日、日本国内の自転車シェアリング事業展開に向け、モバイク・ジャパンと資本業務提携契約を締結したことを明らかにした。2018年上半期を目標として「LINE」アプリ内からMobikeの利用を可能にすべく準備を進める、としている。
Mobikeは、近くにあるGPS・スマートロックが搭載された自転車をスマートフォンアプリで確認し、予約。QRコードのスキャンで解錠して利用を始める仕組みだ。目的地に到着後は、最寄りの駐輪スペースに使用した自転車を停めて施錠すれば利用が完了する。
モバイクのライバルは、自転車シェアリングサービスで初のユニコーン企業となったOfoだ。Ofoは既にソフトバンク コマース&サービスとの協業を発表している。OfoとMobikeはいずれも基本的には「ドックレス」、つまり決まった駐輪スペースを必ずしも利用しなくても自転車を使えるサービスを提供している。
このほか、国内企業ではNTTドコモが2014年10月から千代田区など自治体と共同でコミュニティーサイクルの実証実験を開始。2017年9月には、メルカリが「メルチャリ」で、DMMが「DMM sharebike(仮)」で自転車シェアリングサービスへの参入を相次いで表明。2018年初頭のサービス開始を目指すとしていた(ただしDMM sharebikeの方はすでにサイトもなく、サービス自体がなくなっているようだ)。
今回のLINEとモバイクの資本業務提携により、モバイクはサービス運営、自転車提供・メンテナンス、アプリおよび業務システム開発を担当、LINEは自社ユーザーの活用のほか、官公庁・自治体・企業などとのネットワークを活かしたインフラベースの整備サポートなどを行うことで、Mobikeのサービス展開を拡大していくという。また2018年1月5日にLINEからモバイク・ジャパンへの出資を実施し、取締役を1名派遣する予定だ。