SEOのためのコンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングがSEOにとって重要であることは誰もが理解しつつある今日現在、まだまだ実際に実践している人は少ないのが日本の状況です。米国でも今年最も注目されている手法でもあるコンテンツマーケティング、そのSEOにとっての価値を改めて考え直した、コンテンツマーケティングに未だ取り組んでいないウェブマーケッターにとっては重い腰を上げるきっかけになるかもしれない記事を。 — SEO Japan

現代のSEOはコンテンツマーケティングから始める

現代のデジタルマーケッターにとっての課題は、Googleでの順位を目的としたコンテンツ最適化から離れて最高のユーザー体験で人間の役に立つコンテンツを作ることへと向かうパラダイムシフトだ。あなたがデジタルの洞窟に住んでいるのでない限り、Googleのペンギンアップデートが、‘不自然なバックリンクはウェブスパムの罪を犯している’というSEO裁判所の判決のようであるということは知っているはずだ。人々の疑問に答える関連性のあるコンテンツがGoogleに好まれ、マーケッターにとってはポジティブなSEOの結果をもたらす。そして、ランキングが各個人でパーソナライズされるという事実も加わって、基本的にSEOの世界は一新されたのだ。

コンテンツ戦略

一貫したSEOの成果を届けるコンテンツ戦略をどうやって作り上げるのかを見ていこう。ここで説明されるプロセスは、証明済みのプロセスだ。私がそれを発明したわけではない。私は、去年くらいから、顧客を引き付けて維持するためにはコンテンツ戦略が重要であることを理解しているビジネスでこのプロセスが実行されるのを観察してきた。このプロセスは機能する。それは完全に“ホワイト・ハット”であり、Googleともめ事を起こすことはない。そして、何よりもそれは、あなたの顧客のためになり、コンテンツ戦略を実行する責任を負う従業員のためになるのだ。

ゴール

古臭く聞こえるかもしれないが、いつだって、主要となるコンテンツやシリーズコンテンツのゴールから始めること。たとえSEOが永遠のゴールであるとしても、他にも具体的なゴールがあるはずだ。ゴールの可能性としては、ソート・リーダーシップ、ブランド構築、競争に勝てる差別化、リード生成などが挙げられる。

ペルソナ開発

コンテンツを届けたい相手は誰なのか?ターゲットオーディエンスをできる限り具体的に特定すること。ターゲットを大ざっぱに特定するだけでは不十分だ。ビジネスにおける役割、デモグラフィック、特別な興味関心、もしくはあなたのターゲットを区分する具体的な基準によって、ペルソナを特定するのだ。例えば、主な購入者がCMOであるソフトウェア会社は、ビジネスアナリスト、CFO、CEO、もしかするとチーフ・セールス・オフィサーの興味も引き付ける必要があるかもしれない。各ペルソナは、彼らのニーズと興味に特に着目したコンテンツを必要とする。以下は、住宅建築業界の例だ。

キーワード戦略

それぞれのニーズに関する詳細と共にペルソナの輪郭を描いたなら、キーワード戦略を開発する時だ。キーワード調査は、必要不可欠なSEOベストプラクティスだ。コンテンツ駆動型SEOにとっては、キーワードがそれぞれのコンテンツ要素でそれぞれのペルソナに関連して使用されるように、あなたが描いたペルソナとキーワードを協調させることが重要だ。

コンテンツのテーマ

主要となるコンテンツには具体的なテーマがなければならない。コンテンツは常に、実用性やインスピレーションを介して問題を解決したり誰かの現状を改善するというニーズや興味関心に取り組むべきだ。これはいつもコンテンツのテーマから始まる。例えば、経営幹部のためのソーシャルメディアや、SSAE16の解剖とあなたのビジネスにそれが必要な理由がある。

コンテンツ制作のプロセス

制作プロセスは、コンテンツマーケティングの最も理解が低い側面であることが多い。時に、コンテンツ制作は、マーケティング部門によってアサインもしくはリクエストされた主題専門家の手に委ねられる。上の例では、タイトルの中で投げ掛けられた質問に回答するのに相応しい人物は、マーケティングからの締め切り以外は何も持たないコンテンツ・プロデューサーだ。コンテンツ制作が構造化され、効率的で、繰り返し可能であるためには、プロセスが必要である。

プロデューサー

映画を撮影するという例えを考えてみよう。オーディエンスへの最終的なコンテンツの配信においてスクリーン上で脚本に命を吹き込む俳優が、映画を作ったわけではない。それぞれの映画には、プロデューサーとディレクターがいる。プロデューサーの仕事は、プロセス全体を監督すること、最終的には出来上がった作品の責任を負うことだ(CEOのように)。ディレクターは、俳優と技術スタッフの間の細かいこと全てを実行する責任を負う(COOのように)。コンテンツマーケティングにおいては、プロデューサーは通常、マーケティングのリーダーシップの役割を担う人物で、コンテンツ戦略を伝達したり、主題専門家、ライター、ビデオ技術者、ウェブ設計者、デザイナー、プログラマー、その他コンテンツ制作のプロセスに関わる人たちを採用する。プロデューサーはこれら全ての人々をコーディネートして、コンテンツがどんな形式で届けられることになろうと、それを作って実行するのだ。ある組織では、別の人物が無数の細かいことを管理する責任を負う。この人物は、映画におけるディレクターと類似している。もしコンテンツ制作が主題専門家の手だけに委ねられるとしたら、それは俳優に映画をプロデュースすることを期待するようなものなのだ。

コンテンツ・カレンダー

コンテンツ制作には、管理されるべき細かいことがたくさんある。詳しく触れる価値があるのが、コンテンツ・カレンダーだ。一貫してコンテンツを生み出すことに本腰を入れているソーシャルビジネスは、コンテンツ・カレンダーを作る。このカレンダーは、全ての参加者が自分の任務を目で見ることを可能にする。カレンダーは、オンラインで共有されるスプレッドシートから以下に示したようなオンラインのコンテンツマネージメントシステムにあるカレンダー機能まで、様々な方法で管理される。

プロモーション

コンテンツ制作が完了する前に、プロモーション戦略が特定されるべきだ。プロモーションの要素は、それぞれのビジネス、コンテンツの種類、ターゲットなどに従って多岐にわたる。チームメンバーの任務と共にプロモーション戦略を文字に起こして綿密に計画すること。コンテンツ・プロモーション戦略の重要な要素は、それをソーシャライズすることだ。全ての従業員に、各自のプロフェッショナルなネットワークでコンテンツを宣伝するように要請するのだ。コンテンツが関連したソーシャルチャネルで共有されるようになると、Googleが、パーソナライズされた検索結果内でのランキングを検討するためにソーシャルシグナルに気が付いてくれる。

オーガニックSEOがついに意味を持つ

オーガニックSEOという言葉は、長年使用されてきた。おそらく、それがついに成功したのだ。Googleの複数回に渡るペンギンアップデートは、SEOを戦術的で技術的なものから、優れたユーザー体験を提供することに重点を置いた戦略的で質的なものへと転換したようである。結局のところ、ユーザーのコンテンツ消費が便利で共有可能なものである時に、コンテンツはそのターゲットオーディエンスへ続く道を見つけるのだ。そこには現代のSEOにおける最大のパラダイムシフトが横たわる。それはもはや、あなたのコンテンツが見つけられることが全てではなく、あなたのコンテンツがオーディエンスを見つけることが全てなのだ。


この記事は、Find and Convertに掲載された「Content Marketing for SEO」を翻訳した内容です。

コンテンツマーケティングの基本的な考えた方と実施プロセスをまとめた良い記事でしたね。「SEOにおける最大のパラダイムシフト」とは大きく言い切ってくれましたが、過去15年近いSEOの歴史を考えると、テクニックやリンク構築以上に、ここまでコンテンツが重要となりコンテンツが主役となったのは初めてですからね。さらに最後の「それはもはや、あなたのコンテンツが見つけられることが全てではなく、あなたのコンテンツがオーディエンスを見つけることが全てなのだ。」という一言、たまたま昨日別ブログの筆者によるコンテンツがユーザーを検索する時代という記事を紹介し、私も偶然コメント欄でパラダイムシフトという言葉を使いました。SEO新時代はその扉を開きつつあります。 — SEO Japan [G+]

投稿者:

SEO Japan

002年開設、アイオイクスによる日本初のSEOポータル。SEOに関する最新情報記事を多数配信。SEOサービスはもちろん、高機能LPOツール&コンサルティング、次世代SEOに欠かせないインフォグラフィックを活用したコンテンツマーケティング等も提供。 SEOブログながら、ウェブマーケ全般。アドテク、ソーシャル、スタートアップ、インフォグラフィック等。