iPhone、 iPad、Macの販売は落ちたけど、Appleが強調するのはサービスの売上

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Appleは先ほど、2016年Q3の決算発表を行い、株価が屋根を突き抜けるほど投資家の好感を得た。だがAppleはアナリストの予測値を超えることができたのものの、iPhone、iPad、Macの販売台数は昨年同時期より減少している。全てのプロダクトラインがいつまでもグロースし続けた期間が終わったと確実に言える。

具体的に見ると、Appleが昨年4750万台を販売したiPhoneの今年の販売台数は4040万台だった。15%の減少だ。Macの販売も480万ユニットから430万ユニットだった(10.5%の減少)。さらに、iPadの販売は、iPad Proへの大型アップデートがあったにも関わらず減少した。昨年1090万台から今年は1000万台だった(8.3%の減少)。

驚くことに利益はどこでも上がっているが、Appleの全体の利益率は39.7%から38%に大きく下がっている。その理由の大部分を占めるのはiPhone SEのリリースだろう。iPhone 6sと同じ構成部品で安い価格のスマホを販売しているのだから、同社の利益には傷が付く。

iPadは例外で、販売数は減少したものの、より多くの利益を得ている。9.7インチと12.9インチのiPad Proのモデルはどちらも昨年のiPad Air 2より高額だ。

それでも、Appleは会社の別の側面を見てほしいと思っている。決算リリースを見てわかるように、Appleはサービスのことを話したくて仕方がないようだ。Apple Music、Apple Store、Apple Pay、iCloudは結構な利益を出し始めている。

「私たちのサービスは昨年同期比で19%成長し、Apple Storeの利益は過去最高額を達成しました。私たちの導入した基盤は継続的に成長し、カスタマーとの取引で新しい記録を打ち立てました」とAppleのCFOであるLuca Maestriはリリースで伝える。

また、決算発表でもTim Cookは同社のサービスについて「来年にはFortune100の会社と同じくらいの規模になることが期待できます」としている。

この四半期だけでAppleのサービスにおける収益はおよそ60億ドルだった。昨年同期比19%の増加だ。Appleはここ数ヶ月、自社をサービス提供企業としてブランディングを行ってきた。ただAppleのサービスは新しいものではない。Mac、MobileMe、iCloudに始まり、iTunes、Apple Music、App Store、Mapsなど、Appleはこれまでもサービス提供企業だった。そして、今のAppleのサービスに突出した何かがあるわけでもない。けれども、ローンチして1年でApple MusicをリデザインしたことやApp Storeの変更から、Appleがサービスに多くを投資していることがわかる。

また、Appleは研究開発に多額の資金を費やしている。しかしこの項目では、実際に同社が開発しているものが何であるかは分からない。売上数値や上昇する研究開発費から注目をそらす内容としてサービスの売上はもってこいの内容だったのかもしれない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website