電話、FAX、メールの受発注をクラウドに集約「CONNECT」運営のハイドアウトクラブが1.2億円調達

ハイドアウトクラブは11月22日、9⽉に1億2000万円の資⾦調達を実施したことを公表した。第三者割当増資による資金調達で、リード投資家のGMO VenturePartnersと既存株主のジェネシア・ベンチャーズが引受先となる。

同社はクラウド型の受発注システム「CONNECT」を開発・提供している2015年6月設立のスタートアップ。同社はこれまで、1日1杯に限って渋谷・新宿エリアを中心とする提携バーでウェルカムドリンクが無料で飲める会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」を開発・提供していたことから、飲食店と仕入先の受発注が依然としてアナログで、主な連絡手段がFAXや電話という問題を身近に聞いていたそうだ。

関連記事:会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」が3000万円調達、SaaS型の店舗支援機能も

飲食店の従業員は店舗のFAXやPCから発注書を送信しなければならず、仕入先は多数の飲食店からさまざまな発注書が送信されてくるため紛失のリスクがある。しかも、アルコール類、魚介類、肉類、野菜類、冷凍食品、備品などで発注先が異なり、発注書もさまざま。このような飲食店と仕入先のペインを解決するためにCONNECTの開発に着手したという。

CONNECTはウェブサービスなので、いつでもどこでも発注が可能だ。飲食店をはじめとする小売店の従業員は、閉店後も店舗に留まる必要がなく帰宅時に時分のスマホやPCを使って電車内や自宅で発注作業が行える。もちろん発注履歴は記録されているのですぐに参照可能だ。最大の特徴は、発注書の送信方法を仕入先の環境に応じて柔軟に変更できる点。CONNECTを導入済みの仕入先の場合は、リアルタイムに発注書を受け取れるほか、納品書や出荷伝票の自動作成が可能になる。FAXやメールでの発注しか受け付けていない仕入先に発注する場合は、CONNECTがテータを生成・送信してくれる。電話発注の場合のみ従来と同様の手間はかかるものの、もちろん通話した時間や発注内容は記録されているので重複発注などのミスは防げる。

CONNECTはすでに90万点の商品の受発注に対応しており、飲食店だけでなくアパレルやメガネ店などさまざまな小売店で利用可能とのこと。

同社は今回の資⾦調達により、AIによる商材の需要予測、⾳声解析による⾳声発注などの機能開発を進め、CONNECTのサービスを拡充していくという。具体的には、スマートスピーカーと連動した受発注などを検討しているそうだ。受注から出荷、請求までの業務を⼀気通貫で管理できるシステムを構築するのが同社の狙いだ。

飲食・小売店向けの受発注システム「CONNECT」公開、どちらか片方の業者が導入していればOK

バーやウイスキー愛好家向けのアプリを開発するハイドアウトクラブは3月19日、新サービスとして飲食・小売店向けの受発注管理システム「CONNECT(コネクト)」をリリースすると発表した。

従来、飲食や小売業界における受発注作業は問屋などの卸売業者にFAXや電話などで連絡するというかたちで行われていた。また、業者ごとに連絡手段が異なり混乱が生じてしまうことも課題としてあった。そこで、誰でも使いやすいデザインを目指して開発されたクラウド型の受発注システムがCONNECTだ。

CONNECTの特徴は、発注側と受注側の双方が必ずしも同サービスを導入していなくても受発注業務が行えるという点だ。ハイドアウトクラブ代表取締役の田口雄介氏は、「例えば、発注側のお店がFAXをやめたいのに、受注側の業者がFAXを指定してくるケースがあります。その場合でも、発注側のお店は、CONNECTを通じてFAXやメールで発注書を送ることも可能なため、発注側だけの意思で、業務のオンライン化が可能です」と話す。

ハイドアウトクラブは2018年夏に同サービスのベータ版を公開。導入店舗数は非公開だが、これまでの約半年間での同サービスを通した発注商品数は15万点を越しているという。居酒屋、イタリアン、フレンチ、ラーメン屋、カフェなどの飲食店から、玩具店や美容院など幅広い業種で利用されているという。

ハイドアウトは2015年6月の設立。2016年2月にバーやウイスキー愛好家向けの会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」をリリース。2017年11月にはDGインキュベーションなどから3000万円の資金調達も実施している。