Do Venturesがベトナムのスタートアップ向けに50億円超のファンドを立ち上げ、NaverやVertexなどの注目LPが支援

新しい投資会社であるDo Venturesは米国時間9月7日、アジアで著名な機関投資家の数名が支援するベトナムのスタートアップ向けファンドの1回目のクロージングを発表した。Do Ventures Fund Iと名付けられたこの投資ビークルは、韓国のインターネット大手のNaver、GarenaやShopeeなどの事業を展開するシンガポールのSea、同じくシンガポールを拠点とするベンチャーキャピタルのVertex Holdings、韓国のアプリ開発会社であるWoowa Brothersなどのリミテッドパートナーとの間で、目標とする5000万ドル(約53億円)の半分以上の資金を集めた。

写真に向かって左から、ベトナムのアーリーステージのスタートアップに特化したVC、Do Venturesの創業者でゼネラルパートナーを務めるVy Le(ヴィー・ルー)氏とDzung Nguyen(ズン・グエン)氏。

Do Venturesは、元サイバーエージェント・ベンチャーズのベトナムとタイのCEOであるNguyen Manh Dung(グエン・マン・フン)氏と、ESPキャピタルのジェネラル・パートナーであったVy Hoang Uyen Le(ヴィ・ホアン・ウエン・ルー)氏によって設立された。最初のファンドは、アーリーステージの企業に焦点を当てつつ、シードからシリーズBラウンドに投資する。

創設者はいずれもベトナムのスタートアップ企業との長年の取引実績がある。グエン氏は、ベトナム最大のオンラインマーケットプレイスの1つであるTiki.vn、フードデリバリープラットフォームのFoody.vn、デジタルマーケティング企業のCleverAdsなどに初期の投資家として参加していた人物だ。一方のルー氏は投資家になる前は連続起業家であり、ファッションEコマース企業のChon.vnやベトナムの不動産コングロマリットであるVingroupが立ち上げたEコマースプロジェクトVinEcomで最高経営責任者を務めていた。

ルー氏はTechCrunchに対して電子メールで「Do Ventures Fund Iは業界を問わないが、投資は2つの層に分けて実行される」と語った。第1層は、教育、ヘルスケア、ソーシャルコマースなど、若いユーザーにサービスを提供するB2Cプラットフォームを開発し、新型コロナウイルスの感染拡大による消費者行動の変化に対応しているスタートアップ。第2層には、第1層の企業にサービスを提供できるB2Bプラットフォームを開発し、データや電子商取引サービスのSaaSソリューションで地域的な拡大を可能にするスタートアップだ。

ルー氏によると、2016年から2019年の間にベトナムでのスタートアップの資金調達額は8倍の8億6100万ドル(約915億円)に増加したという。しかし、ベトナムに特化したファンドはまだ少なく、アーリーステージのベトナムのスタートアップが資金調達のギャップに陥ることも少なくない。

同社の目標の1つは、起業家が新型コロナウイルスの影響を乗り切ることで、感染拡大にもかかわらず企業が成長し続けることができるように支援することだ。

「私たちは、テック系スタートアップが従来のビジネスをより早くデジタル化し、ニューノーマル(新しい常態)に適応できるようにしてくれることを願っています」とルー氏は語る。そして「消費者にとっては、テック系スタートアップが日常生活のあらゆる面で顧客体験を変革し、遠隔地にいる消費者により多くのアクセシビリティをもたらすことを期待しています」と続けた。

Do Venturesは、企業が新しいビジネスモデルを開発するのを支援しながら、ハンズオン型のアプローチで投資を進めていく予定だ。同社は投資先企業の業績データを収集する自動レポートシステムの構築を計画しており、「製品開発、事業組織、サプライチェーン開発、海外展開など、スタートアップ企業の業務を支援することが可能になる」とルー氏は述べている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Facebookがベトナムでの反政府コンテンツの制限に同意、数か月間の抑圧に屈す

ベトナムの国営通信社によると、Facebookはベトナムで一部の反政府コンテンツをブロックし、ユーザーがアクセスできないようにすることに合意した。同社のベトナムでのサービスは数か月間妨害されていた。

ロイター通信は、Facebook内部の情報提供者の談として、ベトナム政府が今年初め、政府を批判する投稿など、違法とみなされるさまざまなコンテンツを制限することをFacebookに要請していたと報道。ベトナム政府はその支配下にある現地のインターネットプロバイダーを利用してFacebookのトラフィックを使用不能なレベルまで遅延させることで、このソーシャルネットワークを妨害していた。

当時、このサービスの遅延は海底ケーブルのメンテナンスによるものであると説明されていた。影響がFacebook(および付随するMessengerとInstagram)に限られていたため、多くの人はこの説明を信じなかった。

通常、Facebookはこれまで対話の窓口をいつも開けておく姿勢を取ってきた。ただし今回の状況は通常とは言い難かった。今回は何百万人ものユーザーがサービスにアクセスできず、その結果同社は広告の機会を失っていたのだ。

この遅延は2月中旬から4月上旬まで7週間にもわたり、最終的にFacebookは政府の要求を受け入れた。

ロイター通信の情報提供者によると、「より多くのコンテンツを制限することを確約したとたん、通信事業者はサーバーをオンラインに復帰させた」という。

Facebookでは次の声明を発表し、具体的な事実には触れないものの、ロイターの報告の概ねを認めた。

当社は、ベトナム政府から同国で違法とみなされるコンテンツへのアクセス制限を指示されてきた。我々は表現の自由は基本的な人権であると信じ、世界中でこの重要な権利を保護し、守るために真摯に取り組んでいる。しかし、日常生活の中で当社を利用しているベトナムの何百万人もの人々に今まで通り当社サービスにアクセスいただけるよう、今回の決定に至った。

Facebookが、サービスの制限データ譲渡の両方の指示を政府から受けることはこれが初めてではない。同社はこのような要請を精査し、異議申し立てをすることもあるが、現地法を遵守するのがFacebookのポリシーだ。それが政府の検閲慣行の受け入れを意味する場合(ほとんどの場合がそうだが)でもだ。

同社による言い訳はいつもの事ながら(今回も含め)、このような抑圧されている国の人々には、サービスがまったくないよりも、不完全であってもFacebookのコミュニケーションツールを提供するほうがよいというものだった。

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(翻訳:Dragonfly)

ベトナムがオバマ大統領の訪問中にFacebookへのアクセスをブロック

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話題となっているこのInstagram上の写真以外にも、先日のオバマ大統領によるベトナム訪問中に事件が起きていた。ベトナム政府が、大統領の滞在中にFacebookへのアクセスを遮断していたのだ。

このニュースを発表した、Access Nowに所属する言論の自由の支持者たちは、Facebookへのアクセスが週末の間完全に遮断されていた証拠をまとめた。これは、最近当局が支持を表明していた部分的なアクセス遮断とも意を異にする。ベトナムと言えば、今月初めにも、市民の抗議活動に関する報道を理由にFacebookへのアクセスが遮断されていたことを覚えている人がいるだろう。この報道はFacebook上で広まり、抗議活動の参加者はベトナム国内で3000万人に及んでいる。

TechCrunchのコメント要請に、Facebookはすぐには応じなかった。

何でベトナムでFacebookがブロックされているのかな????

今回のアクセス遮断の理由は、国政選挙であると言われている。活動家はロイターの取材に対し、国政選挙のボイコットに向けて呼びかけを行っている民主活動家を妨害するためにFacebookがブロックされたのだと語った。

「インターネットへのアクセス遮断が、新しい常識になってしまっては絶対にいけません」とAccess Nowはウェブサイト上で主張した。「市民の安全の名の下に正当化されがちですが、アクセス遮断は、命に関わる情報や、オンライン金融サービス、救急サービスへのアクセスさえ断ってしまいます。そして、社会全体を恐怖に陥れ、経済発展を支えつつ小規模ビジネスの存続をサポートするインターネットの力を揺るがすこととなります」

Access Nowはさらに、オバマ大統領による訪問の背景にある使命のひとつであった、貿易やビジネスを検閲が脅かすことになると主張した。

5年頃前に、東南アジアでFacebook人気が高まりだしたとき、ベトナムではFacebookへのアクセスが初めてブロックされた。その影響で、Facebookに取って代わろうとする地場の類似サービスが数多く生まれたが、ベトナムの9000万人におよぶ国民の間では、近年Facebookが主流のサービスとなっていた。

ソーシャルネットワークを抑制しようとする動きは、ベトナムだけに留まらず、露骨な活動を続ける中国政府の他にもたくさんの例が挙がっている。ベトナムの近隣国タイでは、2014年5月に起きた軍事クーデータから1週間もたたない間に、Facebookが一時遮断された。一方トルコでは、政府によるFacebookとTwitterへのアクセス制限が何度も起きている。また、パキスタンは、3年間におよぶYouTubeへのアクセス遮断を今年解除したばかりだ。他にも、首相の汚職に関する調査報道を受けて、マレーシアではMediumへのアクセスが遮断され続けている

 

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Featured Image: Instagram: anthonybourdain