WhatsAppでは毎日70億回のボイスメッセージが送信されている

インドではスマートフォンユーザーの大半がMeta傘下のWhatsAppを使っている。私も多用している。しかし私は誰かにボイスメッセージを送ったことはただの一度もない。ところが、他の人々は送っているのだ。

米国時間3月30日、WhatsAppは毎日平均で70億回、ボイスメッセージが送信されていると発表した。テキストではなくエンド・ツー・エンドで暗号化されているボイスノートでのコミュニケーションは「表現力豊かな会話」ができるので人気があると、同社は述べた。

同社は「感情や興奮を声で伝えるのは、テキストで伝えるよりも自然なことです」と述べている。20億人以上が同社のサービスを利用し、毎日1000億回以上のメッセージが送信されている(最新の数字ではあるが、2020年のものだ)。

注目すべき、そしてとんでもないことのように思える勢いでボイスメッセージの利用が増えているのは、必ずしも驚きではない。例えば多くの新興市場では、新規スマートフォンユーザーは文字入力よりも音声を好む傾向があることがわかっている(WhatsAppは各国にわたるボイスメッセージの利用状況について見解を述べていない)。

今回の節目の数字にあたり、WhatsAppはボイスノート機能に多くの新機能と改善を加えた。これにはボイスノートの録音を一時停止して後で再開する機能や、録音を最大2倍速で聴くオプションなどがある。

今回の変更点は以下のとおり。

  • チャット外での再生:チャットから離れてボイスメッセージを聴けるので、特定のチャットウインドウを開いたままにしなくてもマルチタスクで他のことができる
  • 録音の一時停止と再開:ボイスメッセージを録音する際に、一時停止し、準備ができたら再開する
  • 波形の表示:ボイスメッセージの音を視覚化する
  • 録音の確認:ボイスメッセージを送信する前に聴くことができる
  • 再生箇所の保持:ボイスメッセージを聴いているときに一時停止すると、チャットに戻って一時停止した箇所から再生を再開できる
  • 転送メッセージの早送り再生:通常のメッセージでも転送されたメッセージでも、ボイスメッセージを1.5倍速または2倍速で再生できる

画像クレジット:Kirill Kudryavtsev / AFP / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Kaori Koyama)

Slackが新しいオーディオビデオ機能を発表、コロナ禍を経て変化する仕事のあり方を反映

Slack(スラック)は2020年末に、テキストベースのチャネルを拡張する新しいコミュニケーションツールについて触れていた。同社は米国時間6月30日「Slack Huddles(スラック・ハドル)」と呼ばれる新たなオーディオツールをリリースし、ビデオメッセージを残す機能や、Slack内からアクセスできる改良された従業員ディレクトリなど、その他いくつかの新しいツールの詳細を発表した。これらはすべて、変化する仕事のあり方を念頭に置いて設計されているようだ。

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まずは「Slack Huddles」の話から始めよう。これは、自分の考えをすべてタイプアウトするのではなく、Slack内で誰かとリアルタイムに会話ができるオーディオツールだ。タイピングが苦手な人にとっては非常に楽になるが、同社はそれだけでなく、より自発的な議論が可能になり、少なくともある程度はオフィスにいるのと似た状態になると考えている。

「Huddlesは、Slackの中でオーディオを使いコミュニケーションをとるための、軽量でオーディオファーストな方法です。これは、予定されたミーティング以外の場で起こる自発的でセレンディピタスなインタラクションを再現します」と、SlackのチーフプロダクトオフィサーであるTamar Yehoshua(タマール・イェホシュア)氏は6月29日のプレスブリーフィングで説明した。

企業はより柔軟なワークモデルを導入し続けるのに合わせ、働き方も調整しなければならない。SlackのStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)CEOは、Huddlesはそのための1つの考え方だという。

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「同期的といっても、3分しかかからないこともあります。そうスケジュールにあるからといって、来週火曜日の11:30から12:00までの30分全部を使ってミーティングをするのではなく、今話せば2分か3分ですむかもしれません。もしHuddleで会話が途切れても、オープンにしておけば、後で誰かが参加して何かいうかもしれません。これは、電話などの会話ではできないことです」と同氏は語った。

また、すべての人が音声を聞けるわけではないことを考慮し、新しいツールにはリアルタイムのトランスクリプション機能が搭載されている。

同社は2020年から、何らかのビデオメッセージ機能を提供することも検討していた。このコンセプトは、ビデオボイスメールかまたは、短い動画を撮影してSlackに投稿するというInstagramストーリーに近いものだ。イェホシュア氏はこう述べた。「当社はこれまで考えてきましたが、人々が表現力豊かに非同期的に情報を共有・消費する方法を提供することで、人々の働き方をより柔軟にし、ビデオ会議の必要性を減らすことができると確信しています」。

この新機能により、SlackユーザーはSlack内でビデオ、音声、画面の録画をネイティブに再生できるようになる。録画した短いクリップをチャンネルやDMにアップロードすることで「他の人が自分のスケジュールに合わせて視聴・応答できるようになります」とイェホシュア氏は説明している。この機能はまだリリースできる段階ではないが、同氏によると現在試験的に導入されており、今後数カ月のうちに有料チームに提供される予定だという。

最後の部分は、Slackが2020年、企業ディレクトリを強化する目的で買収したRimetoの買収に基づいている。RimetoはSlack Atlasとして再利用され、ユーザーは情報を探すために別のプログラムに移動するのではなく、企業ディレクトリとしてSlackの中ですぐにアクセスできる。これは、Slackがユーザーを同アプリ内にとどめ、必要な情報を見つけられるようにするための方法の1つであり、コンテキストの切り替えを避けるための動きだ。この機能は現在限定的な顧客テストが行われているが、2021年の後半には利用できるようになるとのこと。

Slackはこれらのツールを2020年初めて発表し、当初は実験的なものとしていたが、すぐに製品ロードマップに移行した。バターフィールド氏は2021年3月、元TechCrunchライターで現在はSignalFireの投資家であるJosh Constine(ジョッシュ・コンスティン)氏とのClubhouseインタビューに登場し、表向きは仕事の未来について語ったが、これらのツールについても初めて詳しく説明した。

このディスカッションを、仕事の未来や、2020年に同コミュニケーションツールを270億ドル(約3兆円)で買収したSalesforceの一部としてのSlackの未来に結びつけないわけにはいかないだろう。仕事のあり方は変化しており、Slackは将来的にそのソリューションの中でより幅広い役割を果たすことを目指している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Slackボイスメッセージビデオメッセージ

画像クレジット:AlexSecret / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)

最も楽しく過ごせる人たちとのつながりを強くするソーシャルアプリ「Squad」、ボイスメッセージ好きならきっと気に入る

Squadは共通の関心ごとがある人をつなぎ、実際に会うためのアプリだった。ところが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がった。ソーシャルアプリの多くはこの状況下で成功した。人々は以前よりもデジタルでのつながりを渇望したからだ。しかしSquadはうまくいかなかった。

創業者のIsa Watson(アイサ・ワトソン)氏には、世界がいつまで活動を止めることになるのかわからなかった。同氏は、以前の世界に戻るのを待つのではなくアプリの機能を完全に変えることにした。

米国時間6月22日、Squadはすでに友達である少数の人たちと関係を深めるオーディオベースのソーシャルアプリとして再出発した。Squadはオーディオのみのアプリだが、第2のClubhouseを目指すわけではない。親しい友達から発信されたボイスメッセージのニュースフィードのようなもので、メッセージは24時間後に消える。

最大12人の友達を自分の「スクワッド」(チーム、部隊の意)に追加でき、新しいボイスメッセージを投稿するとスクワッドのメンバーは絵文字で反応したり個人的にボイスメッセージを返したりすることができる。個人的なボイスメッセージも24時間で消えるため、率直に話しやすい。Squadは近々通話もサポートする予定だが、今のところグループ通話やグループオーディオメッセージの機能はない。しかし通話にタイトルをつけられるため、ユーザーにとっては一般的な通話よりもSquad経由で話す方が好ましいかもしれない。タイトルをつければ、スクワッドのメンバーは通話に出る前にあなたが何について話したがっているかを知ることができる。

画像クレジット:Squad

ワトソン氏は「ソーシャルの状況には大きな空白部分があります。ソーシャルのツールの大半は発見し、ブロードキャストし、個人をブランディングするプラットフォームだからです。我々は最も楽しく過ごせる人たちとの強いつながりを維持できるようにしようと考えており、大きなチャンスがあります」と述べた。

Instagramの厳選された写真やFacebookの作り込まれた近況よりも、音声で近況を投稿する方が信頼できる感じがする(そしてFacebookはZ世代やミレニアル世代にとって明らかにクールではない)。Dispoなどのアプリの人気に表れているように、若い世代はそのとき限りでリアルなソーシャルメディアエクスペリエンスに対する反応が良い。とはいえ、オーディオだけのメディアをWhatsAppやiMessageでボイスメッセージを送ったことのない人々に売り込むのは難しいかもしれない。Squadは最初に米国内のみで公開するが、このようなアプリはボイスメッセージの人気が高い他の国で成功する可能性がある。

ワトソン氏は「テキストメッセージで交わされる会話の多くが、非同期のオーディオメッセージになりつつあります。この傾向は習慣として今後もさらに浸透していくものと我々は期待しています」と補足した。

ワトソン氏は2019年にシードラウンドで350万ドル(約3億8800万円)を調達し、TechCrunchでは非白人女性がシリコンバレーでベンチャー投資を獲得した秘訣の記事で同氏を取り上げた。アプリの方向性は変わったが、 Harrison MetalのMichael Dearing(マイケル・ ディアリング)氏、BoxのAaron Levie(アーロン・レヴィ)氏、StichFixのKatrina Lake(カトリーナ・レイク)氏、AwayのJen Rubio(ジェン・ルビオ)氏、SlackのStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)氏などの投資家は引き続きワトソン氏を支援する。ワトソン氏はシードラウンドの後、さらに100万ドル(約1億1100万円)を調達し、これまでにSquadが調達した資金の合計は450万ドル(約4億9900万円)となっている。

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ワトソン氏はこう語る。「私は(投資家たちから)『アイサ、あなたはソーシャルに関するこうした変化について何年も話していたけど、みんながあなたにクレージーだと言っていたよね、ソーシャルのことはすっかり理解されていて今後は何も起きない、って』と言われていました。しかし今、人々は変化を認めています」。

画像クレジット:Squad

SquadがClubhouseの競合ではないにしても、オーディオ専用メディアの台頭は飽和したソーシャルマーケットに風穴を開けることができるという良い徴候だ(だから多くのソーシャルアプリがClubhouseに挑んでいる。出会い系アプリのTinderのようなオーディオアプリがまだ出てきていないのは驚きだ)。Squadのベータテストでは、ユーザーの87.5%がオンボーディングのプロセスを完了した。ただしClubhouseや多くのClubhouseクローンが悩まされているアクセシビリティの問題は、Squadでも同様だ。これまでのところSquadにキャプションを付ける機能はないが、ワトソン氏によれば現在検討中で将来的には実装したいとのことだ。キャプションを付けられるようになればSquadの利用者が増えるだけでなく、iMessageやWhatsAppといったメッセージング大手のアプリと大きく差をつけることができるかもしれない。

グループチャットにボイスメッセージを送るのが好きな人は、自分の友達をSquadに誘いたいと考えるだろう。現在のところこのアプリは招待制で、登録を受け付けている。自分の順番が回ってきたら、友達を3人招待できる。5日連続で投稿すると、さらに3人招待できる。招待した人がサインアップすると、さらに2人招待できる。自分のスクワッドのメンバーが12人になるまで、このルールで増えていく。

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タグ:Squad音声ソーシャルネットワークボイスメッセージ

画像クレジット:Squad

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

再発明されたビジネス向けボイスメールのYacがSlackの支援を受けて約7.8億円調達

フロリダ州オーランドを拠点とし、リモートオフィス向けにボイスメッセージをデジタル化するスタートアップのYacは、新たな資金調達ラウンドで750万ドル(約7億8000万円)を調達した。

同社のサービスはGGV Capitalが率いる投資家とSlack Fundからのリターン投資により、十分な規模の新規ラウンドを獲得するなど注目を集めている。

どうやら再発明されたボイスメールには何百万ドル(何億円)もの価値があるようだ。

「会議の未来は非同期で、耳と手が自由になります」と、Active CapitalのCEO兼創設者であるPat Matthews(パット・マシューズ)氏は、約1年前にシードラウンドを発表した際に述べている。

Justin Mitchell(ジャスティン・ミッチェル)氏、Hunter McKinley(ハンター・マッキンリー)氏、Jordan Walker(ジョーダン・ウォーカー)氏が共同設立したYacは、デジタルエージェンシーのSoFriendlyからスピンアウトし、Product HuntのMaker Festivalのピッチとして開発された。同社のボイスメッセージサービスはそのイベントのスタートアップコンペで優勝し、Boost VCとその創設者である第3世代ベンチャーキャピタリストのAdam Draper(アダム・ドレイパー)氏の関心を集めた。

シードラウンドから約6カ月後、Yacは別の起業家からの紹介のおかげでSlackからの支援を受けた。ミッチェル氏によると、2020年に行われた交渉の間に両チームはYacを利用してデューデリジェンス(リスク調査)を行ったという。2020年8月にSlackが資金調達に乗り出したと発表した時点で、Yacのサービス利用者数は5000人強で、Slackと同じようにアカウントごとに課金していた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:YacSlack資金調達ボイスメッセージ

画像クレジット:AaronP/Bauer-Griffin / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter