Slack(スラック)は2020年末に、テキストベースのチャネルを拡張する新しいコミュニケーションツールについて触れていた。同社は米国時間6月30日「Slack Huddles(スラック・ハドル)」と呼ばれる新たなオーディオツールをリリースし、ビデオメッセージを残す機能や、Slack内からアクセスできる改良された従業員ディレクトリなど、その他いくつかの新しいツールの詳細を発表した。これらはすべて、変化する仕事のあり方を念頭に置いて設計されているようだ。
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まずは「Slack Huddles」の話から始めよう。これは、自分の考えをすべてタイプアウトするのではなく、Slack内で誰かとリアルタイムに会話ができるオーディオツールだ。タイピングが苦手な人にとっては非常に楽になるが、同社はそれだけでなく、より自発的な議論が可能になり、少なくともある程度はオフィスにいるのと似た状態になると考えている。
「Huddlesは、Slackの中でオーディオを使いコミュニケーションをとるための、軽量でオーディオファーストな方法です。これは、予定されたミーティング以外の場で起こる自発的でセレンディピタスなインタラクションを再現します」と、SlackのチーフプロダクトオフィサーであるTamar Yehoshua(タマール・イェホシュア)氏は6月29日のプレスブリーフィングで説明した。
企業はより柔軟なワークモデルを導入し続けるのに合わせ、働き方も調整しなければならない。SlackのStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)CEOは、Huddlesはそのための1つの考え方だという。
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「同期的といっても、3分しかかからないこともあります。そうスケジュールにあるからといって、来週火曜日の11:30から12:00までの30分全部を使ってミーティングをするのではなく、今話せば2分か3分ですむかもしれません。もしHuddleで会話が途切れても、オープンにしておけば、後で誰かが参加して何かいうかもしれません。これは、電話などの会話ではできないことです」と同氏は語った。
また、すべての人が音声を聞けるわけではないことを考慮し、新しいツールにはリアルタイムのトランスクリプション機能が搭載されている。
同社は2020年から、何らかのビデオメッセージ機能を提供することも検討していた。このコンセプトは、ビデオボイスメールかまたは、短い動画を撮影してSlackに投稿するというInstagramストーリーに近いものだ。イェホシュア氏はこう述べた。「当社はこれまで考えてきましたが、人々が表現力豊かに非同期的に情報を共有・消費する方法を提供することで、人々の働き方をより柔軟にし、ビデオ会議の必要性を減らすことができると確信しています」。
この新機能により、SlackユーザーはSlack内でビデオ、音声、画面の録画をネイティブに再生できるようになる。録画した短いクリップをチャンネルやDMにアップロードすることで「他の人が自分のスケジュールに合わせて視聴・応答できるようになります」とイェホシュア氏は説明している。この機能はまだリリースできる段階ではないが、同氏によると現在試験的に導入されており、今後数カ月のうちに有料チームに提供される予定だという。
最後の部分は、Slackが2020年、企業ディレクトリを強化する目的で買収したRimetoの買収に基づいている。RimetoはSlack Atlasとして再利用され、ユーザーは情報を探すために別のプログラムに移動するのではなく、企業ディレクトリとしてSlackの中ですぐにアクセスできる。これは、Slackがユーザーを同アプリ内にとどめ、必要な情報を見つけられるようにするための方法の1つであり、コンテキストの切り替えを避けるための動きだ。この機能は現在限定的な顧客テストが行われているが、2021年の後半には利用できるようになるとのこと。
Slackはこれらのツールを2020年初めて発表し、当初は実験的なものとしていたが、すぐに製品ロードマップに移行した。バターフィールド氏は2021年3月、元TechCrunchライターで現在はSignalFireの投資家であるJosh Constine(ジョッシュ・コンスティン)氏とのClubhouseインタビューに登場し、表向きは仕事の未来について語ったが、これらのツールについても初めて詳しく説明した。
このディスカッションを、仕事の未来や、2020年に同コミュニケーションツールを270億ドル(約3兆円)で買収したSalesforceの一部としてのSlackの未来に結びつけないわけにはいかないだろう。仕事のあり方は変化しており、Slackは将来的にそのソリューションの中でより幅広い役割を果たすことを目指している。
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画像クレジット:AlexSecret / Getty Images
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(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)