農家や漁師などの生産者と消費者を直接つなぐポケットマルシェが8.5億円を調達

農家や漁師などの生産者と消費者を直接つなぐポケットマルシェが8.5億円を調達

全国の農家や漁師などの生産者と消費者を直接つなぐアプリ「ポケットマルシェ」(iOS版Android版)運営のポケットマルシェは8月24日、第三者割当増資として総額8.5億円の資金調達を調達したと発表した。引受先は丸井グループ、オレンジページなど計6社。

資金調達により、「ポケットマルシェの機能追加や機能改善」、「生産者サポートの強化」、「オンラインとオフラインの融合による物流の課題解決」、「特定の地域に継続的に関わる人々を増やすため地方自治体との連携を強化」などの取り組みを推進するとしている。

ポケットマルシェは、全国の農家・漁師と直接やり取りしながら、旬の食べ物を買えるプラットフォーム。2020年8月現在で、3200名以上の農家・漁師が登録しており、約7000品の食べ物の出品があるという。

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生産者と消費者を直接つなぐ「ポケットマルシェ」、メルカリなどから1.8億円調達

農家や漁師がスマホを通して生産物を消費者に直接販売できるアプリ「ポケットマルシェ」。同アプリを提供するポケットマルシェは9月29日、メルカリユーグレナPNB-INSPiRE Ethical Fund(以下、PIEF)を引受先とした第三者割当増資を実施した。調達金額は総額1億8000万円だ。

ポケットマルシェは、フリマアプリの「メルカリ」や「フリル」のような個人間で商品を売買できるC2Cサービスだ。しかし、それらとの大きな違いは、商品の出品者はすべて農家や漁師などの生産者であること。

アプリにはユーザーと生産者とがコミュニケーションを取りながら商品を購入できる機能も備わっており、生産者の顔を見ながら食品を購入することができる。

直接販売という手段をアプリで提供

ポケットマルシェは販売価格の15%を手数料として受け取り、消費者は別途送料を支払う。ポケットマルシェ取締役COOの本間勇輝氏は、「生産者がスーパーなどを通す場合、一般論として生産者が受け取るのは販売価格の30%と言われている」と話す。一方のポケットマルシェでは販売価格の85%が生産者の取り分になるので、生産者にとってメリットの大きいサービスだと言えるだろう。

生産者にとってのメリットはそれだけではない。通常の店頭販売とは違い、ポケットマルシェで商品に値付けをするのは、出品者である生産者自身だから、いわゆる「買い叩き」をされる心配もない。

また、スーパーなどは在庫が1キログラムにもならないような希少な生産物を流通に乗せることはあまりない。テレビの旅番組を観ているときに、地方の生産者が「これは珍しいから、東京では食べられないよ」と言っている場面を見たことはないだろうか? そんな希少な食べ物も、ポケットマルシェでは販売できることもメリットの1つだ。

2016年9月にリリースしたポケットマルシェ。現在は約330名の生産者がアプリを通して商品を販売している。商品を購入するユーザーの数は非公開だ。

「農林水産省が発表している統計を見ると、生産者全体は1年に10万人単位で減っている一方で、実は新規の就農者は増えていることが分かる。しかし、補助金を受け取ることができる5年を過ぎると、生計が立たず、その内の3割が辞めてしまう。そういった人たちに、選択肢の1つとして直接販売という手段を提供するのがポケットマルシェのミッションでもある」と本間氏は話す。

農林水産基本データ集より

メルカリとの資本業務提携

そんなポケットマルシェは今回、VCだけでなくフリマアプリを手がけるメルカリ、そしてミドリムシを活用した食品や健康食品を手がけるユーグレナから資金調達を実施している。

これらの事業会社との具体的な協働案については「これから」と本間氏は話すが、なかでもメルカリとの資本提携は注目すべきところだろう。メルカリはフリマアプリの「メルカリ」を軸に、本やCDに特化した「メルカリ カウル」、ブランド品に特化した「メルカリ メゾンズ」などをバーティカルに展開してきた。

そんなメルカリが「食」の分野にも進出する可能性は大いにあるし、“C2C”という共通点をもつメルカリとポケットマルシェの2社が共同で食分野の新アプリを提供するというのも、今後の展開としては十分に考えられるだろう。