オンライン中古車・パーツ販売プラットフォーム「モタガレ」を運営のMiddleFieldが5.8億円調達

MiddleFieldは10月13日、シリーズBラウンドで5.8億円の資金調達を完了したこと明らかにした。ファーストクローズ時に3.4億円、9月30日のファイナルクローズで、第三者割当増資と借入含め2.4億円を追加調達。シリーズB累計調達額は5.8億円になる。

ファイナルクローズ時の第三者割当増資の引受先は、既存投資家の新生銀行(フェムトグロースファンド2.0投資事業有限責任組合)のほか、新規投資家としてD4V(D4V1号投資事業有限責任組合)、千葉道場ファンド(千葉道場2号投資事業有限責任組合)、VOYAGE VENTURES、アドウェイズ、新生企業投資(新生ベンチャーパートナーズ1号投資事業有限責任組合)が加わっている。

MiddleFieldは、自動車本体の売買や、車検、整備、部品の売買、保険の加入、ローン組成、B2B販売ツール提供など自動車に関するさまざまな情報をワンストップで取り扱うことを目指すプラットフォーム「モタガレ」などの開発・運営を手掛ける2015年12月設立のスタートアップ。

現在の「モタガレ」は、カスタムを含むクルマのパーツを車種や系統別に詳細に検索できるのが特徴で、国内メーカーはもちろん、欧米の海外メーカーのクルマのパーツも簡単に探し出すことができる。会員になればパーツの取り付け店舗紹介や予約、無料のカスタム相談なども受けられる。

ウェブメディアとしてMotorzも運営しており、車種別のパーツ特集やランキング、キャンペーン情報などのコンテンツもそろっている。

同サイトは2020年8月にリニューアルして、中古車販売のオンライン化の本格展開を開始。現在までに330社の利用実績があり、掲載台数は約3000台まで伸びているという。自動車販売市場は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、新車販売は低迷する一方で、需要増による中古車販売が増加しているそうだ。自動車販売形態についてもオンライン化の流れが進み、トヨタ自動車や楽天などの大手もオンライン販売に乗り出している状況だという。

今回調達した資金は、プラットフォーム拡充のための事業者向けサービスの展開、新規ユーザーの獲得、機能追加、人材採用に投下する。具体的に決定している内容としては、アナログで非効率な業務フローをオンライン化する事業者向け業務効率化システム「モタガレビジネス」の開発拡充、個人の新規ユーザー獲得のための「モタガレ」の広告宣伝の充実などがある。

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タグ:MiddleField中古車中古車販売

英国のオンライン中古車販売プラットフォームCazooが320億円超を追加調達

英国では、多くの人々は、より多くの社会的な距離を確保するための方法として、現時点では公共交通機関に乗る代わりに車を使用することを選んでいる。車の販売・購入のためのより効率的な方法を構築したスタートアップのCazooは、英国時間10月1日に大規模な資金調達のラウンドを発表した。中古車を閲覧して購入するためのアプリベースの方法を提供する同社は、2億4000万ポンド(約326億円)の資金を集めた。米国のVroomに似たモデルを採用する。

資金調達は、同社が1億1600万ドル(約122億円)を調達してからわずか6カ月後のことだ。Cazooの広報担当者は、同社の評価額が20億ポンド以上(約2715億円)となり、以前の評価額の2倍になったことを確認している。一部の文脈では、同社はこの夏に10億ドル(1050億円)の評価額を確認しており、ほかの人はもっと低い額で見積もっていた。

今回の資金調達は、General Catalyst、D1 Capital Partners、Fidelity Management & Research Company、Blackrockが運営するファンドが主導しており、ほかの新規投資家や既存投資家も参加している。そのリストには、L Catterton、Durable Capital Partners、The Spruce House Partnership、Novator、Mubadala Capital、dmg venturesが含まれている。これにより、同社がこれまでに調達した総額は4億5000万ポンド(約61億円)に達した。

同社は、これが借入のないオールエクイティラウンドであることを強調した。借入は、自動車のような多くの資産を必要とする企業の資金調達において、ビジネスモデルを機能させるために大きな役割を果たす。しかしFairのような自動車販売を根本から変革するほかの会社で見てきたように、負債が株式投資をはるかに上回ることもあるし、Fairで見てきたように大金がビジネスに役立たないこともある。

「今回調達した資金は、チーム、ブランド、インフラを成長させ、英国のすべての消費者のために車の購入をより良いものにしていくための提案を継続的に開発するために使用する」とスポークスパーソンに確認した。

Cazooは、Alex Chesterman(アレックス・チェスターマン)氏によって設立された。同氏は、LoveFilmや不動産販売サイトZooplaを創業した人物だ。ちなみにLoveFilmは、Amazon(アマゾン)に買収され、NetflixのライバルであるAmazon Primeビデオ構築への第一歩として利用された。

なお、Cazooによるとローンチしてから1年足らずで1億ポンド(135億8400万円)の収益を上げ、毎月 「数千台」 の車を販売。配達しているという。ただし、利益が出ているか公表していない。

同社の急成長は、A地点からB地点への移動のために車を所有する人が増えたということだけでなく、新たな関心の高まりから来ている。私はロンドンに住んでいるが、最近の交通事情は間違いなく悪化している。また、従来の車の購入方法につきものだった物理的な接触を避けるために、オンラインで仮想的な方法を探している人たちもいる。

「ここ数カ月で、英国の消費者が当社のユニークで市場をリードする提案を受け入れ続けているため、オフラインからオンラインでの自動車購入へのシフトが加速しています」とチェスターマン氏は声明で述べている。「今回の資金調達は、当社のビジネスモデルとチーム、そして英国市場に対する世界最高の投資家の確信を示すものであり、英国の消費者に最高の自動車購入体験を提供するという当社の計画を実現するための力をCazooに与えてくれます」と付け加えた。

チェスターマン氏の起業家としての経歴は、資金調達やドアを開くのに役立つ。

「アレックスとは、LoveFilmを作っていた頃から17年来の付き合いです」とGeneral Catalystのマネージング・ディレクターであるAdam Valkin(アダム・ヴァルキン)氏は声明で述べている。「アレックスは、テクノロジーで変革を促すことができる大規模な消費者市場を特定し、顧客に焦点を当て、価値、利便性、信頼できるサービスの提供によって変革をリードすることで、キャリアを築いてきました。Cazooでは彼の実績ある戦略で、英国中の中古車購入者の利益のために、今までで最大のチャンスを手に入れようとしています」と指摘する。

D1 Capital Partners創業者であるDan Sundheim(ダン・サンドハイム)は「アレックスとCazooのチームとパートナーを組むことができて興奮しています。彼らは過去のインターネットベンチャーで顧客や株主に莫大な価値をもたらしており、Cazooが中古車業界のデジタル変革を大きく加速させ、英国の消費者の車購入体験を劇的に向上させると確信しています」とコメントしている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Cazooリテールテック中古車販売資金調達イギリス

画像クレジット:Cazoo

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(翻訳:TechCrunch Japan)