味の素が一般アスリート・部活生向け自動献立提案AIアプリ「勝ち飯AI」β版を開発、限定ユーザーテスト開始

味の素が一般アスリート・部活生向け自動献立提案AIアプリ「勝ち飯AI」β版を開発、限定ユーザーテスト開始

味の素は3月31日、アスリート向け献立提案AIアプリ「ビクトリープロジェクト管理栄養士監修 勝ち飯AI」β版を開発し、ユーザーテストを開始した。限定ユーザーテストを通してコンセプトの受容性を確認するとともに、同社では今後さらに多様な領域において生活者への価値を創出・提案する予定。

勝ち飯AIは、同社がトップアスリート向けに培ってきた栄養計算や高度なサポートの知見を、一般のアスリートにも広く提供することをコンセプトとして開発した、自動献立提案アプリ。アスリートの厳しい栄養基準を満たしつつ好きなメニューを献立に組み込むなど、食事を楽しみ、親子のコミュニケーションなどを促しながら選手の目標に向けてサポートを行う。

同アプリは、献立やレシピに関する独自テクノロジーを基盤に、栄養面でトップアスリートへの食サポート活動を実施している同社「ビクトリープロジェクト」管理栄養士監修の下、開発。ビクトリープロジェクトのサポート現場で使用される栄養計算基準をアルゴリズム化し、ユーザーがアプリ上で必要な情報を入力するとAIが栄養基準を満たす献立を提案する。

また、必要栄養価を充たす献立を提案するためのメニューデータベースには、同社運営のレシピサイト「AJINOMOTO PARK」のデータを活用。各メニューに対し、栄養情報に加えて、ジャンル・季節・調理時間など様々な情報を紐づけており、AIがユーザーに適した献立を提案するという。

具体的な使用方法として、「選手」と、食で選手をサポートする「調理する人」とがアカウント連携することで利用できるという。

「選手」は、性別・体重・体脂肪率などの基礎情報に加え、種目(瞬発系、持久系、球技系、その他)や目標(体重を減らす、体重を増やす、現状維持)を選択し登録。日々の体組成をアプリに登録し、食事記録の際に味や食べた量を5段階で評価することでどのくらいの栄養価を摂取したかが分かるとともに、AIがユーザーの好みの味や量を学習し、使えば使うほど選手に最適化された献立が提案されるようになる。

「調理する人」は、選手の目標や体組成に応じてAIが提案する献立(10日分、毎食3パターン)から調理するメニューを選ぶことが可能。その際、あらかじめ選手が食べられない食材を登録したり、選手からのリクエストメニューを表示することもできる。

味の素は2018年、「食から未来を楽しく」というミッションの下、「生活者にとってのさまざまな価値」を実現することをすべての起点とし、新たな事業を生み出す部署として生活者解析・事業創造部を創設。研究機関やパートナーとの連携、AIなどのテクノロジーやデータの活用、サービスの開発と運用、生活者やパートナーからのフィードバックを通して世の中全体で多様な生活者価値を生み出し、新たな食の楽しい未来を作り上げたいという。

同アプリ開発にあたり生活者にヒアリングやリサーチを実施した結果、食事によるパフォーマンス向上への関心が高い「一般アスリート・部活生」に、トップアスリートと同様の食サポートプログラムを提供するサービスのニーズが高いことが判明。さらに、中高部活生を子に持つ親にインタビューを行ったところ、親としても食事面からサポートすべく講習会などに参加するものの、自分の子供に置き換えた場合栄養計算や献立の組み立てなどが結局分からないといった声があったという。

また、コロナ禍において活動休止・縮小となっている部活動も多く、「これまでの『たくさん動いて、たくさん食べよう』といった指導ができなくなっている」といった声も指導者から多く聞かれたそうだ。思うように練習ができない時にどのような食事でカラダ作りをするべきかなど、食事の内容に対する関心度の高まりを感じ、アスリート・部活生や食サポートをする方々の悩みを同社の知見を活かし解決することをアプリの目標として位置付けているという。

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味の素がZ世代対象事業創出の専任組織を新設、スタートアップや大学と新たな価値共創

味の素がスタートアップや大学との価値共創に向けZ世代対象事業創出の専任組織を新設

味の素は3月31日、食品事業本部内にZ世代事業創造部を2021年4月1日付で新設すると発表した。Z世代(Gen-Z。1995~2009年生まれ)の価値観や真に求めているものを追求し、「食と健康の課題解決」のための価値提供を行う事業創出をグローバルに加速する。スタートアップや大学などと新たな価値を共創することで事業化を推進し、2021年度中にZ世代向け新製品または新サービスを上市する予定。

Z世代事業創造専任部署の設置は、食品業界では日本初という(同社調べ)。同部新設にあたり、Z世代の価値観に寄り添い、生活動線に立脚した事業検討を進めるため、新事業検討チームのリーダーに30代の若手基幹職、チームメンバーには社内公募により選出した20代の若手人材3名を起用。

これらメンバーにより、既存事業の枠組みに捉われることなく、Z世代視点・生活者視点で自由に発想し、新領域製品や新チャネルの開発、デジタル技術を活用した新ビジネスモデルなどの事業創出をスピーディーに行うことを目的とし、事業立案・事業開発・市場定着まで一貫して実施する。

また同部は、渋谷スクランブルスクエア15階の共創施設「SHIBUYA QWS」(渋谷キューズ)をベースとして活動。Z世代と繋がりの強いスポットを拠点に、スタートアップや大学などと新たな価値を共創することで事業化を推進し、2021年度中にZ世代向け新製品または新サービスを上市する予定。

同社によると、Z世代は、世界で約13億人と現在の世代別構成において大きな割合を占めているという。地球環境・社会貢献・サステナビリティ・多様性と個の尊重などに対する関心が高いことが特徴とされ、この先の時代の人々のWell-beingに向けた価値形成・波及を推進する上で象徴的な存在とした。

同社は「食と健康の課題解決企業」を目指しており、次世代の主流となるZ世代を、心と体の健康価値や社会価値向上に繋がる新たなフードスタイル・先進的な食マーケティングのビジネスモデルを築くベースとなる重要なターゲットとして位置づけているという。

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