製造業と小売業の低迷で米国株下落の中アマゾンが最高値を更新

米国時間4月15日、米国主要株式インデックスは揃って下落した。商務省および連邦準備制度理事会の最新データが、 製造業生産高と小売業売上の崩壊を示したためだ。

しかし、本日の暴落は昨日4月14日の上げ幅をすべて消し去ったわけではなく、米国の投資家と企業が、新型コロナ感染拡大による経済ショックに耐える好位置につけている可能性を示唆している。

商務省から出されたデータは特に厳しかった。米国小売業の売上は、先月8.7%減少した。これは1992年以降最大の下落だ。工場生産高は第二次世界大戦以来最悪の月だった。3月の工場出荷高は6.3%減という驚きの数字だった。

工業、小売両方から悪い知らせが届いたことを思えば、株価の下落はもっとひどくても不思議はなかった。おそらく投資家たちは、景気刺激策が近々実施される(大統領の署名するものが増えて遅れることがなければ)かもしれないという情報に元気づけられたのだろう。

  • ダウ平均株価:1.8%、445.41ドル安の2万3504.35ドルで引けた。
  • S&P 500:2.20%、62.70ポイント下げて、2783.36ポイントで引けた。
  • ナスダック総合指数:1.44%、122.56ポイント安の8393.18ポイントで終えた。

主要インデックスが低迷する一方で、SaaS株とクラウド株は この日値上がりした

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ダウを始めとする各インデックスは、底値より30%弱上がっているが、まだ最近の最高値には届いていない。つまり市場は、以前の楽観と最近の悲観の中間あたりにいる。次に何が起こるかは、おそらく誰も確信をもっていない。

株式市場がさまざまなメッセージを発信する中、巨人テック企業のAmazon(アマゾン)は今日最高値を更新した。株価は2307.68ドル、1%高で一日を終えた。低迷する市場の中でAmazonは突出した例外だ。

画像クレジット:monsitj / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

市場の荒れ模様は続いているが株価水準は回復、SaaSが遅れる

トランプ大統領の「今年中は給与税をゼロにする」という大盤振る舞いの約束はビジネスにバラ色の楽観的なメガネをかけさせる効果があったようだ。

米国の株式市場は売り一色の惨状から一転して回復基調となった。主要インデックスは引けにかけて軒並み上昇した。昨日の下落を帳消しにするほどの値上がりではなかったが、右肩上がりに慣れていた市場にとっては正常への復帰に近かった。

値動きが平常なときであれば驚くべき上げ幅だが、今日はダウ平均が4.89%、1167.1ドルもアップし、S&P 500は4.94%(135.7ドル)、Nasdaqは4.95%(393.6ドル)とそれぞれ上げた。

ところがBessemer-NasdaqのCloud Indexによると、SaaS・クラウド株は3.1%しか戻していなかった。つまりNasdaq全般のアップに遅れを取っている。SaaS、クラウド関連株の昨日の下落(率)が他カテゴリーよりもよりも大きかったうえに、回復も遅れている。 SaaS・クラウド株はここしばらく新しいソフトウェア企業の代表として株式市場でリーダーを務めてきたが、ここにきて株価の調整が入っているかもしれない。SaaS・クラウドプレミアムは低下する可能性がある。

しかし乱高下は広い範囲で続いており、bitcoinは底を打ち、石油も急上昇した。それでも株式市場は高値までは回復していない。ダウは15%安で、今日回復する前に52週の安値を付けている。 S&Pも最近付けた52週の高値と比べて15%以上ダウンしている。Nasdaqはこれよりわずかに大きくダウンし52週の高値から15.2%安だ。

急落を完全に回復するには本日ぐらいの値上がりがさらに数回必要だ。しかも頭上には次のような暗雲が垂れ込めている。ニューヨーク州ニューロシェルに新型コロナウィルスのために検疫隔離施設が設置された。石油、天然ガス企業の債務はひどいものだ。また政府の救済策も具体性を欠いている。

米国時間3月11日の取引では乱高下が収まり、TechCrunchでも我々(WellcomとShieber)が速報を出すのを止めることができるようになることを期待したい。

ちなみにApple(アップル)とMicrosoft(マイクロソフト)はそれぞれ1兆ドル企業だ。そのためこの大混乱の中でもテクノロジー株は全体としてはほとんど損失を被っていない。ともあれNasdaqは対前年では12.6%上っている。

画像:monsitj / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米株式市場で初のサーキットブレーカー発動、S&P 500が7%安で自動的に15分間取引停止

世界では新型コロナウイルスへの懸念が引き起こした混乱が続いている。

3月9日朝、米国の株式市場ではS&P 500の下落が7%に達したために、いわゆる「サーキットブレーカー」が落ちた。これは市場の混乱を避けるために組み込まれた自動的な取引停止システムだが、実際に作動したのは今回が初めてだ。

寄り付きから市況は売り一色だった。取引開始後数秒でダウは872.42ドル(S&P 500はNasdaqは90.16ドル(6.96%)下げて1205.58ドルとなった。

S&Pがさらに下落して7%に届いためシステムは自動的に15分間取引を停止した。S&P指数でサーキットブレーカーを落とす場合、7%の下落で15分間の停止、13%でさらに15分間延長、20%で終日停止となる。取引開始の鐘がなって30分後にはダウは6%割り込んで1571.87ドルとなった。

ニューヨークの株式市場で史上初めてサーキットブレーカーが作動し、15分間取引が停止された。これは(S&P 500指数の)下落が7%に達したため。次は13%下落、その次は20%(でサーキットブレーカーは落ちる)。

世界の市場では、日本市場が約5%、中国(上海総合指数)が3%、オーストラリアが7%以上、韓国が4%を超えて下落した。英国ではロンドン市場とFTSE Russelが7%を超えて下落している。

他の経済指標の低下もひどいものだ。原油価格もダウンしているし、米国国債利回りは最低を記録している。暗号通貨でさえ今日は大幅安だ。bitcoinは8000ドルを下回っており、他の暗号通貨の価値も下がっている。

スタートアップに影響が及ぶまでにはまだ少し時間がかかるだろう。しかし、あらゆる企業の価値が低下する場合、関連するスタートアップ、それどころか競合するスタートアップの価値さえ低下せざるを得ない。2019年にきわめて楽観的な展望による会社評価額で巨額の資金を調達したスタートアップにとって、評価額が低下すれば大惨事だ。

また、ベンチャーキャピタルと未公開株式に対する最大の資金の出し手に対する影響も考えねばならない。原油価格の大幅ダウンはオイルダラーを原資にして投資ファンドに巨額の資金をつぎ込むことを困難にする。オリガルヒと呼ばれるロシアの新興財閥や中東の王族からの出資はすでに保留にされている可能性がある。そうであればSoftBankのVision Fund 2成立の可能性をさらに狭めるものだ。

過去数年、ミレニアル世代ために豪華なレストランや郊外のゴルフコースなど金のかかる産業が軒並み苦境にあるとジョーク混じりで報告されている。ベビーブーム世代は国債と金持ち階級を強化し、大きな犠牲を払って戦争をした挙げ句、株式を暴落させているのではないか。どっちもどっちだ。

ともかく市場の現場はこのとおりだ。SaaS株でさえ寄り付きで4.84%安だった。

画像:Mario Tama / Getty Images News

【Japan編集部追記】S&P500は7.60%安(2746.56ドル)で引けている。アメリカYahooのS&P 500

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滑川海彦@Facebook

新コロナ感染拡大でゴールドマン・サックスが米企業ゼロ成長を予測、株式は再値下がり

新型コロナウイルスが経済成長に影響を及ぼすとの懸念から、米国株式市場は2月27日に再び大きく下げた。そして多くのテック企業が直近の売上高や業績予想に感染拡大の影響を盛り込み始めた。

正午の時点でダウ平均はおおよそ650ポイント下げ、ナスダックも240ポイント下げた。いずれも今年初めに達成した過去最高値からかなりの下落だ。

米国(北カリフォルニア)で初めて市中感染が報告されたのに伴い、ドナルド・トランプ大統領は昨夜、広がりつつあるコロナウイルス感染への政権の対応を国民に示した。大統領のスピーチは感情的なもので、世界そして米国が受けるコロナウイルスの影響はかなり大きく、想定していた以上長引くかもしれないとの懸念を抑制することはできなかった。

そして本日、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)は、コロナウイルスの影響で米企業の2020年の利益成長率はゼロになる、との経済見通しを発表した。グローバル経済の落ち込みからして、多くのアナリストが最近の市場のレベルはデタラメだとするのに消極的だったことが明らかになった一方で、ゴールドマン・サックスがはっきりとさせた。

銀行はいま、他のアナリストグループの予測と反対の立場だ。つまり、マーケットの残りはゴールドマン・サックスのサイドにつき、もしくはより深刻にとらえていることを意味する。株式市場は、少なくとも今日の取引ではゴールドマン・サックスと同様に考えているようだ。

ハイテク株に目を向けると、今日の取引ではSaaSとクラウドの企業が再び大きく下げている。Bessemer-Nasdaqクラウド指数は今日1.45%下がった。直近の最高値からは10%超下がっている。公開SaaS企業の新たな株価は、連動するスタートアップやベンチャーキャピタルの業界にとってうんざりするものだ。公開ソフトウェア企業の価値がこれまでになく高まっていることもあり、スタートアップやベンチャーキャピタルはこの分野に大きく賭けてきた。

実際、投資家らは特定の価格/セールス方程式で値を算出するのに、時価総額の代わりに企業価値を使い、多くのSaaSやクラウド企業を直近の売上の12倍超に押し上げてきた。そうした数字は株式市場でリアルタイムに変更されている。これは数千億ドルにもなる未公開企業の株に影響を及ぼすことになる。

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(翻訳:Mizoguchi