Amazonは、価格に関して他の小売業者に対して強力な優位性を保っているが、Wall Street Journalの最新記事に理由の一端が表れている。AmazonはライバルのBest BuyやWalmartのように高価で巨大な小売店舗を維持しなくてよいだけでなく、仕入先自身の倉庫内からビジネスを行う実験をしている。これは一種の共生小売生物といえる。
WSJは今週の記事でこれをAmazonによる「野心的実験」と呼び、巨大なProcter & Gamble施設内の同社社員が配置された一区画を、どうAmazonが維持しているかを詳しく解説している。P&Gの労働者はパレットにAmazon顧客向け商品を積み込み、Amazonの〈倉庫内倉庫〉に運ぶと、オンライン販売の巨人が梱包して直接顧客に発送する。
サプライチェーン・マネジメントは、Apple、Walmartをはじめ成功している近代的消費者製品メーカーの殆どを特徴づけている強みだ。Appleは、ここ数年間サプライチェーンの整備に著しく成功し、殆ど自社施設に在庫を持たないジャストインタイム生産を実現して、組立て工場から消費者や小売店に直接配送している。Walmartは、サプライヤーから最低価格で仕入れる能力と、それらのパートナー向けの「カンバン」方式の在庫管理システムに関して、批判も賞賛もされてきた。
Amazonの新プログラムは “Vendor Flex” と呼ばれ、特に紙オムツや家庭用紙製品などの低価格多量販売商品におけるコスト削減が期待される。これらは、消費者に直接発送するには「嵩張りすぎて、安すぎる」と伝統的に考えられてきたと商品であるとWSJは伝えている。しかしAmazonは、この分野のビジネス拡大に力を入れており、経済的に意味のある成長を可能にする費用対効果への取り組みが大きな役割を果たしている。
このプログラムは主として保存の利く商品を対象としているようだが、将来にわたって利益が期待される運用モデルの野心的試みだ。現在AmazonFreshは、当初のシアトル以外の市場でも運用開始しており、さらなる拡大を目指している。次にAmazonがサプライパートナーと組む時、相手は大規模な工業型農場や食材メーカーか製パン会社なのかもしれない。
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(翻訳:Nob Takahashi)