500 Startupsのデイブ・マクルーア、セクハラでCEO辞任――ゼネラル・パートナーには残る

500 Startupsのファウンダーであり顔だった著名な投資家、デイブ・マクルーアが会社の運営から退くこととなった。500 Startupsは非常に有名でありかつ大きな成果を挙げてきたアクセラレーター・プログラムだ。マクルーア自身が500 Startupsのイメージそのものだった。マクルーアの離任は最初にNew York Timesで報じられた。

職業的あるはメンター、投資家として女性に接する際にセクハラないし不当な性的行動があったという疑惑による社内調査の結果、失脚した著名な投資家はマクルーアが初めてではない。

InformationがBinary Capitalの共同ファウンダー、Justin Caldbeckのセクハラ問題を報じて以後、 ベンチャーキャピタルのコミュニティーでは多くの女性起業家がハラスメント(場合によっては不適当な物理力の行使)を訴えるようになった。

Uberへの投資の成功などで知られる有力投資家のChris SaccaもNew York Timesの報道を契機に投資事業から離れた。Saccaは今日(米国時間7/1)Mediumに謝罪を掲載した。【略】

Saccaが投資から離れた後、Saccaの元パートナー、Matt MazzeoはBinary Captialに参加していたものの、Coldbeckと共にBinariy Captalから去った

一方、500 Startupsの新しいCEO、Christine Tsaは次のように声明を発表した。

最近、テクノロジー・コミュニティーに属する女性に対し共同ファウンダーのデイブ・マクルーアに不適切な性的言動があったことが判明した。マクルーアの言動は受け入れがたいものであり、500 Startupsの企業理念に反する。【略】

このため、われわれは数ヶ月前に500の経営体制を抜本的に改革する必要を認め、私がCEOに就任することとなった。この職務は経営チームを指揮すると同時に500の日常業務全般を監督する。

デイブ・マクルーアの役割はゼネラル・パートナーとして既存の投資家に対する義務を果たす範囲に留められる。またマクルーアは過去の不適切な行動を改めるべくカウンセリングを受ける。【略】

画像: Jared Goralnick/Flickr UNDER A CC by-ND 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

クリス・サッカがベンチャー投資から引退へ――元Googleの弁護士、Twitterの初期投資で大成功

元Googleの弁護士で、ベンチャーキャピタリストに転じてTwitterとUberに巨額を投資したことで知られるクリス・サッカ(Chris Sacca)は「そろそろ拍車をかけるのを止める時期だ」と述べた。つまりベンチャー投資から引退するという。

新しいブログ記事でサッカは「2009年にベンチャーキャピタル、Lowercase Capital,を創立したときに考えていた目的を達したからだ」と説明している。このベンチャーキャピタルは当初、Googleでの元ボス、エリック・シュミットや同僚だったYahoo CEOのマリッサ・メイヤー、またIndustry Venturesなどからの出資を受けたことが役立った。

サッカはInstagramの初期投資家としても有名だ。Lowercaseについては2015年のForbesの記事に詳しく報じられた。サッカはTwitterへの投資にあたっては4つの異なるファンドを組成して手に入る限りの株式を買い集めた。この中にはTwitter社員の持ち株も含まれていた。

サッカはForbesのインタビューに答えて「Twitter〔がスタートしたとき〕は『これは本当のビジネスになる、おもちゃなんかではない』と回りを説得しようとして何ヶ月も時間を無駄にした。そこで全部で自分でやることに決めた。私は自分自身でTwitterの株を買っていくことにした」と述べている。2015年に記事が掲載された時点でTwitterへの投資は50億ドルの利益を生んだという。

サッカは後年、このやり方を繰り返そうとしてUber株を買い進んだ。この強引な戦法はやがてサッカとUberのCEO、トラビス・カラニックの間を緊張させることになった。報道によれば、カラニックはサッカがUberの社員から持ち株を買い集めることを不快に感じたということだ。

ある時点でサッカはUberの4%を所有していたと報じられた(現在でも所有しているかもしれない)。しかし「Uberの運営に関して発言権がゼロなのは腹立たしい」とサッカは2月にツイートした

最近サッカはTwitterからは距離を置いている。3月にTwitterの公式アカウントにこう投稿している。「Twitter株式は2年近く前から持っていない。イヴ〔共同ファウンダーのEvan Williams)を経営陣に復帰させることがなくなって以後、私は希望を失った。このサービスは好きだが、株式は嫌いだ」。【略】

サッカは引退を表明したブログ記事で、「私には6歳以下の子供が3人いる。モンタナやカリフォルニアに家も3軒持っている」と書いている。また「パートタイムでベンチャー投資を試みたがうまくいかないとわかった。岸に腰掛けてつま先だけを水に浸すようなやり方ではダメだった」という。そこでLowercase Capitalのために自分で資金を集めるのは止めることにした(ただしパートナーの投資家、Matt Mazzeoが独自にファンドを組成するかもしれないと示唆している)。

ではサッカはこの後どうするのだろう? ブログ記事はこの質問に自分で答えている。「政治? ノー。(ABCのリアリティー・テレビ番組)Shark Tankにもっと出る? ノーだ」。

サッカは「別のテレビ番組なら出るかもしれない。もっとポッドキャストもする。これまでになかったようなもので、テーマは無限だ。役に立つと同時に物議をかもすような内容になるかもしれない」という。

Lowercaseのパートナー、Matt Mazzeoexecは大手のタレント・スポーツ選手エージェンシーのCAAで事業開発の責任者を務めた後、2012年にサッカのベンチャーキャピタルに加わった。Mattは数年前、Forbesのインタビューに答えて「クリスは金を稼ぐだけが目的の人間ではない。仲間が好きだからやっているのだ。彼が〔Lowercaseを〕辞めることはないと思う」と述べている。

しかし時は移り変わる。サッカにとってはこのビジネスを辞めるときが来たようだ。

〔日本版〕記事中のShark Tankはかつて日本テレビで放映された『マネーの虎』をベースにしたABCのリアリティー番組。起業家志望者がプレゼンし、投資家が審査員となり投資の可否を判断する。クリス・サッカはゲスト審査員として繰り返し出演した。マーク・キューバンがレギュラー審査員の1人。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+