ロサンゼルスのPostieが抱(いだ)くビジョンによると、広告とマーケティングの未来はダイレクトメールにある。
10億ドルで買収されたDollar Shave Clubの大ヒットしたコマーシャルなど、数々のマーケティングを成功させたファウンダーたちが考えたのは、テクノロジーがそろそろ、未知の領域を開拓すべきだ、ということ。未知の領域とは、良質なターゲティング技術に支えられたダイレクトメールキャンペーンだ。
Postieは、オンラインのデータ収集と、オンデマンドの印刷と、郵便の技術、以上三つを結びつけて、最短24時間でオーダーを獲得する。同社によるとこの方法は、オンラインのターゲティング広告と同じ効果があるという。
このサービスを利用すると顧客(売り手)は、3億2000万以上の人びとの層別データや、関心事、行動などのデータにアクセスでき、それらによりダイレクトメールキャンペーンをターゲティングして、既存のCRM(customer relationship management)ツールとの統合もできる。
ファウンダーのDave FinkとJonathan Neddenriepは、昔インキュベーターScienceにいて、そのときFinkはDollar Shave Club, DogVacay, SpringRole, Wishbone, Hello Societyなどのマーケティングを6年間担当した。NeddenriepはScienceのCTOで、PositeでもCTOだ。
つまり昔のFinkは、オンライン広告(ネット広告)という大きなノイズの中で、ヴァイラルなメッセージが、できるだけ多くのオーディエンスに届くよう、苦労していた。それに比べると今回のダイレクトメールというメッセージは小さいが、しかしねらう市場は依然として大きい。
Finkはこう主張する: “高度にターゲティングされた郵便物という物理的な実体は、ネットでは不可能な感情的反応を喚び起こす。デジタルの場合と同じデータに基づくインサイトと定量的アプローチが、まったく新しいスケーラブルなメディアチャネルを切り開く”。
事実、21世紀になってもDMは死んでいない。Direct Marketing Associationの調査によると、2014年には、広告主や企業がダイレクトメールキャンペーンに460億ドルを支出した。そしてFinkと彼の仲間たちは、その数字がさらに伸びることを期待している。
しかも彼らは、一人旅ではない。すでにロサンゼルスのBonfire VenturesとCrosscut Venturesが、Postieに350万ドルを投資した。同社の事業の拡大にも、ダイレクトメールを利用できるだろうか?
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