サイバー脅威を「狩る」XDRセキュリティ技術拡大のためHuntersがシリーズB33億円を調達

ランサムウェアやサプライチェーンセキュリティへの攻撃が増加する中、組織はより迅速に脅威を検知することが求められている。米国時間8月24日、Bessemer Venture Partners(BVP)が主導する3000万ドル(約33億円)のシリーズBラウンドを調達したと発表したHunters(ハンターズ)は、この機会を生かそうとしているスタートアップだ。

マサチューセッツ州ニュートンとイスラエルのテルアビブにオフィスを構えるHuntersは、2018年に設立され、これまでに総額5040万ドル(約55億3000万円)を調達している。同社は2019年5月に、YL VenturesとBlumberg Capitalが主導して540万ドル(約5億9000万円)のシードラウンドを調達した。続いて2020年6月に、Microsoft(マイクロソフト)のM12(旧Microsoft Ventures)とU.S. Venture Partnersが参加する1500万ドル(約16億5000万円)のシリーズAラウンドを実施した。2020年12月には、Snowflake VenturesがHuntersに出資する追加の成長資金調達ラウンドが発表された。

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このスタートアップは、さまざまなソースやセンサーからデータを取り込む「Extended Threat Detection and Response(XDR)」と呼ばれる技術を構築している。XDRは、それらのデータを関連づけ分析し、潜在的な脅威を発見するための「ハント」を行う。ハンターズの共同創業者兼CEOであるUri May(ウリ・メイ)氏は、同社のOpen XDRプラットフォームが、攻撃者が組織へのアクセスや悪用に使用する戦術、技術、手順(TTPs:tactics, techniques and procedures)の特定に役立つと説明している。その目的は、潜在的なセキュリティインシデントの発見までの時間を短縮し、対応までの時間を加速させることにある。

Snowflake Venturesが同社に投資しているだけでなく、SnowflakeがHuntersのパートナーとして関与していることも、Bessemerを惹きつけた理由の1つだ。BVPのパートナーであるAlex Ferrara(アレックス・フェラーラ)氏は、彼の視点では、Huntersと同じ分野のベンダーは他にもあるが、Snowflakeのようなクラウドデータウェアハウスベンダーと提携しているところはなく、これが大きな差別化要因になったと述べている。しかし概して、フェラーラ氏と彼の会社にとってHuntersが興味深いスタートアップとなっている理由は、市場の状況とサイバー攻撃の現状にある。

フェラーラ氏は、TechCrunchの取材に対しこう述べた。「ランサムウェアの組織化が進むのを目の当たりにしているので、Huntersには期待しています。多くの事業やミッドティア市場の企業がすでに危険にさらされていると思われる中で、より積極的に対応できるHuntersのようなソリューションが必要だと考えています」。

同氏は、Huntersが市場のもう1つの重要なトレンドに適合していると考えている。それは、有能なセキュリティ専門家のギャップを埋めるためのニーズだ。Huntersの技術は自動化と機械学習(ML)を利用しており、セキュリティアナリストが短時間でより効果的な作業を行えるようになっている。

メイ氏は、今回の新たな資金調達により、Huntersはスタートアップ企業として次のステージに進むことができると述べている。同社はこれまでに、顧客獲得と収益に関する社内のマイルストーンを達成し、XDR技術が市場に適合していることがわかったという。現在はビジネス規模を拡大し、市場開拓のための営業・マーケティング活動やパートナーとの連携を強化したいと考えているとのこと。同氏はまた、今回の資金調達を機に、ますます騒がしくなってきたセキュリティ技術のビジネスに切り込み、市場を破壊するような新しいイノベーションを起こし、ユーザーにさらに多くの機能を提供したいと強調している。

Huntersが取り組んでいる新機軸の中には、情報源をよりよく理解し、相関させるための機械学習技術の強化も含まれている。Huntersプラットフォームのソースを拡大することは、メイ氏が自社プラットフォームの拡大を期待しているもう1つの分野であり、将来的にはより多くの脅威インテリジェンスデータフィードを統合することを目指しているという。

「自社で行っているサイバーセキュリティの研究に関連したイノベーションという点で、私たちは非常に綿密でユニークなロードマップを作成しています」とメイ氏は語った。

画像クレジット:Hunters

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(文:Sean Michael Kerner、翻訳:Aya Nakazato)

セキュリティ脅威を芽の段階で狩るHuntersにデータクラウドのSnowflakeが追加投資

わずか数カ月前に1500万ドル(約15億6000万円)のシリーズAを発表したイスラエルのテルアビブを拠点とするサイバーセキュリティ企業Huntersが米国時間12月10日、Snowflake VenturesからOpen Extended Threat Detection & Responseサービス(XDR)のための追加の成長投資を受け取ったことを発表した。これによりSnowflakeのベンチャー部門は、シリーズAラウンドをリードした既存の投資かであるM12U.S. Venture PartnersYL VenturesBlumberg CaptialOkta Venturesに加わることになる。

Snowflake Venturesが同社に投資しているという事実は、SnowflakeがHuntersの最初の顧客の1人であり、同社の脅威探索サービスのデザインパートナーだったことを考えれば、驚くことではない。Huntersは、これまで手作業で行われていた脅威検出プロセスを自動化するツールを企業に提供する。企業のネットワークおよびセキュリティツールから収集したデータを使って、Huntersは企業のインフラストラクチャおよびデータ資産に対するステルス攻撃を検出することができる。

「SnowflakeとHuntersは、組織が安全な方法でデータを完全に活用できるようにするという同じビジョンを共有している」とSnowflakeの企業開発責任者であるStefan Williams(ステファン・ウィリアムズ)氏はいう。「SnowflakeのデータクラウドとHuntersの画期的なセキュリティ運用テクノロジーを組み合わせることで、クラウド規模でのクラス最高レベルの自動脅威検出を共通の顧客に提供できます」。

なお、Snowflake Venturesがローンチしたのはわずか1カ月前(Snowflake Venturesリリース)のこととなる。ファンドの目標は「データを活用し、顧客への価値提供とデータクラウドにとっての機会の拡大にコミットしている成長段階の企業への投資を通じて、イノベーションを促進すること」だ。同社の最初の投資先は、機械学習のプラットフォームであるDataRobotだった(Snowflake Venturesリリース)。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:HuntersSnowflake投資

画像クレジット:Hunters

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa