Internet Explorer 10の消費電力はChromeやFirefoxより18%低い, とMicrosoftは主張

Microsoftが行った委託研究によると、合衆国のChromeとFirefoxユーザの全員がブラウザをWindows 8上のInternet Explorer 10に換えたら、合衆国の1万世帯ぶんの電力を節約できる。Microsoftによるとその理由は、同社はIEの高速化に力を入れてきたしまた、IEはネイティブのグラフィクスカードなど現代的なPCのハードウェアの能力を有効活用して、レンダリングのパフォーマンスを向上させているからだ。

しかし率直に言って、ブラウザについて考えるときその電力消費を気にする人はあまりいない。研究のテーマとしてもかなり異例だと言えるが、でもたしかに、Webの閲覧に費やされる時間は最近とみに多いから、研究が言うようにIEの電力消費がCやFよりも18%少ないなら、それはIEの無視できないメリットには違いない。

Microsoftによると、IEに切り換えると1億2000万キロワットアワー(kWh)の電力が節約され、また220万本の木を苗木から10年育てた期間に相当する二酸化炭素の除去量が達成される。

Microsoftは2011年にも同種の委託研究を行い、IE9はFirefoxやChrome、Safari、Operaなどよりも優れている、とした。今回の研究では、人気上位のWebサイトを対象にベンチマークが行われた。また、FlashやHTML5によるビデオも、多数再生された。

しかし研究とその結果はまともなものだとは思うが、省エネを動機としてChromeやFirefoxからIEに切り換えるユーザは、あまりいないだろう。でも、今MicrosoftはIEのイメージアップとシェア奪還に躍起になっているから、そのためのマーケティングキャンペーンのネタとしては、とりあえず理解できるけどね。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft、Windows 8/RTのIE10でFlash使用サイトのブロックを解除

今日(米国時間3/11)現在、Windows 8のMetro UIモードおよびWindows RT上のInternet Explorer 10は、標準でFlashをブロックし、MicrosoftがまとめたCompatibility View(CV)リストに載っているサイトにのみFlashコンテンツの再生を許している。明日それが変わる。あらゆるFlashコンテンツが標準で動作するようになり、CVリストはFlashコンテンツの動作を禁止するサイトのために使用される。

これまでWindows 8ユーザーは、Flash使用サイトを見るためにはデスクトップモードに切り替えなくてはならなかった。しかし、Microsoftは、「テストした数千ドメイン」のうち未だに非互換なのはわずか約4%だったため、方針を変更すべきと判断したと語った。

これはかなり予想外の変更だが、Microsoftは、「過去数ヵ月間徹底的にテストした結果、Flashコンテンツを含むサイトの大半が、今はタッチ、性能、およびバッテリー寿命に関してWindows体験と相応れる状況になった」と 言っている。MicrosoftのInternet Explorerグループのマネージャー、Rob Mauceriは、殆どのサイトがIE10で「問題なく動く。みんなが持ち歩くこれらのメインマシンは、重要なサイトのウェブコンテンツをアクセスできるはずだ。そうでなければ、単なるPCのお供になってしまう」と語った。

Windows 8 Flash

Windows 8およびRTの公開に先立ち、MicrosoftはAdobeと協力して、Windows 8の中心機能に違いないタッチ操作に最適化したバージョンのFlashを開発していた。しかし、Flashがバッテリー寿命やセキュリティー、信頼性を損ねることを恐れたMicrosoftは、当初のWindows 8のMetroモードおよびRTのIE 10ではCVリストを利用して、タッチに対応し利用体験に何らかの悪影響を与えないサイトのみ動作を許可した。

デベロッパーがInternet Explorer 10で自サイトが正しく動作するかどうかを確認するために先月Microsoftが立ち上げたサイト、modern.IEには、明日から、新たなFlashブロックリストに自分のサイトが載っているかどうかをデベロッパーが確認できる機能が加わる。

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(翻訳:Nob Takahashi)

タッチが面倒で8にアップしないWin7ユーザ向けにIE10がリリース, CMもタッチを強調

all circles playing

人を長く待たせたMicrosoftが今日(米国時間2/26)やっと、Internet Explorer 10を全世界のWindows 7ユーザに提供する、と発表した。これまではWindows 8だけだったが、昨年11月にはWindows 7用IE10のプレビューバージョンがローンチした。今日リリースされるのは、公式バージョンである。なお、全世界で7億人以上いるIE9のユーザと、前記プレビューバージョンのユーザに対しては、自動アップデートが始まる。

プレビューバージョンのユーザには自動アップデートがすぐに始まり、そのほかのWin7ユーザには今後数週間〜数か月の内に通知が来る。Microsoftは、アップグレードに伴う問題点の検出と修正をしながら、徐々にIE10の世界展開を図るようだ。

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MicrosoftでInternet ExplorerのゼネラルマネージャをやっているRyan Gavinが先週語ったところによると、Internet Explorerのユーザが10へのアップグレードをためらったり、嫌がったりする理由はまったく見あたらない。Windows 8に先行リリースしたので、テスト履歴もこれまでのIEで最高最良である、と。

Microsoftによると、IE10はIE9の20%以上速く、しかもそれはベンチマークではなく実用テストの結果である。Gavinによると、IE10は”Do Not Track”(トラッキング拒否)がデフォルトでonである。またプライバシーとセキュリティの機能もIE9より充実している。

IE10のWindows 7バージョンはWindows 8バージョンとほとんど同じであり、同じデザイン、同じJavaScript、同じレイアウトエンジンを使用し、ハードウェアアクセラレーションによるSVGやHTML4構文の実装も、Windows 8の場合と同じだ。

デベロッパ向けには、IE10ではIE9に比べ、“現代的なWebスタンダードのサポートが60%増えた”。たとえば、CSS3のTransitionとAnimations、レスポンシブなページレイアウトのサポートを改良(CSS3のGgrid、Positioned Floatなど)、HTML5のForm、WebSocket、HTML5のドラッグ&ドロップ、タッチ方式のWebアプリケーションのためのポインタイベント、など。

IE10のコマーシャルはタッチを強調

MicrosoftはIE10に関してとくに、タッチ対応を強調している。Windows 7が載ってる製品はタッチ画面のが少ないにもかかわらず、同社はテレビコマーシャルでもタッチを主役にしている。またMicrosoftが今日立ち上げたExploreTouch.ieは、広告と、キャンペーンに起用されたBlake Lewisの曲のあるHTML5によるサイトだ。このサイトを作ったのはFantasy Interactive、Clarity ConsultingとIEのチームが賛助した。例によってMicrosoftは、このサイトのメイキングやコードサンプルなど、楽屋裏情報も見せている。

以下が、そのテレビコマーシャルだ:


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

古いIEでも無事動くか?–Webサイトの互換性テストサービスmodern.IEをMicrosoftが立ち上げ

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Microsoft自身がいくら変えたいと思っていても、いまだに古いバージョンのInternet Explorerを使っている人は多い。そのためデベロッパは、自分のWebアプリケーションが、たとえばIE7やIE8で無事に動くよう、テストや手直しに余計な時間をかけなければならない。IE9とIE10は、Microsoftが懸命にHTML5やCSS3などの標準規格の忠実な実装に努力した。そして、今や古いIEの問題を自覚した同社は、“デベロッパが自分のサイトをInternet Explorerとそのほかの現代的ブラウザで確実に動くようにするための努力を容易にするために”、modern.IEと呼ばれるツール的サイトを今日(米国時間1/31)ローンチした。

MicrosoftのInternet Explorer担当ゼネラルマネージャRyan Gavinが昨日ぼくに語ったところによると、modern.IEにはいくつかの無料のツールとリソースが含まれていて、たとえばスキャナーは、サイトを現代的なブラウザやレガシーのIEに対して非互換にしかねない、よくある問題をチェックする。そのスキャナーは、デベロッパが使ったライブラリやフレームワークにある、よくありがちな問題を、個々のページごとにチェックする。そして対策を推奨し、またそのフレームワークのどのバージョンなら互換性が高いかをアドバイスする。たとえばjQueryならどれ、とか。

Microsoftは、この、ライブラリやフレームワークの問題が意外と大きいことを知った。上位5000の繁盛サイトの40%以上が、古いバージョンのフレームワークやライブラリを使っていて、そのことがIEの最新バージョンやそのほかの現代的ブラウザとの非互換性を招いている。また、これら5000のサイトの20%はベンダ固有のプリフィクス(-moz、-ms、-webkit、などなど)を使っていて、それも非互換性の原因になっている。これらのサイトの大半がブラウザ検出を用いており、しばしば、IE9やIE10と非互換なサイトをサーブしている。彼らは、IEのこれら新バージョンがもはや、レガシーのブラウザとは呼べないものであることを、認識していない。

また、スキャナーにかけることによってばれて欲しくないサイト固有の問題を抱えるところでは、Microsoftとデベロッパが直接協力して対策に当たる。

modern.IEにはこのほか、jQuery Foundationの理事長Dave MethvinとMicrosoftのテクニカルエヴァンジェリストRey Bangoが書いた20のベストプラクティスチップや、MicrosoftがBrowserstackとの提携で来年全デベロッパに提供する3か月の無料サービスの告知などがあり、デベロッパたちはここで、自分のサイトが多種類のブラウザとオペレーティングシステムの上でどう見えるかを、容易に知ることができる。modern.IEのユーザ登録は、Facebookの認証情報でできる。また、BrowserstackのChrome用とFirefox用のプラグインもあり、それを使うとMacやWindows、Linuxなどの仮想マシンイメージに対してサイトを手早くテストできる。WindowsとIEの古いバージョンでのテストを、デベロッパがローカルに行うことも可能だ。なおBrowserstackはとても便利なツールであり、その上で、ブラウザの種類とオペレーティングシステムの種類、そのどんな組み合わせでもテストできる。

Gavinによれば、modern.IEの中心的な目的は、あくまでもレガシーブラウザに対するテストだ。IE9よりも前のいわゆるレガシーバージョンのInternet Explorerが、デベロッパを苦しめたことを、彼も認めている。Gavin は今日のブログ記事で、“modern.IEは、デベロッパがテストに費やす時間を少なくし、すばらしいサイトの構築に多くの時間を割けるようにするための、弊社のこれからの継続的取り組みの、一環にすぎない”、と述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))