本日(米国時間8月1日)ドイツの巨大テクノロジー企業であるシーメンスは、人気の高いローコードアプリケーション開発プラットフォーム(通常の言語によるプログラミングをほとんど行わないでアプリケーションを開発するプラットフォーム:超高速開発プラトッフォームと呼ばれることもある)のMendixを、6億ユーロ(約7億ドル)で買収したことを発表した。オランダで設立され、現在はボストンに本社を構えるMendixは、これまでと変わらない運用を続け名前も変えることはない。しかしシーメンスはMendixの技術を自社のクラウド、IoTそしてデジタルエンタープライズへの野望を加速するために活用することを表明している。
「シーメンスのデジタル化戦略の一環として、わが社はDigital Enterprise向けのソフトウェア製品に引き続き投資をして行きます。Mendixの買収により、クラウド分野の専門知識や、クラウド以外のプラットフォームソリューション、そして極めてスキルの高い人びとを得たことで、シーメンスはその包括的なDigital EnterpriseおよびMindSphere IoTポートフォリオの強化を続けます」と語るのはシーメンスのDigital Factory部門のCEOであるJan Mrosikだ。
Mendixのサービスは、既にIBM、SAP、そしてPivotalのクラウドサービスに深く統合されている。Mendixの共同創業者兼CEOのDerek Roosは、同社とシーメンスは当初戦略的パートナーシップについて協議していたが、対話が進むにつれて両者は買収の方向へ舵を切ったのだと語る。Roosによれば、両社のビジョンは非常に似ており、そしてシーメンスはMendixの成長を加速し、プラットフォームを拡張し、そしてそれをシーメンスの現行のMindSphere IoT Systemへ統合することへの支援を約束したと言う。
「もしどのローコードプラットフォームが長期的に投資する価値があり、勝ち残るのかを疑問に思ったことがあるなら、もはや悩む必要はありません」とRoosは書く。「シーメンスによるこのコミットメントと投資によって、当社は研究開発と地域拡大に向けての投資を、大いに加速することが可能になります。より素早い技術革新、より広いリーチ、そしてより良い顧客体験をお届けすることができるでしょう」。
ここ数年の間に「ローコード」は、徐々に人気が高まり、より多くの企業が従業員たちに、現在保存されているデータへのアクセスと活用をさせようとしている。とはいえ、全ての従業員がプログラムの方法を学ぶわけにもいかない。そこでMendixやK2その他のツールが、非開発者向けに容易にアプリケーション(大部分がデータベースを裏に抱えている)を作成できるようにしているのだ。
またシーメンスは本日、Vision 2020+という名の、新たな企業体系を発表した。その詳細自身はあまり興味深いものではないが、同社によれば、それはIoTインテグレーションサービスのような分野に対する投資を通して、成長のポートフォリオを強化するものだという。Mendixの買収もその一部だが、おそらく似たような動きをまた近い将来にも見ることができるだろう。
今回の買収以前に、MendixはBattery Ventures、Prime Ventures、HENQ Investなどの投資家たちから約3800万ドルを調達していた。
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(翻訳:sako)