Google、スモール・ビジネス向けにサイトのテストツールを公開―URLの入力でモバイル対応度を表示

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今日(米国時間6/2)、Googleはスモール・ビジネスのオーナー向けの新しいツールを公開した。このツールを利用すると、URLを入力するだけでウェブサイトのパフォーマンス、特にスマートフォンやタブレットといったモバイル・デバイスに対するユーザー・フレンドリー度をテストすることができる。

2015年の秋、 モバイル検索の数がデスクトップ検索の数を始めて上回ったことを考えると、ウェブサイト運営者にとってはもちろん、Googleにとってもモバイル対策は重要なものとなっている。 Google検索で上位に表示されるためには、モバイル・デバイスから簡単に表示でき、読みやすく、パフォーマンスも高いことが必要だ。

新しいテスト・ツールは(testmysite.thinkwithgoogle.comからアクセスできる)は誰でも手軽に利用できる。技術的知識はまったく必要ない。単にウェブサイトのURLを入力するだけでよい。システムが自動的にサイトのパフォーマンスを判断し、結果を100点満点の点数で表示してくれる。さらに下にスクロールするとそれぞれの項目について説明される。またユーザーは詳しい分析と改善の提案が記載されたレポートを無料で入手できる。テスト者自身にはサイト運営の知識がない場合でも、ウェブマスターに簡単にレポートを転送できる。

Googleはこれまでにいくつものウェブサイトのテストツールを発表してきた。ページスピード・テスト ページスピード・インサイトモバイル・フレンドリー・テストなどだ。しかしこうした既存のツールの多くはサイトのデベロッパーやデザイナーなど技術的知識を有する関係者向けだった。今日発表されたツールは、テスト項目は似ているが、サイトを運営するビジネスのオーナーを対象としており、技術的な詳細を理解していなくてもかまわないようになっている。

新ツールはユーザー・インターフェイスをできる限りシンプル化している。またその結果も「良い」が緑、「普通」が黄色、「劣る」が赤で表示され、直感的にわかりやすい。

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ただし、既存のページサイト・インサイト(PageSpeed Insights)ツールは、デベロッパー向けなのでモバイル、デスクトップのそれぞれについて速度やユーザー体験を数値化するだけでなく、改善方法に関する技術的提案も表示されるようになっている(モバイルの場合、タップすべきボタンや重要な情報が画面トップに表示されるかなどのルールがある)。〔利用法は新ツールと同様、サイトのURLを入力するだけでよい。日本語化ずみ〕

今回のテストツールのローンチはGoogleがビジネスを急速にモバイルにシフトしようとする中で行われた。Googleはモバイル・デバイスへのサイトの読み込みを高速化し、データサイズも節減するAMP(Accelerated Mobile Pages)などのテクノロジーに多大なリソースを注いできた。またモバイル・フレンドリーなサイトが上位に表示されるよう検索アルゴリズムを改良している。ユーザーはモバイル・デバイス上で各種のネーティブ・アプリを利用する形態に急速にシフトしており、 Googleはモバイル・ウェブが以前のデスクトップと同様に高速かつ使いやすいものとなるよう全力を挙げている。この過程には対策を怠っているウェブサイトのオーナーに恥をかかす 修正を提案することも含まれるようだ。

〔日本版〕新ツールはまだ日本語化されていないが日本から利用可能。既存ツールはすでに日本語化されており、技術的提案も表示される。なおどちらのツールも利用にあたって運営者である必要はなく、任意のサイトのURLを入力できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleアルゴリズムのモバイル・フレンドリー化、今日から適用―Fortune 500企業の4割さえ順位下落

2015-04-22-googlemobile

Googleは今年に入って検索アルゴリズムに変更を加え、結果表示の順位決定にあたって、モバイル優先という要素を加えると 発表した。 つまりモバイル・デバイスの小さいスクリーン向けに表示が最適化されたページを持たないサイトの表示順位は下げられるという意味だ。今日(米国時間4/21)、Googleはこのモバイル・フレンドリー・アップデートを実行に移した。最近行われたテストによると、今回のアップデートでFortune 500にランキングされる大企業サイトの4割が影響を受けるという。

今日のGoogleの説明によると、 モバイル・フレンドリーであると認定されるためには、そのサイトのテキストはタップやズームなどの操作をしなくても可読性を保っていなければならない。またタップの対象となる要素はそれに必要なスペースが周囲に確保されていなければならない。またページの要素には操作不可能なものや水平にスクロールするものがあってはならない。要するに、モバイルデバイスから正常に利用できるようになっていなければならない。

またGoogleは、今回のアルゴリズムの変更はモバイルからの検索だけに影響するとしている。モバイル・フレンドリーであるかどうかは、サイト全体ではなく、個々のページごとに判断される。影響を受けるモバイル・デバイスはスマートフォンだけで、タブレットは含まれない。

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世界的な大企業の場合でさえ、スマートフォンの小さな画面では読みづらいサイトがまだ多数あるというのは驚くべきことだ。こういうサイトにモバイル向けの最適化を行わせるには、Google検索で順位を落とされるという脅しが確かに必要だったに違いない。

2013年のTechCrunch記事によれば、Fortune 100社の3分の2がモバイル・フレンドリーではなかったという。今年に入って行われたテストでも、対応の進展は遅かった。前述のようにFortune 500社のうちでモバイル・フレンドリーと認められたサイトは半数をわずかに超えた(52%)だけだった。

Top 20 Mobile Friendly Fortune 500

しかしこのような大企業(だけではないが)にとって、もはやモバイル対応は無視できないものだ。eMarketerによると 、世界のスマートフォン・ユーザーの数は今年中に19.1億人となり、2016年早々に20億人を超えるという。 そして2018年には世界の消費者の3分の2がスマートフォンを使うようになる。

この急激なモバイル・シフトは、Google自身も含めてあらゆるビジネスに大きな影響を与える。Googleの収益はモバイル・ユーザーがウェブサイトを訪問する際にGoogleの検索エンジンをどれだけ利用するか、そして結果的に広告を何回クリックするかに大きく左右される。しかしモバイルではユーザーは目的のコンテンツを探すのに検索エンジン以外のチャンネルを利用することが多くなっている。小さいスクリーンへの対応やプッシュ通知機能などモバイルOSに適応したネーティブ・モバイル・アプリの使い勝手がいいからだ。

そのため、Facebookのような巨大なモバイル・サイトの存在がGoogleのビジネスを脅かすまでになっている。eMarketerの記事によれば、2013年にはモバイル広告市場でGoogleは5割のシェアを持っていたが、2014年には46.8%に低下した。一方で、Facebookの2012年の5.4%から2014年の21.7%へ急成長している。

Googleがウェブサイトにモバイル・フレンドリーを強制する動機は、検索ユーザーの便宜を図ると同時に、モバイル化の流れの中でGoogleが自らの有用性を確保するという点にあるだろう。

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しかしモバイル・フレンドリー化は、一般ユーザーとGoogleだけでなく、サイトの運営者にも利益をもたらす。Branding Brandのレポート によれば、2015年第一四半期の全スマートフォン・とラフィクの約半数(43%)は検索によるトップ100サイトへのトラフィックが占めていた。しかもこの数字は直前の四半期から5%ポイントもアップしている。またスマートフォン最適ずみのサイトではオーガニック検索が全収入の25%を稼ぎ出している。

しかもモバイル・トラフィックは依然急増中だ。上記のレポートによれば、今年第1四半期のモバイル・トラフィックは対前年同期比で35%も増加しており、当期の全オンライン売上の28%がモバイル・デバイスによるものだった。ちなみに、Appleデバイスからの訪問者が全スマートフォンからの訪問者の59%を占めた。

Googleによれば、新アルゴリズムは今日から適用されるという。ウェブサイト管理者は、Mobile-Friendly TestMobile Usability report in Webmaster Toolsなどを利用してモバイル・フレンドリーであるかどうかをテストできる。もし「モバイル・フレンドリーでない」と判定された場合、そのページの表示順位は「モバイル・トラフィックの大幅な減少を招くことになるだろう」とGoogleは警告している。しかし最適化が行われると同時にGoogleは自動的に表示順位を再計算するという。

SearchEngineLandに掲載されたたいへん有益なFAQによれば、Googleのクローラーは数時間から最大72時間であらゆるサイトを巡回するが、Fetch as Google with Submit to Index を利用すれば即座に再クロールを実施させることができる。再クロールと同時にモバイル・フレンドリーと判定されたページは正当な順位で表示されるようになるとGoogleは説明している。

([原文へ] 翻訳 滑川海彦@Facebook Google+