音楽SNSアプリ「nana」が600万ダウンロード達成、Androidで有料プランが追加されるなど大幅アップデートも

音楽のセッションやコラボレーションを楽しめるSNSアプリ「nana」を提供するnana musicは4月11日、アプリダウンロード数が600万を突破したことを発表した。また同日、アプリの大幅なアップデートを行い、Android版でも有料版プラン「nanaプレミアム」が利用できるようになったほか、iOS版とのインターフェースの共通化や機能追加などが行われた。

nanaは、スマホのマイクで歌や楽器の演奏を録音して投稿すると、投稿された音楽に別のユーザーが重ね録りでき、音を通してつながることができるSNSアプリ。投稿に「拍手」やコメントを付けることもできる。合唱やバンドセッションのほか、声まねや朗読、声劇などの投稿もあり、音を通じたコミュニケーションが世界中のユーザーに楽しまれているようだ。

nana musicによれば、人気アーティストや、マイクロソフトのAI「りんな」とのコラボ企画、プレゼント企画などのイベント実施の効果もあって、ダウンロード数は安定して増加しているという。2012年8月のリリース以降、2017年10月にはダウンロード数500万を達成。現在、600万ダウンロードを超え、累計楽曲再生数は22.8億回以上となった。

有料のnanaプレミアムは、2016年10月からiOS版でスタートし、今回Android版にも対応。料金は月額580円だ。ロボっぽい「ケロケロ」声になるエフェクトなど5種類のエフェクトや、広告の非表示機能などが利用できる。

アップデートでは、Android版のインターフェースがiOS版とほぼ同じになったほか、iOS版で有料だったDoublerエフェクトを無料化。これまでに投稿したサウンドの傾向などから「おすすめ伴奏」を自動的に表示する機能の追加や、各種画面デザインの改善なども行われた。

nana musicは2013年3月の設立(サービスは法人登記前にスタート)。2017年1月にはDMM.comが株式を取得し、子会社化している

DMM、クラウドストレージアプリ「POOL」と音楽アプリ「nana」の運営元を買収

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2016年12月に、ピクシブ創業者・代表取締役社長である片桐孝憲氏の社長就任を発表して話題を集めたDMM.com。体制を新たにした同社がスタートアップの買収を発表した。DMM.comは1月27日、クラウドストレージアプリ「POOL」を開発、運営するピックアップ、 音楽アプリ「nana」の開発、運営を行うnana musicの株式を取得し、子会社化したことを明らかにした。買収額はいずれも非公開。

160万人、34億枚の写真を扱う「POOL」

ピックアップは2014年設立。代表取締役社長の宮本拓氏はBASEに勤務したのち、独立した人物。同社が提供するPOOLは、手軽な操作で利用できる画像、動画用のクラウドストレージアプリだ。

screen696x696-1TechCrunchの読者であれば「そんなの、iCloudだってあるし、DropboxもGoogle フォトもある。それでいいじゃないか」なんて思うかも知れないけれど、これらのプロダクトすら使えないような若い世代をターゲットにしているという。

宮本氏に以前聞いたところだと、当時好きだった女の子から「スマートフォンで写真を撮り過ぎてデータの容量が増えて困っている。どうすればいいのか?」といった質問を受けたのがPOOL開発のきっかけだという。

当時宮本氏は「Twitterで『写真 容量』で検索すると、若い世代の悩みがいろいろ出てくる。それで調べてみると写真と動画が一番容量を取っている。それを解決したかった。だがiCloudすら分からないし、PCを持っていない人はバックアップに困っていた」なんて語っていた。

POOLのユーザー数は現在160万人で、34億枚の写真が保管されているという。広告やプレミアムユーザー向けの課金を行ってマネタイズを進めているとのことだが、今後はPOOLのマーケティングを強化するのに加えて、新アプリの開発も進めるという。

世界300万ダウンロードを達成した「nana」

screen696x696-2一方のnana musicは2013年の設立。同社が提供するnanaは、音楽のセッションやコラボレーションを楽しめるアプリだ。アプリを立ち上げ、スマートフォンのマイクで歌や楽器演奏を録音して投稿できるのだが、キモとなるのは投稿された音楽に重ね録りをできるという機能だ。この機能によって、伴奏だけを投稿するユーザーと、その伴奏に歌声を重ね録りして投稿するユーザー…といったようなコラボレーションが実現するのだ。投稿にはFacebookの「いいね!」のような「拍手」やコメントを付けることも可能。

サービスは法人登記前の2012年8月にスタート。2016年12月には世界累計300万ダウンロードを達成した。累計楽曲再生数は12億回、累計楽曲投稿数は3000万曲以上となっている。僕は前職から何度かnana musicの取材をしているが、代表取締役社長CEOの文原明臣氏はnanaを開発したきっかけについて、名曲「We Are The World」を世界中のユーザーで歌えるようにしたいといつも語ってくれていたのが印象的だった。

ユーザーの7割が18歳以下という若いコミュニティを持ったサービスとなっており、伴奏と歌だけでなく、声まねや朗読、Q&A形式の投稿など、ユーザーが新しい楽しみ方を自ら作り出しているのも特徴だという。マネタイズに関しては企業とのタイアップを中心に進めていたが、2016年10月から課金サービスも開始した。

なお買収した2社とも代表は引き続き会社に残り、サービスの成長を支えていくとしている。

 

 

利用者は18歳未満が7割――音楽コラボアプリ「nana」がユーザー参加型動画などリアル施策を強化

先週開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2014」では、「10代がハマるサービス」をテーマにしたセッションがあった。そのセッションに登壇してくれたモイ、uuum、葵といったスタートアップのほかにも、10代の“濃い”コミュニティが形成されているサービスは存在する。

そんなサービスの1つが、nana musicの提供する音楽コミュニティアプリ「nana」だ。同社は11月26日よりユーザー参加型の音楽番組「nanaキャス」の配信を開始した。

nanaはユーザーがスマホで録音した音声や演奏に、他のユーザーが更に音声や演奏を重ねて音楽コラボレーションを実現するスマートフォンアプリだ。例えば1人のユーザーがある楽曲のギター演奏を録音してアップすれば、それを聞いた他のユーザーがピアノ、ドラムといった演奏や、歌声と重ねてコラボレーションした音楽をアップロードしていくことができる。

ユーザーの7割が18歳以下

2012年11月にサービスを正式リリースしたが、現在の累計ダウンロード数は60万件以上。これまでの累計楽曲投稿数は300万曲、現在では毎日1万曲以上の楽曲が投稿されているという。年齢別にユーザーの割合を見ると18歳以下が約70%で、1人あたりの月間平均滞在時間は5時間、しかも上位5%のユーザーに限定すると64時間という数字になるのだそうだ。

MAUなどは公開されていないため、実際の規模についてはなんとも言えないところがあるが(歌や演奏ということで投稿のハードルも高そうだし)、10代を中心とした密なコミュニティが形成されていることは間違いない。nana music代表取締役社長の文原明臣氏いわく、「(アニメやゲームソング、ボーカロイド楽曲などのカバーを指す)『歌ってみた』をやりたくても、実はPCを持っていないという10代は少なくない。そんな人たちでもスマートフォンがあれば投稿できることもあって利用されているようだ」とのこと。

サービス内でのコミュニケーションも活発で、1つの投稿に対して200件以上のコメントが付くような投稿者もいるという。

ちなみにユーザーの海外比率も決して小さくない。日本のユーザーは全体の65%となっており、米国、タイがそれぞれ全体の6%、さらにベトナムやロシア、トルコなどにユーザーがいる。世界各国、数十人でコラボレーションした「We are the world」なども投稿されている。

番組配信たリアルイベントでユーザーの目標を作る

nanaキャスではそんなnanaのユーザーが登場し、カバー曲の演奏や、オリジナル楽曲の製作といったコラボレーションをリアルな場で行う。配信は月1〜2回、モイの「ツイキャス」、YouTubeの「YouTube Live」で視聴できる。11月26日に第0回となる試験配信を実施。第1回の配信は12月21日午後5時からを予定している。

また、これまで2回開催したオフラインミーティング「nanaフェス」を2015年夏に開催する。第1回は100人、第2回は200人規模での開催となったが、第3回は2000人規模のイベントを目指すそうだ(すでに会場も決まっているらしい)。さらに2016年夏には武道館を貸し切り、1万人規模のイベントを開催したいと語る。

なぜnanaはリアルイベントにこだわるのか? 文原氏はこのサービスで「音楽仲間に出会えて居心地いいコミュニティ」を実現したいとする一方、現状はユーザーのゴール、目標となるステージが存在していないと考えているそうだ。そこで、ユーザー同士がリアルな場所でセッションできる――しかもほかのユーザーも見る番組や、武道館のような大きな舞台で――という「目標」を作ってあげたいのだと説明する。

冒頭にあったTechCrunch Tokyoのセッションに登壇してくれたモイのツイキャス、uuumがマネジメントするYouTuberなどはすでにネットサービスの枠を超えて活躍する人々を排出しているが(もっと遡るとニコニコ動画からだってそうだ)、nanaからもネット発のアーティストが生まれるのかもしれない。

マネタイズは2015年以降に

このサービスが10代を中心にした濃いコミュニティを作っているという話は分かったのだけれど、気になるのはマネタイズだ。nanaはこれまで企業とのコラボレーション企画なども実施しているが、文原氏は黒字化を達成していないと説明する。今後同社ではプレミアム会員向けの課金、ギフトサービス、タイアップ広告を展開するという。

まずスマホアプリを12月4日にリニューアルする予定だが、ここにプレミアム会員向けの機能を導入する。これと並行してタイアップ広告を2015年から展開するという。例えば音楽アーティストの公式提供楽曲を使ってのコンテストなどを行うといったことを検討しているそうだ。ギフトサービスについては詳細や提供時期は明らかにされなかった。