モンタナ州の知事が行政命令でネット中立性規則をISPたちに強制へ

インターネットの中立性を廃するという、FCCのめちゃくちゃ不人気な決定に対し、行政も企業もそして個人も、このオバマ時代の規制を維持すべく、さまざまな努力をしている。その中で、モンタナ州のSteve Bullock知事は、地方行政の官僚主義をぶち破ってISP(インターネット・サービス・プロバイダー)たちに、それまでのネット中立性規則を守るよう強制している。

二期目の民主党知事であるBullockはThe New York Timesに、今日(米国時間1/22)署名する行政命令により、州との契約のあるいかなるISPも、既存のWebサイトへのアクセスをブロックしたり、追加料金を徴収することを禁じられる。知事はインタビューでこう述べている: “モンタナ州とビジネスをしたいならば、ネットの中立性に関する規格に従わなければならない”。

この新しい規則は今年の7月1日以降に新たに契約、または再契約される契約に適用される。対象となるISPには、一部の大手も含まれている。すなわちAT&T, Charter, CenturyLink, そしてVerizonは、現在すべて州と契約している。

現在行われている反対運動は、22の州の司法長官が提訴した訴訟をはじめ、時間のかかるものが多い。しかし州の行政命令は、知事が署名しただけで発効する。同じ週には、Mozillaが同様の訴訟を起し、また49名の民主党議員らが、規則再興の方法を提案している。

しかし、実効が早いと思われるBullockの行政命令も、お金持ちのISPたちが反対訴訟をするなど、前途は険しいだろう。でも最終的にモンタナでうまくいけば、ほかの州がその成功に見習うことはありえるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

22の州の司法長官がネット中立性の廃棄を阻止するための訴訟を提訴

22の州の司法長官が今日(米国時間1/16)提訴した訴訟が、オバマ時代のネット中立性規則を廃棄する連邦通信委員会(Federal Communications Commission, FCC)の、異論の多い票決を阻止しようとしている。

提訴を呼びかけたのはニューヨーク州のSchneiderman司法長官で、彼はネット中立性規則の撤回を、“ニューヨーク州の消費者と企業、および、自由でオープンなインターネットを重視する者全員にとって大惨事”、と呼んだ。

ワシントンの連邦控訴裁に提出された訴状は、カリフォルニア、コネチカット、デラウェア、ハワイ、イリノイ、アイオワ、ケンタッキー、メイン、メリーランド、マサチューセッツ、ミネソタ、ミシシッピ、ニューメキシコ、ノースカロライナ、オレゴン、ペンシルベニア、ロードアイランド、バーモント、バージニア、ワシントン、ワシントンDC、以上各州の司法長官が共同署名している。

付属の声明文でSchneidermanはこう付言している: オープンなインターネットとそれがもたらす自由な意見交換は、われわれの民主的過程にとって決定的に重要である。ネット中立性規則の廃止はインターネットサービスプロバイダー(ISP)を門番に変え、消費者よりも利益を優先することを彼らに許し、彼らはわれわれがオンラインで見たり、したり、言ったりすることをコントロールできるようになる”。

FCCの票決を覆(くつがえ)そうとする大規模な共同的取り組みは、これが初めてではない。今、民主党49名と共和党1名の上院議員が、FCCが票決した、「インターネットの自由の復活(Restoring Internet Freedom)」という、いかがわしい名前のついた規則の不承認に向けて協調している。

またD.C.の非営利団体Public Knowledgeは今日D.C.の控訴裁に、ネット中立性規則の撤回の合法性を審査するよう、保護陳情書を提出した。

FCCの票決の直後には、社会活動団体Free Pressが、FCCを起訴する計画を発表した。同団体は、“現FCC委員長Paiの論拠にはいくつかの点で深刻な欠陥がある”、としている。

アップデート: 今週はMozillaも連邦裁に陳情書を提出した。Firefoxのメーカーはそのブログ記事で、“FCCの決定は登記から10日後に発効するとなっているが、それはまだ起きていない。しかしながら、国レベルの法はさらに曖昧である。この問題の重要性に鑑(かんが)み、法定の期日はすでに過ぎているにもかかわらず、まだ訴えが有効であると法廷が判断することもありえると考え、ここにあえて陳情書を提出するものである”、と述べている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ニューヨーク州司法長官、FCCのネット中立性決議に複数州での反対訴訟を表明

ニューヨーク州司法長官でFCCのネット中立化法廃止に先陣を切って反対しているエリック・シュナイダーマンは、物議をかもしている同委員会の決議に対し、最初の法的対抗策のひとつを前進させた。

シュナイダーマンはFCCの投票前のパブリックコメント手続きに対する自身の捜査結果を踏まえ、「FCCによるネット中立化の違法な撤回を阻止」するべく、検察当局として訴訟を起こす意思を表明した。TechCrunchの質問に対しシュナイダーマンは、本訴訟を「数日のうちに」複数の州に広げるつもりだと答えた。

「われわれはニューヨークならびに全米市民の保護を維持するために異議を申し立てる。そしてインターネットやわれわれの経済に損害を与えようとするFCCの動きを積極的に阻止するために行動を起こす」とシュナイダーマンはプレスリリースで語った。

「今日決議された新しい規則は、ISPに多く支払ったユーザーだけが、FacebookやTwitterなどをアクセスし高品質のビデオストリーミングを利用できるようにすることを可能にする。さらに悪いことに、今日の投票によってISPは特定の地域を優遇することも可能になる」

ニューヨーク以外にどの州が訴訟に加わるかはまだわからないが、パブリックコメントの手続き中に発覚した偽コメントを理由に投票の延期を求めた書簡に署名した州は同調することが予想される。その書簡には18人の検事総長が、バージニア、デラウェア、ハワイ、カリフォルニア、ケンタッキー、マサチューセッツ、アイオワ、メリーランド、メイン、ミシシッピー、オレゴン、ペンシルバニア、ノースカロライナ、ロードアイランド、ワシントン、バーモント、およびワシントンDCから参加した。

シュナイダーマンはTechCrunhに、近く他州の検事総長からも本訴訟に加わる意思を示す声明が発表されるだろうと語った。本誌は動きがわかり次第続報する予定。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook