〔この記事の執筆者はMatthew Panzarino〕
Instagramがブランド・ガイドラインを改訂し、関連アプリ名にInstaないしGram;を使うことを禁止した。それらの単語を含む既存のアプリに対しては「合理的な期間内に改名する」よう要求するメールが送られている。
このメールはこの他、Instagram Brand Guidelinesの改訂部分として、ロゴやInstagramというフル名称を使うことにも制限を設けている。たとえば、 Luxogramの開発チームに送られたメールには以下のようにある(強調は編集部)。
Instagramで写真を共有することを助けるアプリの開発に興味をもっていただき感謝しています。デベロッパーにすばらしいアプリを作ってもらいたいと願う一方で、ユーザーがInstagramとなんらかの公式の関係にかのように誤解するような名称をサードパーティーのアプリに使用することをわれわれは許可できません。
Instagramにとって広く知られたわれわれの商標を保護することが重要なのは理解していだけるでしょう。従来からわれわれは“Instagram”と紛らわしい名称の使用やルック&フィールのコピーは禁止しています。われわれは新しいガイドラインでこの点をさらに明確化し、“INSTA”および“GRAM”をInstagramと連動して作動するアプリの名称に用いることはInstagramブランドの保護に有害であると判断しています。約款によって許可された場合を除きデベロッパーはInstagramに紛らわしい商標を利用することはできないので、独自の名称を採用してください。
もちろんこれまでもInstagramという名称は商標として、またAPIガイドラインによって保護されてきたが、InstaとGramについては特に規定はなかった。それどころか、その使用はAPIドキュメント中でむしろ奨励されていた。つまりInstaまたはGramを使うことはできるが、同時に両方を使ってはならないとされていた。
Instagram(あるいは結局Facebook)はAPIを利用しないアプリについてはこの新しい制限を強制することはできない。しかしAPIを使おうとする限りデベロッパーはこの制限に服すしかないわけだ。われわれはこの件でFacebookにコメントを求めている。
この禁止によって影響を受けるアプリは、Statigram、Luxogram、Webstagram、Gramfeed、Instadrop、Instagallery始め多数に上る。StatigramはInstagram自体では分からないようなユーザーのアカウントの統計を提供してくれる非常に便利なアプリだ。
しかもこれらはニッチなアプリではない。Luxogramの月間ユーザーは100万人に上る。Statigramも有望なビジネスだった。Luxogramのデベロッパーは「Instagramの要求をすべて受け入れれば事業の継続は不可能だ。おそらくサイトを閉鎖することになるだろう」と述べた。他のアプリも事情は似ている。
Facebookがブランドを保護することを責めるわけにはいかないのだろう。しかし明らかにInstagramの態度は関連アプリを歓迎した初期の頃とはまったく違ったものになっている。いまやInstagramは成長に他人の助けを必要としない。 すこしでも紛らわしい印象を与えるアプリは断固として取り締まるという方針に転じたようだ。
Twitterの態度の変化を思い出させないでもない。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)