The Sandboxがイーサリアム基盤のデジタル不動産オークションによりユニセフ暗号資産ファンドに寄付

The Sandboxがイーサリアム基盤のデジタル不動産オークションによりユニセフ暗号資産ファンドに寄付

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2020年12月13日~12月19日の情報から。

中国・香港拠点のゲーム開発会社「Animoca Brands」(アニモカブランド)は12月18日、ブロックチェーンゲームプラットフォーム「The Sandbox」において、NFT(Non Fungible Token。ノン ファンジブル トークン)にあたるデジタル不動産を販売するチャリティーオークションを開催した

収益は、UNICEF(ユニセフ。国連児童基金)暗号資産ファンド(UNICEF CryptoFund)に寄付され、UNICEF Innovation Fundを介し子どもや若者に影響する可能性があるオープンソース技術・デジタル公共財への資金提供に使用される。

チャリティーオークションは、12月18日午後10時(日本時間)より3日間開催。The SandboxのユーティリティトークンSANDのみの入札に限定されており、最終的に70万SAND相当のデジタル不動産が落札された。落札時点のSAND相場価格で換算すると、落札価格は約3万2373米ドル(334万円相当)になる。

The Sandboxは、ブロックチェーン基盤のメタバース(仮想空間)にあたる、コミュニティ主導型ゲームおよびゲーム作成プラットフォーム。すでに過去に仮想空間内のLANDを販売する複数回のプリセールが行われており、The SandboxのLANDは人気のNFTとなっている。今回のチャリティーオークションでは、Animoca BrandsがNFTマーケットプレイス「OpenSea」(オープンシー)と提携し、12×12(144個)のLANDで構成されたエステート(土地)と呼ばれる区域を出品した。土地はThe Sandboxの中心にあたる人気かつ需要の高いロケーションが出品された。

オープンソース技術とデジタル公共財の開発を支援する、UNICEFの暗号資産ファンドおよびイノベーションファンド

今回のチャリティーオークションの収益はすべて、UNICEFの暗号資産ファンドに寄付され、UNICEF Innovation Fundを介して世界中の子どもや若者に影響する可能性があるオープンソース技術やデジタル公共財への資金提供に使用されるという。

UNICEFは暗号資産ファンドを2019年に設立。この2020年6月などにも新興国のテクノロジー企業に法定通貨と暗号資産による投資を実施しているものの、ブロックチェーン技術を基盤としたNFTを慈善事業に活用するのは今回が初の試みという。

UNICEF フランスのエグゼクティブディレクターSebastien Lyon氏は「UNICEFは暗号資産ファンドを持つ最初の国連機関であり、最先端の技術を活用し、慈善事業に役立てています。Animoca Brandsのようなパートナーと、世界中の子どもたちの生活を向上させる手段として、オープンソースで革新的なソリューションを生み出す暗号資産を利用できることを誇りに思っています」と語っている。

The Sandboxとデジタル不動産「LAND」

The SandboxのユーティリティトークンSANDは、Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーン上で発行されたERC-20準拠トークンで、メタバースにて利用できる主要トークンとなる。暗号資産取引所BinanceのIEOプラットフォームBinance Launchpadを通じ、300万ドル(約3億1700万円)相当のSANDが販売され、すでに上場も果たしている。

これらによりThe Sandboxユーザー(コンテンツ制作者)は、アセットを使用しゲームを作ったり、他人の作ったゲームをプレイしたりできる(ゲーム体験)。また、所有する土地(LAND)やキャラクター、アイテムなどデジタルアセットについても、NFTとしてマーケットプレイスにて売買可能(収益化可能)となっている。

LANDは、Ethereum上で発行されたNFT(ERC-721)。The Sandboxにおけるデジタル不動産であり、プレイヤーはその上にエクスペリエンス(デジタルアセット)を構築するために購入できる。発行上限が16万6464LANDと決まっており、すでに多くのLANDがプレセールによって販売済みになっている。

より早くプレセールに参加してLAND所有権を得たユーザーは、The Sandbox内の限られたLANDの中でも人気のロケーションを確保可能。LAND所有者は、The Sandboxでゲームプレイに参加できるほか、自分のLANDにおいて他のプレイヤーに対して独自のゲーム体験を提供できる主催者になれる。さらに、LANDの一部を他のプレイヤーにレンタルをしてSANDを稼ぐことも可能という。

また、メタバースガバナンスに参加できるといった様々な権利を得られるほか、それら権利をNFTマーケットプレイスなどで売買できる。

プレシーズン0のリリース予定を変更、具体的な開始日を2021年1月に発表予定

なお、The Sandboxは現在開発中で年内にローンチ予定だったが、公式ブログにおいてプレシーズン0のリリースを2021年の初めに行うと、予定を変更した。具体的な開始日は、2021年1月に発表するという。

現在、The Sandboxはプラットフォームの一部として3Dボクセル(ブロック)アセットを作成できる「VoxEdit BETA」と、VoxEditで作成されたゲーム内アセットを取引できる分散型マーケットプレイスを公開。メタバース内で3Dゲームを作成できるビジュアルスクリプトツールボックスGame Makerのアルファ版も提供している。

プレシーズン0へのアクセスは、LAND所有者のみの限定公開となる。開始タイミングは事前登録をすることでメール通知を受けることができ、事前登録をしたLAND所有者に対して、順次アクセスを可能にしていくという。

プレシーズン0では15日間のイベントが開催され、プレイヤーは$SAND賞品のほか、NFTを含むその他の限定賞品を獲得できる。

また、ソーシャルハブ、派閥レベル、ギャラリーやGame Makerファンドで制作された「UGCゲーム」40以上が公開され、プラットフォーム制作、戦闘、謎解き、調査、探検、タイムアタック、収集など、ゲーム性を持った体験もプレイ可能という。

関連記事
不動産投資クラウドファンディング「大家.com」がSTOスキーム導入、運用期間中でも出資持分を譲渡可能
アップル共同創業者ウォズニアック氏がエネルギー効率化投資を支援するブロックチェーン基盤サービス開始
シンガポール政府が9.3億円でコロナ禍でさらに重要度が増したブロックチェーン研究プログラム開始
北海道小樽でStellar基盤の「TAL」トークンエコノミー始動、市への貢献度をトークンで見える化
中国のオープンソースソフトウェアに投資家が殺到しZillizが約45億円を調達
エンタメ領域のデジタル化を推進するブロックチェーン企業Gaudiyが3億円を調達
暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.10.25~10.31)
中国が国内用のGitHubとして代替サービス「Gitee」を構築中
フォートナイトの急成長、テックジャイアントが注目する「メタバース」とはなにか

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Animoca BrandsNFT(Non Fungible Token)オープンソース / Open Source(用語)The Sandboxブロックチェーン(用語)メタバースUNICEFUNICEF Innovation FundUNICEF CryptoFund中国(国・地域)

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.10.25~10.31)

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.10.25~10.31)

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、重要かつこれはという話題をピックアップし、最新情報としてまとめて1週間分を共有していく。今回は2020年10月25日~10月31日の情報をまとめた。

トヨタシステムズとディーカレット、デジタル通貨による福利厚生に関する実証実験をトヨタシステムズ社内で実施

トヨタグループのITソリューション企業「トヨタシステムズ」と、暗号資産取引所「DeCurret」運営のディーカレットは10月26日、デジタル通貨に関する実証実験を共同で開始したことを発表した

今回の取り組みは、トヨタシステムズ全社員2500名が参加する大規模なもの。ディーカレットが構築する「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を活用し、同実証実験用の独自デジタル通貨を発行。トヨタシステムズは、同社社員向けの福利厚生における決済処理や自動化にこのデジタル通貨を利用する。実験では、決済業務の効率化・迅速化におけるデジタル通貨、ブロックチェーンによる決済やそのデータの記録・管理、スマートコントラクトの基本機能による自動実行などの技術検証を行う。

トヨタシステムズは、トヨタ自動車とそのグループを支援するするITソリューションおよびシステム開発の中核企業として、企画・提案から開発・運用まで一貫したトータルサービスを提供。今回は、新たにブロックチェーンやデジタル通貨を活用したソリューション研究のために、技術的な実証実験をディーカレットと共同で実施することにしたという。トヨタシステムズとディーカレット、デジタル通貨による福利厚生に関する実証実験をトヨタシステムズ社内で実施具体的には、同社社員に対して、実証実験専用カタログギフトや福利厚生ポイントへの交換に利用できるデジタル通貨を福利厚生として付与。この交換には、全社員に用意した専用ウォレットから商品・ポイントのウォレットに対して、取引額に応じたデジタル通貨が即座に送付される仕組み・スマートコントラクトを採用しており、その検証とともに有効性を確認する。ブロックチェーンにおけるスケーラビリティの課題や、大規模な実験参加者による業務運用性課題などを検証していく。

実証実験に利用されるデジタル通貨の有効期間は6ヵ月以内。また、実証実験ではデジタル通貨と日本円との交換は行えない。

デジタル通貨発行プラットフォームを提供するディーカレットは、暗号資産取引所の開業を目標に、2018年1月設立。2019年3月に金融庁の認定を受け、4月に暗号資産交換業者として開業した。同社は暗号資産取引所の運営にとどまらず、新しい時代の金融プラットフォームサービスを目指している。

デジタル通貨発行プラットフォームについては、2020年2月よりKDDI、auフィナンシャルホールディングス、ウェブマネー、ディーカレットの4社で、ブロックチェーン上に発行したデジタル通貨の処理を自動化する共同検証の実施を開始している。デジタル通貨の発行から、流通、償却になど業務プロセスの一部と決済処理をスマートコントラクトにより自動化し、検証・実証実験を続けてきた。これらの共同検証は、ディーカレットの「デジタル通貨ビジネスの推進および新たな顧客体験価値の創出」に関する取り組みの一環となる。

カンボジア国立銀行がソラミツと共同開発の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を正式運用開始

カンボジア国立銀行(NBC)ソラミツは、2019年7月よりカンボジア全土でパイロット運用を行ってきた中央銀行デジタル通貨(CBDC)「バコン」の正式運用を発表した。10月28日より、カンボジアのリテール決済および銀行間決済の基幹システムとして運用を開始済み。カンボジア国立銀行がソラミツと共同開発の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を正式運用開始バコンは、カンボジアの法定通貨リエルをトークン化したデジタルリエル(KHR)または米ドル(USD)を使用し、即時および最終的な取引を可能にするCBDC決済システム。NBCが、ソラミツのブロックチェーン技術「Hyperledger Iroha」(ハイパーレジャーいろは)を採用し、ソラミツと共同開発したもの。

テスト運用では、カンボジア最大の商業銀行アクレダを含む9行と決済事業者を接続し、日間数千人程度のユーザー送金や決済を処理してきた。その後、従来の決済システムと連携し、シームレスかつ安全に機能している。2020年第3四半期の時点では、カンボジア全土の18の金融機関がすでにバコンを採用している。

カンボジア国民にとってバコンは、送金手数料不要かつ安全でより速く支払いを行えるデジタル通貨となる。カンボジア国内の電話番号を持ち、スマートフォンアプリを使用できれば、デジタルリエルまたは米ドルのウォレットを保有することで、電話番号の指定またはEMVCo互換QRコードをスキャンし、個人間や法人間での送金や店頭などでの支払いが行える。

ちなみにEMVCoとは、American Express、Discover、JCB、MasterCard、銀聯(UnionPay)、Visaによるカード決済の安全と普及促進を推進する団体で、新しいグローバルなQRコード決済仕様などを定めている。

NBCは、古代クメール帝国の州立寺院「バコン寺院」にちなみ命名したプロジェクトバコンを2016年に発足、CBDCの検討を進めてきた。その目的は、デジタル決済システムによる金融機関の効率改善、負担軽減、自国通貨リエルの使用促進という。

そして何よりも重要なのは、自国内の金融サービスの行き届いていない国民の金融包摂を強化する可能性を探るためだったという。日本のように、国民のほとんどが銀行口座を持つ国はまれであり、そうした国々では銀行口座を必要としない金融システムが必要とされている。

システムの概要

バコンは、NBC運営のバコン・コア、金融機関に割り当てた決済ゲートウェイ、金融機関が個人・企業などに割り当てたウォレットで構成される。金融機関はデスクトップアプリを経由してバコン・コアにアクセスし、個人・企業はiOSアプリまたはAndroidアプリを介してウォレットにアクセスする。カンボジア国立銀行がソラミツと共同開発の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を正式運用開始

バコン・コアは、許可型のコンソーシアム・ブロックチェーンであるソラミツのブロックチェーン技術Hyperledger Irohaを利用しており、複数のノードに格納されている改ざん不可能な時系列チェーンにすべてのトランザクションを記録する。バコン・コアはNBCが管理するノード上の分散台帳に記録されるとともに、同一の分散台帳が特定金融機関と共有され、冗長性と強靭性が保証される。

Hyperledger Irohaは、一部のノードに障害がある場合や信頼できないノードがある場合でも、元帳の安全性を保証する独自のコンセンサスアルゴリズム「YACコンセンサス」を備え、分散台帳全体のトランザクションを検証し、不正のリスク、二重支払いの問題、およびカウンターパーティのリスクを排除する。カンボジア国立銀行がソラミツと共同開発の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を正式運用開始

マクロ経済の観点から、現在のバコンは中立という。デジタルリエルは現金に取って代わるものではなく、利子もない。デジタルリエル・ウォレットは従来の銀行口座に裏打ちされているため、取り付け騒ぎと流動性リスクは抑えられるという。

また、金融機関は従来の金融システムと同様、デューデリジェンス(Due Diligence)を実施し、本人確認(KYC)規制を遵守する。バコンは多要素認証の本人確認システムをサポートしている。基本はスマホのSMS検証を使用して少額決済が可能なバコン口座を開設できるが、高額決済可能なバコン口座の開設には、政府IDを登録し厳格な本人確認を行う必要がある。

ソラミツの「Hyperledger Iroha」

ソラミツは、オープンソースの許可型ブロックチェーンプラットフォームであるHyperledger Irohaのオリジナル開発者であり、中心的開発貢献者。企業や金融機関のデジタル資産管理の支援を目的としたHyperledger Irohaは現在、Linux Foundation運営のクロスインダストリー(異業種連携)共同開発プロジェクト「Hyperledger」の一部となっている。またこのHyperledgerプロジェクトにおいて、Hyperledger Fabricなどに続いてバージョン1.0リリースに到達した4番目のブロックチェーンプロジェクトとなっている。

Hyperledger IrohaはC++で記述されており、高いパフォーマンスと信頼性が必要なユースケースや組み込みシステムに最適とされる。

ソラミツは、Hyperledger Irohaを使用し、デジタル資産、ID、契約を管理するためのモバイルアプリケーションなど、ユーザー向けのサービスを作成している。Hyperledger Irohaを活用することで、より安全で効率的な社会の構築に貢献していくという。Hyperledger Irohaのオリジナル開発者・主要な貢献者として、今後もHyperledger Irohaの技術およびビジネスサポートについても提供していく。

ブロックチェーンゲームプラットフォーム「The Sandbox」がゲームを作成できるツールの完成を発表

中国・香港拠点のゲーム開発会社「Animoca Brands」(アニモカブランド)の子会社TSB Gamingは10月31日、ブロックチェーンゲームプラットフォーム「The Sandbox」でゲームを作成できるツール「Game Maker」の完成を同社ブログにおいて発表した

ブロックチェーンゲームプラットフォーム「The Sandbox」がゲームを作成できるツールの完成を発表The Sandboxは、ブロックチェーンベースの仮想空間(メタバース)にあたる、コミュニティ主導型ゲームおよびゲーム作成プラットフォーム。現在開発中で、2020年後半にローンチ予定だ。TSB Gamingは、その一部として3Dボクセル(ブロック)アセットを作成できる「VoxEdit BETA」と、VoxEditで作成されたゲーム内アセットを取引できる分散型マーケットプレイスを公開しているほか、メタバース内で3Dゲームを作成できるビジュアルスクリプトツールボックスGame Makerのアルファ版を公開していた。

また、The Sandboxは、ユーティリティトークンSANDを利用可能。SANDは、暗号資産Ethereum上で発行されたERC-20準拠トークンで、メタバースにて利用できる主要トークンとなる。暗号資産取引所BinanceのIEOプラットフォームBinance Launchpadを通じ、300万ドル(約3億1700万円)相当のSANDが販売され、すでに上場も果たしている。

これらによりThe Sandboxユーザー(コンテンツ制作者)は、アセットを使用しゲームを作ったり、他人の作ったゲームをプレイしたりできる(ゲーム体験)。また、所有する土地(LAND)やキャラクター、アイテムなどデジタルアセットについても、NFT(Non Fungible Token。ノン ファンジブル トークン)としてマーケットプレイスにて売買可能(収益化可能)となっている。

ブロックチェーンゲームプラットフォーム「The Sandbox」がゲームを作成できるツールの完成を発表Game Makerは、無料で3Dゲーム体験を作ることができるツールという位置付けだ。

Game Makerでは、初めてゲームを作る際にイチからすべて作ることも可能だが、テンプレートとして用意されているアセット組み込み済みLANDも利用できる。ゲーム体験の規模に合わせて、LANDのサイズや湖、砂漠、低地、草原、南極、ジャングルといったテーマの選択が可能だ。

また、ゲームとして重要な要素となるルールや出現するアセットとその希少性、勝利条件など、細かい設定も行える。ゲームには欠かせないNPC(ノンプレイヤーキャラクター)も設定できる。NPCは、味方や単なる住民・農家などゲームに応じたキャラクターを用意できるほか、NPCを利用したクエストの作成や、NPCに設定するセリフによる質問なども可能であり、作り込めば作り込むほど本格的なゲームを制作できるという。NPCは必ずしも友好的なキャラクターとは限らず、敵対するNPCの設置も行える。

ゲームの主人公となる自分のアバターについても、強いあるいは弱いアバター、動きが速いもの、ジャンプ力のあるものなど、様々なパラメターを設定可能。その他にも、ゲームに必要なアイテム集めなど、あらゆる要素が用意されているので、詳しくはブログをチェックしていただきたい。

The Sandboxは、Game Maker以外にも、The Sandbox内で使用できるアセットとして有名キャラクターとの提携についても発表を行っている。10月29日には、世界的に有名なキャラクターである「The Smurfs」(スマーフ)との契約の締結を発表したばかりだ。

ブロックチェーンゲームプラットフォーム「The Sandbox」がゲームを作成できるツールの完成を発表ユーザーはThe Sandbox内のスマーフのLANDにてゲームをプレイできるほか、スマーフをテーマにしたアセットを購入し、独自にゲームが作れるようになるなど、新たなゲームの世界が登場する予定。

The Sandboxは、いずれもSANDトークンを中心にした新しいゲーム体の世界が構築できる、これまでにはないプラットフォームになることは間違いなさそうだ。

関連記事
暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.10.18~10.24)
暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.10.11~10.17)

カテゴリー: ブロックチェーン
タグ: オープンソース / Open Source(用語)The Sandboxソラミツ中央銀行デジタル通貨TSB GamingディーカレットトヨタシステムズHyperledgerHyperledger IrohaメタバースLinux Foundation

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.8.2~8.8)

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、重要かつこれはという話題をピックアップし、最新情報としてまとめて1週間分を共有していく。今回は2020年8月2日~8月8日の情報をまとめた。

ブロックチェーンゲーム「The Sandbox」がBinanceで約3億1700万円相当のSANDトークン販売

中国・香港を拠点とするゲーム開発会社Animoca Brands(アニモカブランド)は8月5日、暗号資産取引所Binanceが提供するIEOプラットフォームBinance Launchpadを通じ、ブロックチェーンゲーム「The Sandbox」のSANDユーティリティトークン300万ドル(約3億1700万円)相当の販売を発表した

ブロックチェーンゲーム「The Sandbox」がBinanceで約3億1700万円相当のSANDトークン販売

The Sandboxは、Animoca Brandsの子会社TSB Gamingが開発するブロックチェーンベースの仮想空間(メタバース)で、コミュニティ主導型ゲームおよびゲーム作成プラットフォーム。いわばブロックチェーン版のマインクラフトといったところ。SANDは、暗号資産Ethereum上で発行されたERC-20準拠トークンで、メタバースにて利用できる主要トークンとなる。The Sandboxにおいてコンテンツ制作者は、ゲームのアセットやゲーム体験を収益化することが可能になる。

SANDトークンセールは、Binance Launchpadにて8月13日より開始、SANDの総供給量の12%にあたる3億6000万SANDトークンが販売される予定。

The Sandboxゲームシリーズは、2012年に携帯電話向けに開発されたゲームプラットフォームで、その後、Windows版などが登場した人気のシリーズ。ブロックチェーンベースのThe Sandboxは2020年後半にローンチ予定で、現在開発中。一部、3Dボクセル(ブロック)アセットを作成できる「VoxEdit BETA」と、VoxEditで作成されたゲーム内アセットを取引するための分散型マーケットプレイス、無料で3Dゲームを作成できるビジュアルスクリプトツールボックス「Game Maker」のアルファ版が公開されている。

ユーザーは、アセットを使用しゲームを作ったり、他人の作ったゲームをプレイしたりできる。また、所有する土地(LAND)やキャラクター、アイテムなどデジタルアセットについても、NFT(Non Fungible Token。ノン ファンジブル トークン)としてマーケットプレイスで売買可能。アセットは、その希少性に応じてERC-721またはERC-1155規格のNFTになるという。

The Sandboxは、すでに仮想空間内の土地(LAND)を販売する4回のプリセールを行い、1万以上のLANDを売却し、数千ETHを超える資金を調達、売り出されたLANDおよびアセットはすべて完売している。

TSB Gamingは、ゲーム業界からも注目されている。2019年7月から9月の期間、SANDユーティリティトークンの発行およびSAFE債(将来株式取得略式契約スキーム)による資金調達を実施。スクウェア・エニックス、True Global Ventures、B Cryptosら複数の投資家を引受先として、現金83%、BitcoinおよびTetherの暗号資産17%からなる総額201万ドル(約2億1200万円)の出資を受けたことを発表している

さらにAnimoca Brandsは8月4日、以前よりパートナーシップ契約を結ぶビデオゲーム界の老舗メーカーAtari(アタリ)との契約を拡大し、70年代から80年代の名作ゲーム「Pong」「Asteroids」「Centipede」「MissileCommand」など全15種類のタイトルについて、ブロックチェーンやNFTなどを含む開発および流通(公開)の権利を取得したことを発表している

中国国営商業銀行がデジタル通貨ウォレットアプリの大規模テストを開始

ロイターおよび中国広東省下の国営経済情報紙21st Century Business Herald(21世紀経済報道)によると、中国の主要な国営商業銀行が、デジタル通貨(数字貨幣)ウォレットアプリの大規模内部テストの実施しているという。

21世紀経済報道は、「深センを含む都市の州の銀行の従業員が送金と支払いを行うためにアプリの内部テストを開始した」という情報筋による証言を引用している。

中国国営商業銀行がデジタル通貨ウォレットアプリの大規模テストを開始

中国政府が人民元の中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行に積極的な態度を示していることは知られている通りだ。21世紀経済報道によると、この動きは中国人民銀行(PBOC) デジタル通貨研究所が2020年4月中旬に公開した情報に沿ったものという。現在インターネット上で流通している、デジタル通貨電子決済(DC/EP)の情報は技術開発に関するクローズドテスト情報で、デジタル人民元が正式に公開されるわけではないと強調している。

また中国人民銀行 デジタル通貨研究所は、同じく4月の発表で、深セン、蘇州、雄安新区、成都の4都市でDC/EPシステムの内部閉鎖試験を実施しており、将来の北京冬季オリンピック会場でシステムを試験運用すると明らかにしたことも報じられている。

中国人民銀行は、2019年8月に開いた2019年後半の業務を確認するテレビ会議で、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の開発および暗号資産発展の研究を重要なタスクであることを明示している。CBDCの分野では、中国は先駆け的な存在になっている。中国は2017年に中国人民銀行デジタル通貨研究所を設立し、2018年6月には同研究所の100%子会社として深セン金融科技を設立するなど、積極的な活動を行っている。すでに、中央銀行デジタル通貨研究所は、CBDCに関する多くの特許を申請している。

ディーカレットと関西電力がブロックチェーンによる電力P2P取引決済自動化の有効性を確認

暗号資産取引所DeCurretを運営するディーカレットは8月5日、2020年3月より関西電力と実施していたデジタル通貨に関する実証実験について、その有効性が実証されたことを報告した

ディーカレットは両社の実証実験において、自社が開発するブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォームを活用し、関西電力向けに実験用の独自デジタル通貨を発行し、電力P2P取引における決済処理の自動化について有効性を確認することができたという。

ディーカレットと関西電力がブロックチェーンによる電力P2P取引決済自動化の有効性を確認

現在、電力業界における電力供給システムは、大規模集約型から個人や企業が電源を保有する分散型への移行期間にあるという。将来、分散型の電力供給システムにおいては、自身で発電した電気の余剰分を売電する生産消費者(プロシューマーという)と電力消費者は、専用プラットフォームを介し、電力が直接取引(P2P取引)される可能性があると見られている。

電力会社は、電力のP2P取引来歴を明確にするのは今後必須であり、取引来歴には耐改ざん性に優れ、透明性の高いブロックチェーン技術の活用が期待される状況であるという。来歴管理のブロックチェーン活用は、すでに国内外で多く実施されており、ディーカレットはデジタル通貨を用いて、プロシューマーと電力消費者のP2P取引と同時に発生する決済処理の自動化について実証実験を実施した。

実証実験では、プロシューマーと電力消費者の間で電力取引が行われると、スマートコントラクトがそれを記録し、取引量に応じた料金が電力消費者のウォレットからプロシューマーのウォレットへ送付されることを確認する。同時に取引手数料がプロシューマーウォレットからプラットフォーマーウォレットへデジタル通貨で送付される仕組みについて検証を行ったところ、その有効性が確認できたという。

実証実験に用いられたディーカレットのデジタル通貨プラットフォームは、利用企業が自身のブランドでデジタル通貨を発行できる機能を備えている。プラットフォームは、スマートコントラクトを利用した処理の実装も可能で、今回はP2Pによる電力取引まつわる一連のプロセスを実装した。

ディーカレットは同プラットフォームを活用し、商品やサービスの価格を需要と供給のバランスに合わせて変動させる価格戦略(ダイナミックプライシング)やリアルタイム決済といったブロックチェーンの特性を活かした幅広いサービスの展開を支援していくとした。今後、ディーカレットはプラットフォームの事業化を目指していく。

関連記事
暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.7.26~8.1)
暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.7.19~25)