VR180カメラからYouTubeにライブストリーミングができるモバイルアプリが登場

来週に控えたGoogleの大規模な開発者会議であるGoogle I/Oを前にして、同社は自ら提唱したVR180フォーマットカメラ用の新しいモバイルアプリを発表した。このアプリを使えば、ユーザーはデバイスのセットアップや、クリップの閲覧と管理を行ったり、そして写真や動画コンテンツをGoogle PhotosやYouTubeにアップロードしたりすることができる。このこのアプリは、Daydreamを実行する初めてのスタンドアロン型バーチャルリアリティヘッドセットであるLenovo Mirage Soloと、Lenovo Mirage Cameraの発売に合わせて登場した。どちらのデバイスも本日(米国時間5月4日)から販売が始まっている。

1月のCESで、GoogleはMirageや、Horizonという名の中国のメーカーYiのカメラなどを含む新しいVR180カメラを発表していた。

Lenovoの3Dカメラの詳細はこちらから。

“VR180″という名前は、YouTubeとGoogleのDaydream VR部門の協力によって作成された、180度のパノラマビューを撮影する新しいVRフォーマットを指している。このフォーマットの特徴は、没入感のある写真や動画は撮影することはできるものの、それが360度全周には広がっていないということだ。

VR180カメラでキャプチャしたコンテンツには、3D写真やウルトラHD 4K解像度のビデオが含まれるが、これらは2Dと3Dの両方で表示および共有が可能だ。これをVRで表示するには、Google Cardboard、Daydream、あるいはPlayStation VRなどの、VRヘッドセットを使用することができる。

昨日、iOSAndroidの両者へ提供の始まった新しいVR180アプリは、Sensor Towerのデータによれば、VR180カメラをサポートすることを目的としたものだ。

App Storeの説明では、このアプリはモバイルデバイスからVR180カメラをセットアップして管理し、「ライブプレビュー」機能を使用して、カメラからの180度のVRコンテンツを取り込むことが可能だ。

ファイルは、携帯電話やクラウド(GoogleフォトやYouTubeなど)に転送することができる。VR180のウェブサイトの説明では、アプリとカメラを使ってYouTubeにライブストリーミングをすることも可能だ。

また、クリップを友人や家族と直接共有したり、不要なクリップを破棄することもできる。

さらに、バッテリーの充電状況、撮影状況、空き容量といった、カメラの状況に関する情報も表示される。

VRコンテンツを撮影できるシンプルな方法の提供(構えて撮影するだけのカメラ)は、より多くのひとがVRを試す機会を増やし、思い出を記録する新しい手段となる。たとえば、アプリストアのスクリーンショットでは、結婚式や赤ちゃんと一緒にいる母親の撮影のような、カメラの個人的な使用事例を宣伝している。

VRが没入型の思い出を再現してくれるという考えは、なにもGoogle独自のものではない。Facebookも今週、“VR Memories”と呼ばれるものを発表した。これは古い写真を取り込み、コンピュータービジョンを活用して、平面的な2D画像と動画を、VRの中で眺めることができるように空間に配置するものだ。

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(翻訳:Sako)

YouTubeが従来の360度ビデオを半分に切った、新しいVR180フォーマットをサポート

YouTubeは、VRを試してみたいと思いつつも、ハードウェアと制作上の課題にフルコミットすることを躊躇(ためら)うクリエイターたちのために、新しいファイルフォーマットの提供を始めた。これはVR180と呼ばれるもので、従来の球面ビデオの半分だけを提供するものだ。

それは単純な進化だが、従来のVR視聴者たちに新しい利点をもたらす、ある意味画期的妥協でもある。

最近のブログ記事でGoogleは、360度ビデオユーザーの75%が、ビデオ開始後は前方の四分弧(円周の4分の1)の部分しか見ていないことを話題として取り上げた。この原因の一部は、そもそも多くの人たちが、回転する椅子には座っていないことに起因するものだ。そしてそれ以外の原因としては、クリエイターたちが今だに360度カメラをどのように活かせば良いかを知らないということも挙げられる。周りを取り囲む雑多な情報にも関わらず、360度フォーマットはまだあまり探求されていないのだ。

要するに、360度ビデオはまだ生きていてサイト上で運用されており、YouTubeはそのサポートから離れる訳でもないが、このVR180フォーマットはクリエイターたちに、全面的なコミットをすることなく試行をすることを、やや容易にしてくれるものだ。VR180を使用することで、クリエイターたちはVRのコンテンツを作りつつも、伝統的なビデオ制作の技を駆使する自由も十分に手にすることができる。「クリエイターたちは制作技術を変える必要はありません」と、YouTubeの主任VRプロダクトマネージャーであるErin Teagueは語る。

クリエイターたちにとっての、新しいフォーマットの最大の特長は、CardboardやDaydreamのようなモバイルヘッドセットを使用しているユーザーたちに対して、通常のビデオに少々手を加えたようなコンテンツでも共有しやすくなるということだ。興味深いことに、YouTubeは、1月に発売されたPlayStation VRのYouTubeアプリでもビデオを見ることができるようにした。

VR180はライブストリーミングもサポートする。

球の半分を同じ4Kの解像度で表示するだけで、すべてが大幅にシャープになり、立体視による3Dが、単に物珍しいものから価値のあるものへと変化する。一方、アプリ内のビューは、一般に360度で見られるような、ピクセル的なウィンドウではなく、実際の視聴に耐え得るものになる。

この動きはYouTubeとGoogleのDaydreamモバイルVR部門の連携によるものだ。Daydreamは、LGやLenovoなどのカメラメーカーと協力して、コンパクトでデュアルレンズを持つコンパクトカメラサイズのデバイスで、VR180の保証を行おうとしている。こうしたカメラは今年の冬以降に発売が開始される。新しいカメラの登場を待ちきれないビデオロガー(vlogger:ヴロガー)たちのために、YouTubeはクリエイターたちが貸与を申し込むことのできるカメラを、何台か用意する予定だ。

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(翻訳:Sako)