​​Rivianが電動車両R1TとR1Sの納車時期を9月以降へとさらに延期

​​Rivian(リビアン)は待望の電動ピックアップトラックR1Tと電動SUVのR1Sの納車をさらに数カ月延期する。CEOのRJ Scaringe(RJ・スカリンジ)氏が顧客に送ったレターによると「パンデミックの連鎖的な影響」、特に現在も続く半導体チップ不足によって生産が遅れているためだ。R1Tの納車は2021年9月に始まり「ほどなくして」R1Sも続く、とスカリンジ氏はレターに書いた。

「電動アドベンチャー車両」の最初のシリーズの発売を記念した特別バージョンであるR1Tローンチエディションの納車は1カ月の延期を経て7月に始まる予定だった

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​​世界的なチップ不足に苦慮している自動車メーカーはRivianだけではない。GM(ゼネラル・モーターズ)や Ford(フォード)、トヨタ、そして実質的には他の自動車メーカーすべてが減産したか、チップで動く特定の機能を搭載せずに車両を生産している。たとえばGMはいま、世界的な半導体チップ不足のためにスマホワイヤレス充電機能なしの中型・フルサイズのSUVを生産している。

十分なインバウンド収益がある有名メーカーと異なり、​​Rivianは電動ピックアップトラックをマーケットに持ってくる初のメーカーになろうとしている新規参入企業だ。Fordは電動のF-150 Lightningピックアップトラックを2022年春にマーケットに投入する計画だ。GMC Hummer EVピックアップの生産は2021年後半の開始が見込まれている。

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TechCrunchが確認したスカリンジ氏のレターは以下の通りだ。

注文したクルマに乗るのが待てないのは承知しております。この夏の初め、納車が7月に始まる、と当社は発表しました。しかしながら、R1Tの最初の納車の時期は9月にずれ込み、R1Sはそのすぐ後の秋となります。直に私からお知らせさせていただきます。

当社の生産が予想よりも長くかかっているのにはいくつかの理由があります。パンデミックの連鎖的な影響が予想以上に増幅しました。施設の建設から設備の導入、車両部品の供給(特に半導体)に至るまで、すべてがパンデミックの影響を受けました。これらの予期せぬ障害に加えて、複数の車両に対応する生産プラントを準備しながら3種の新しい車両を立ち上げるというのは、相互に関連した活動の複雑なオーケストラであり、小さな問題がさらなる遅れにつながります。

スカリンジ氏は、現在7000人超を雇用していることなど、同社の状況についてさらに詳細を明らかにした。同氏によると、イリノイ州ノーマルにある同社の工場には2つの生産ラインがある。1つはR1車両向け、もう1つは商業バン向けだ。

同社は2019年に自社のスケートボードを使ってAmazon(アマゾン)の電動配達バンを開発している、と発表した。Amazonはこうしたバン10万台を発注し、納車は2021年開始だ。2021年初め、Amazonはロサンゼルスとサンフランシスコで電動配達バンのテストを開始した。

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Rivianは「認証プロセスの一環として数百台の車両を生産し、これらの多くはユニークなビニールカバーで覆われたままになっている」とスカリンジ氏は話した。同氏はまた、そうした車両がなぜ顧客に届けられていないのかについて「社の長期的な成功と、立ち上げたプロダクトの質と頑強性がブランドに期待しているものを真に方向づけている、というあなたの究極的な満足にとって重要」だと考えているからだ、と説明した。

同氏はまた、納車についての詳細をどのように案内するかという点でRivianが改善する必要があることも認めた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:​​Rivian電気自動車トラック

画像クレジット:Rivian

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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