「カーボンKPI」でウェブサイトのカーボンフットプリントを測定するRyte

Ryteの創業者チーム

故郷であるこの惑星に我々が及ぼす影響についての意識が高まり、あらゆることに対してCO2の影響が測定されるようになっている。例えば、つい最近までストリーミングのNetflixが測定可能な影響を環境に与えているとは誰も思わなかっただろう。しかしインターネットの相当な部分をウェブサイトやストリーミングサービスが占めると考えると、何らかの影響はあるはずだ。

その影響を測定する方法を確立した新しいサービスが登場し、スケールするための資金を調達した。

RyteはWebsite User Experience Platformを構築する資金として、非公開だった2021年前半のラウンドで850万ユーロ(約11億2000万円)を調達した。このラウンドはミュンヘンのBayern KapitalとロンドンのOctopus Investmentsが主導した。

Ryteは「Ryte Website Carbon KPI」を発表した。同社は、これにより2023年までに全ウェブサイトの5%をカーボンニュートラルにできるとしている。

Ryteは、データサイエンティストや環境の専門家と協力してウェブサイトが二酸化炭素に関して及ぼしている影響を正確に測定できる機能を開発したと説明している。カーボントランジションのシンクタンクであるThe Shift Projectによると、我々のガジェット、インターネット、そしてこれらを支えるシステムのカーボンフットプリントは、世界の温室効果ガス排出量のおよそ3.7%を占めるという。しかもこの数値は、特にコロナ禍以降のデジタル化社会の影響で急速に上昇しつつある。

Ryteにはデータサイエンティストで気候科学と地球温暖化に関する博士号を持つKatharina Meraner(カタリナ・メラナー)氏が関わっている。またClimatePartnerの協力も得てこの新しいサービスを開始する。

RyteのCEOであるAndy Bruckschloegl(アンディ・ブラックシュルグル)氏は次のように述べている。「現在、アクティブなウェブサイトは1億8900万あります。我々はアクティブなウェブサイトの5%、950万サイトが、我々のプラットフォームと強力なパートナー、ソーシャルメディアの活動などを通じて2023年末までに排出ガス実質ゼロになることを目指しています。残された時間は刻々と減っていきますが、ウェブサイトをカーボンニュートラルにすることは他の産業やプロセスに比べればずっと簡単です」。

Ryteはニカラグアのサンホセで実施されている緑化プロジェクトにも協力しており、Ryteの顧客は気候証明書を購入することにより排出ガスをオフセットすることができる。

Ryteによれば、独自のアルゴリズムを用いてウェブサイト全体のコード、ページサイズの平均、チャネルごとの月間トラフィックを測定し、そのサイトのCO2を計算するという。

似たようなサービスは確かにあるが、他のサービスはアドホックでプラットフォームと結びついていない。Googleを検索すればWebsitecarbonEcosistantなどのサイト、そして学術論文が簡単に見つかる。しかし筆者が知る限りでは、これらのスタートアップはこうしたサービスをプラットフォームに組み込んでいるわけではない。

ClimatePartnerの共同CEOであるTristan A. Foerster(トリスタン・A・フォステル)氏は「Ryteとの協力は、情報テクノロジーが気候変動にどう貢献するかについての認知度を高め、同時に今後を変えるツールを提供することになるでしょう。業界をリードするRyteの二酸化炭素計算機能によって、多くのウェブサイトの運営者が自分たちのカーボンフットプリントを理解し、やむを得ない排出ガスをオフセットすれば、結果として包括的な気候変動対策における戦略の基盤となるでしょう」とコメントした。

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:Ryte資金調達二酸化炭素カーボンフットプリント

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(文:Mike Butcher、翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

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