がん患者と介護者、がんサバイバーのためのプラットフォームAlulaが2.3億円調達

米国国立がん研究所によれば、米国だけで毎年約180万人ががんと診断されているという。患者の友人、家族、愛する人やこの病気の影響を受けた人たちの中にはは心を乱す者もあるだろう。

Liya Shuster-Bier(リヤ・シュスター=ビエル)氏はこの苦しみを心から理解している。母親が早期乳がんと診断された後、彼女自身も希少な非ホジキンリンパ腫と診断され、立場が介護者から患者、サバイバーへと移り変わっていったのだ。その経験は彼女を、がんと闘う人々のためのプラットフォームであるAlula(アリュラ)の立ち上げに向かわせた。プラットフォームは米国時間1月11日正式にローンチを果たした。

ローンチと並行して、Alulaは220万ドル(約2億3000万円)のシード資金調達を行ったことを発表した。ラウンドに参加したのはBBG Ventures、Metrodora Ventures、Thrive Capital、Village Global、Homebrew、Shrug Capital、Basement Ventures、Company Ventures、K5 Global、K50 Ventures、そして何人かのエンジェルたちだ。

がんやがん治療の影響を受けた人の数が非常に多いにもかかわらず、何が期待されているのかを理解するために役立つリソースはあまり多くない。

「多くの人たちが、おすすめの製品や、治療のためにお金を集める方法、自分が治療を受けていることを人や上司に伝える方法を知ろうとインターネットの上に散在した情報を探しています」と、シュスター=ビエル氏はいう。「1つの場所に集まっているわけではなく、きちんと真っ当に整理されているわけでもありません。誰を信用していいのかの判断が難しい状態です」。

Alulaは、シュスター=ビエル氏の言葉を借りるなら、ユーザーが治療中に経験するであろうすべてのことに備えて、きちんと真っ当なアプローチをとる、複数のテーマを扱うプラットフォームだ。そこに含まれるのは、治療プロセスに対処するために必要な製品、支援を調整するためのコミュニケーションツール、患者の生活を勇気づけ、サポートするためのコンテンツだ。

シュスター=ビエル氏によれば、たとえば彼女の腫瘍専門医や主治医は、治療の結果起こること(髪の毛が抜けるなど)に対する説明はしてくれたが、カツラを買うための良い場所を教えることはできなかったのだという。そこでAlulaは、患者によって推奨され、医療専門家の諮問委員会によるガイドラインに沿った製品を売るためのマーケットプレイスを構築した。そこには、個々の患者が受けている治療の種類によって分類された、個人別の記録や「がんサバイバルキット」も含まれている。

また、Alulaはユーザーにコミュニケーションツールも提供している。多くの人は、がん診断のニュースを友人や家族と共有するために電子メールを利用している。それは普通の人にとって、それまでに書いたことがないような難しい電子メールとなると同社はいう。そこでAlulaは、そのプロセスをカスタマイズ可能なテンプレートを使ってガイドするのだ。また、Alulaは、治療への移動手段をコーディネートしたり、治療時に患者に付き合う人を調整するための、共有可能な治療カレンダーも提供している。

画像クレジット:Alula

忘れてはならない真実は、がんの旅に決して終わりはないということだ。常に出てくる新しいことに対して、準備して理解しなければならない。

「私は後遺症が持続し、新しいものが出てくることに驚かされ続けています」とシュスター=ビエル氏は説明する。「現在は32歳という若さで、薬による更年期障害に悩まされています。つい最近、胸と背中の放射線線維症だと診断されたばかりです。放射線の影響で筋肉が硬くなっているのですが、必要な化学療法薬の1つが心毒性であるため、心臓病専門医を受診しています」。

これに対応するために同社では、患者や介護者が困難なプロセスをこなすことを助けるための、コンテンツライブラリを構築している。この種の情報は通常、治療中の他のがん患者との会話からしか得られないものだが、Alulaはそのコンテンツを一元化し、ユーザーのために整理しようとしている。

現在、そのビジネスモデルは市場からのアフィリエイト収入に焦点を当てているが、シュスター=ビエル氏は、Alulaが小売できる商品の卸売購入を始めようとしていると説明する。

米国時間1月11日、シュスター=ビエル氏はAlulaのローンチだけでなく、がん3周年と2年近くの小康状態を祝っている。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Alulaがん資金調達

画像クレジット:Alula

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(翻訳:sako)