これはマツダ版Uber!? コネクティビティ技術を活用した移動サービス実証実験を開始

マツダは、広島県三次市において地域住民と行政機関である広島県および三次市と連携して、コネクティビティ技術を活用した移動サービス実証実験を開始した。

マツダは、将来のライドシェアを見据えたこの移動サービス実証実験をとおして、地域の活性化とその地域において、いつまでも安心・安全で自由に移動することが可能な、心豊かな暮らしにつながる社会貢献モデルの構築を目指しているとのことだ。

昨今、中山間地域における公共交通の空白化などにより、高齢者や身体の不自由な方を中心に移動手段の不足が社会問題となっている。マツダでは、このような社会問題に対して、クルマとコネクティビティ技術を活用できるようにすることにより、地域住民が助け合うコミュニティ、そこに参加する地域内外のドライバー、そこで生まれる人と人とのつながりを創出していきたいと考えているとのこと。

マツダは、今回の移動サービス実証実験において、地域移動サービスで用いる運行管理システムおよび利用者用アプリの開発を担当。このアプリ開発によって、地域住民が運行する地域移動サービスの運営を省力化するとともに、アプリ内のコンテンツを充実させることによって人々の参加を促し、地域の活性化につながる様々な付加価値を生み育む取り組みに貢献していくとのことだ。

なお、マツダは今回の実証実験で得られたデータを蓄積し、次世代コネクティビティ技術や自動運転技術と組み合わせたライドシェアサービスの開発を目指しているとのことなので、将来的には地域限定のマツダ版Uberのような形になるのだろうか。

ちなみに、ダイハツも、高齢化の進行や地域の生活を支えるモビリティサービス事業への期待が、年々高まっていることを踏まえて、持続可能なまちづくりにおけるモビリティのあり方について検討を開始し、日本総合研究所が、2018年8月29日に設立した「まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム」に参画することを発表している。

ダイハツは、地域の人々に幅広く利用されている軽自動車サイズの車両を用いて、生活に寄り添った乗合サービスに最適な車両要件を検証。幅員の狭い生活道路など、環境に見合ったサイズと乗車人員を両立する「アトレーワゴン」をベースとしたダイハツらしい最小単位の低コストな車両を提供し、地域受容性・乗降性・快適性を主に検証する予定だ。

なお、将来の地域移動に必要なハードとソフトを見極めるべく、まずは自動運転ではなく交通事業者の運転士による手動運行で実施されることになっている。

高齢化の進行や地方や都市近郊のニュータウンなどの交通インフラの弱体化を踏まえると、今後の自動車メーカーの役割は、自分で運転するためのクルマを作るだけでは不充分であり、運転できない人も含めて、いかに人々の移動を快適に、スムーズにしていくことも大きな役割となりそうだ。

■関連リンク
マツダ 公式サイト
http://www.mazda.co.jp/
日本総研ニュースリリース
https://www.jri.co.jp/company/release/2018/1214/

AutoBlog 日本版からの転載。

投稿者:

TechCrunch Japan

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