アップルがFacebookのオンラインイベントにおけるApp Store税30%を特例時限免除、ゲーム関連は適用外

先月、Facebook(フェイスブック)は有料オンラインイベントの支援を表明した。イベントを開催する企業の多くが新型コロナウイルスの感染蔓延で苦戦しているため、むこう1年間はFacebookプラットフォームを活用したイベントの手数料を徴収しないという内容だ。同社はこの取り組みに合わせて、アップルがアプリ内購入の際に徴収する30%の手数料を放棄するように要求していたが、アップルが「却下」したことを訴えていた

米国時間9月25日、Facebookはアップル側の方針転換を発表した。オンラインイベントの料金はFacebook Payで処理され、アップルは30%の手数料を徴収しないことになった。この取り決めは12月31日まで続くが、ゲームクリエイター、つまりEpic Gamesなどには適用されない。

このニュースは、Facebookが公式にアップルに姿勢を改めるよう圧力をかけた後に発表された。手数料免除が許可されないことを想定して、同社はイベントの支払いフローに「アップルはこの支払い額の30%を受け取る」と記載されたiOSアプリのアップデートも提出した。Facebookによると、アップルはユーザーにとって 「無関係」 な情報を含むことを理由に、このアップデートを拒否していたそうだ(Reutres記事)。

両社は合意に達したようだが、Facebookが発表した声明には少しトゲがある。

今回の発表は両社が合意に近づいているようにも観るが、Facebookからの声明はまだ少しとげとげしい。Facebookの広報担当者のJoe Osborne(ジョー・オズボーン)氏は、「新型コロナウイルスの感染蔓延は、中小企業やクリエイターにとって困難な時間です。感染蔓延のためにコミュニティが閉鎖されている間は、有料のオンラインイベントから料金を徴収しないのはそれが理由」と説明する。そして「アップルは3カ月間の猶予期間を設けることに同意が、その後は、苦戦する企業であっても30%のApp Store税を支払わなければなりません」と続けた。

同様に、ゲーミングクリエーター向けの例外について議論する中で、Facebookゲーム担当バイスプレジデントのVivek Sharma(ビベック・シャルマ)氏は「残念ながら、ほかの事業の一時的な猶予を得るために、この譲歩をしなければなりませんでした」と述べた。

この変更についてアップルは以下のような声明を出した。

App Storeはすべての開発者に大きなビジネスチャンスを提供しており、175カ国で毎週5億人の訪問者を集めています。すべての開発者がビジネスを成功させ、成長させることができるように、アップルは明確で一貫したガイドラインを維持しており、すべての開発者に等しく適用されます。

より具体的には、「アップルは年末までにFacebookがこれらのイベントのアプリ内支払いを実装すれば、App Storeのルールに準拠させることを許可する」と語った。

これは、大人気バトルロワイヤルゲームであるFortnite(フォートナイト)がApp Storeから削除され、開発元であるEpic Gamesが法的闘争と宣伝キャンペーンを展開していることにも影響する。Epicはまた、最近発表・発足したばかりの、App Storeなどのアプリストアの規制改善を求める非営利団体「Coalition for App Fairness」の一員でもある。Coalition for App Fairnessには、Spotifyや忘れ物防止タグのTileなどの企業が参加している。

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

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TechCrunch Japan

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