1兆7500億ドル(約198兆7685億円)の価値がある企業を悪くいうのは極めて難しいことなので、今回それはしないが、Amazonの株主たちは米国時間10月28日午後の時間外にやや弱気になっている。取引終了後に発表されたAmazonの2021 第3四半期決算報告で、同社は売上と利益のさまざまなミスを含む最新の業績について詳しく述べている。
2021年9月30日で終わる3カ月において、eコマースとクラウドコンピューティングの巨人は1108億ドル(約12兆5859億円)、前年比15%増の売上を報告した。同期間の純利益は32億ドル(約3634億円)、1株あたり6ドル12セントだ。
アナリストたちが予想した売上は1116億ドル(約12兆6758億円)で、1株あたり利益は8ドル92セントだった。同社の純利益は前年比で49%落ち込んだ。記事を書いている米国時間10月28日午後で、Amazonの株価は5%強下落している。
しかし、Amazonの第3四半期の業績は、AWS部門の売上高が前年同期比で加速的に増加し、同社ファンが喜ぶような結果となっているが、第4四半期の業績は、これまでの結果を覆す可能性がある。同社の新CEOであるAndrew Jassy(アンディ・ジャシー)氏は、同社の業績ダイジェストで以下のように述べている。
第4四半期には、コンシューマープロダクツ事業において労働力不足、賃金コストの増加、グローバルなサプライチェーンの問題、貨物輸送コストの増加などに対処するため、数十億ドル(数千億円)の追加コストが発生すると見込んでいます。またその一方で、このホリデーシーズンに顧客や販売パートナーに与える影響を最小限に抑えるために、あらゆる手段を講じています。
経営陣は、差し迫ったコストを「顧客志向(カスタマーフォワード)」と位置づけ、長期的な成果のために短期的な打撃を受けることは妥当なことだと主張している。投資家は、将来のキャッシュフローを約束されても十分に満足できず、同社の時価総額を数百億ドル(数兆円)減らすことは避けられなかった。
しかし、私たちが指摘したように、第3四半期にAmazonが毎月10億ドル(約1136億円)を超える純利益を計上していることを考えると、同社に対してそれほど悪い印象を持つことはできない。
クラウドでの収入は、Amazonの業績において、TechCrunchが最も注目する要素であるため、そのデータを覗いてみよう。まず、同社のAWS部門の売上高と営業利益ベースでの業績は次のとおりだ。
つまり、前年同期比で約45億ドル(約5111億円)の新たな収益と、約15億ドル(約1704億円)の新たな営業利益が発生したことになる。興味のある方は、AWSの収益と営業費用の両方が、前年同期比で約39%増加していることを確認してほしい。では、純粋な成長指標を詳しく見てみよう。
このデータに注目すべき理由は、AWSがAmazonで最も急速に成長している分野だからだ。Amazonはeコマース事業で注目を集めているが、現在、静かで目立たないクラウドグループが成長を牽引している。投資家が、価値を引き出すために会社を2つに分割するよう要求する日は遠くないかもしれない。
画像クレジット:Jason Alden/Bloomberg/Getty Images
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)