Internet上のサービスを繋いで処理を自動化するIFTTTのAndroid版が登場した。そしてこのAndroid版、iOS版と比較するとよりOSレベルの連携が見られるようだ。もちろんこれはAndroidの「レッセフェール」の方針によるものだ。すなわち、アプリケーション側からOSの機能をいろいろと操作しやすくなっているのだ。
IFTTTのAndroid版の登場は、多くの人にとっては予想よりもはるかに長くかかったのではないだろうか。IFTTT自体、間もなくリリースされるはずだという噂に対し、肯定的な様子をみせたこともあったが、これまでは結局「偽情報」となってきていた。CEO兼共同ファウンダーのLinden Tibbetsに、技術的な問題なのか、それともAndroid版に向けたリソースの問題だったのかを尋ねてみた。
「問題はリソースにありました」との回答だった。「シリコンバレーでは、どうやらAppleないしiOSアプリケーションを開発したいという人が多いようです。iOS版に向けるのと同じような熱意をAndroidアプリケーション開発に向けている人というのは探すことが難しいと感じています。もちろん、そうした状況は変わりつつはあります。IFTTTでも幸運に恵まれ、Android世界の中で生きているようなJordan Beckと出会うことができたのです」。
Appleの制限的な姿勢もある中で、IFTTTは非常に便利なツールとして広まっていった。iOS 7を搭載するiPhoneやiPadで便利に使ってきた人も多いことだろう。そしてこの度、Nexus 5で使ってみたが、大画面にも非常に馴染んでいて使いやすかった。iOS版にあった機能はほぼそのまま踏襲されており、Androidの自由さを活かした機能実装もなされている。
「Androidアプリケーションでは、ボリュームコントロールやWiFi、壁紙などのデバイスレベルの操作も行えます。電話履歴やSMSログなどを利用することもできるようになっています」とTibbetsは言っている。iOS版ではSMSを送ろうとすれば送信元が「IFTTT」という名前になってしまっていたが、Android版では自ら送るのと同様なスタイルでSMSを送信することもできる。「Android版では、特定のイベント発生時にメッセージをある意味で共有するような“インテント”という仕組みも用意されています。こうしたものを活用して、Android専用のレシピなどが急速に登場してくるだろうと期待しています」とのこと。
レシピ共有用のチャネルで、Android専用のものとしてDeviceにも注目したい。WiFiに接続したり切断した際に、壁紙を変更したり着信のベル音の大きさを変更するようなことができる。他にもlocation、notification、phone call、photo、あるいはSMSなどといったチャネルがある。Android特有の機能を活かして可能性を探るレシピが多く登録されている。
仕事が終わったときに奥さんにメッセージを送るときにも、他のサービスを介さずに、直接送ることができるようになった。また、かかってきた電話をとらなかったとき、PhillipsのHueライトを赤くして注意を促すといったレシピもある。また、留守番メッセージが入ったのに直ちにチェックしなかった場合に、メッセージの送り主にSMSを送るというものもある。
IFTTTのAndroid版ではiOS版やウェブ版のものに、いろいろと面白い機能が付け加えられているようだ。Androidの「自由さ」を活用することで、IFTTTの可能性がどこまで広がるのかということを感じさせてもくれる。アプリケーションはこちらから入手することができる。
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(翻訳:Maeda, H)