エンド・ツー・エンド暗号化対応Googleドキュメント対抗テキストエディター「Skiff」が4.2億円調達

もしGoogleドキュメントがエンド・ツー・エンドで暗号化されて、Googleでさえ自分の文書をアクセスできないとしたらどうだろうか。Skiff(スキッフ)は、ひと言で表現すればそれをやっている。

SkiffはGoogleドキュメントと似たルック・アンド・フィールのテキストエディターで、文章の作成、編集、同僚とのリアルタイムの共同作業ができることに加えて、プライバシー第一で作られている。テキストエディターはエンド・ツー・エンド暗号化の基盤の上に作られているので、Skiff自身は誰の文章を見ることもできない。アクセスできるのはユーザー自身と共同作業に招待された人だけだ。

このアイデアはすでに投資家の注目を集めている。米国時間5月26日、Skiffの共同ファウンダーである、Andrew Milich(アンドリュー・ミリッチ)CEOとJason Ginsberg(ジェイソン・ギンズバーグ)CTOは、同社がベンチャーキャピタルのSequoia Capitalから370万ドル(約4億円)のシード資金を調達したことを発表した。2020年3月にSkiffが設立されてから1年と少しが過ぎたところだ。Alphabet(アルファベット)のチェアマンJohn Hennessy(ジョン・ヘネシー)氏、Yahoo(ヤフー)のCEOであるJerry Yang(ジェリー・ヤン)氏、Eventbrite(イベントブライト)の共同ファウンダーであるJulia Hartz(ジュリア・ハーツ)氏とKevin Hartz(ケビン・ハーツ)もラウンドに参加した。

ミリッチ氏とギンズバーグ氏はTechCrunchに、シード資金はチームの増員とプラッフォーム拡大に使うつもりだと語った。

Skiffは、エンド・ツー・エンド暗号化という意味ではWhatsAppやSignalと大きくは変わらないが、その上でテキストエディターを動かしている。「多くの人へにメッセージを送るためにこれを使う代わりに、私たちはこれを使って文章を細かいピースに分けて送り、それらをつなぎ合わせて共同作業ワークスペースを作ります」とミリッチ氏は言った。

しかし共同ファウンダーの2人は、重要な文章をクラウドに置くためにはユーザーがスタートアップに大きな信頼を寄せる必要があることを認識している、生まれて間もない会社ならなおさらだ。Skiffが自社のテクノロジーの仕組みを詳しく説明した白書を公開し、コードの一部をオープンソース化して、プラットフォームの中身を誰でも見られるようにしたのはそれが理由だ。ミリッチ氏は、本格的なセキュリティ監査を1回以上実施しており、Signal Foundation(シグナル・ファウンデーション)やTrail of Bits(トレイル・オブ・ビッツ)のアドバイスも受けている、と語った。

どうやら順調にいっているようだ。Skiffが招待のみのプログラムで限定公開を開始して以来、ジャーナリスト、研究者、人権派弁護士などを含む数千人のユーザーが毎日Skiffを使用しており、8000人がその行列に並んでいる。

「最も喜んでいるのは、プライバシーに気を使っているごく普通の人たちです」とギンズバーグ氏はいう。「このタイプの製品の支持者で、プログラムがどのように作られたのかを真剣に考え、大会社への信頼を失いかけている、そんなプライバシーコミュニティや人々が世界にはたくさんいます」。

「彼らが私たちの製品を使っているのは、エンド・ツー・エンド暗号化の構想と将来に大きく期待しているからです」と彼は語った。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:SkiffGoogleドキュメントテキストエディタープライバシーエンド・ツー・エンド暗号化資金調達

画像クレジット:Skiff / supplied

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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