カーボンオフセットを推進するドイツの自動車サブスクプラットフォームfnn.autoが25.2億円調達

所有する代わりにサブスクリプションで自動車を提供し、カーボンオフセットを推進するFinn.auto(フィン・オート)は、シリーズA投資ラウンドで2000万ユーロ(約25億2000万円)を調達した。Tier Mobility(ティア・モビリティー)にも出資しているWhite Star Capitalと、Zalando(ザランド)の共同創設者Rubin Ritter(ルービン・リッター)氏、David Schneider(デイビッド・シュナイダー)氏、 Robert Gentz(ロバート・ジェンツ)氏が今回このラウンドに新規に参加している。以前からの投資者も全員参加した。

この資金は、設立1年に満たず、自動車サブスクリプションをわずか1000件販売しただけの時期にもたらされた。同社は、Deutsche Post AG(ドイツポスト)とDeutsche Telekom AG(ドイツテレコム)とも提携している。

同様のサブスクリプションサービスは、 Drover(ドローバー)、LeasePlan(リースプラン)、Wagonex(ワゴネクス)といったプロバイダーを通じて数多くの自動車メーカーからも提供されている。

英国に拠点を置くスタートアップDorverは、5つのラウンドを通じて合計4000万ドル(約4160万円)を調達した。最新のシリーズB投資ラウンドには、Shell VenturesとCherry Venturesも参加している。さらに、Audi on Demand(アウディ・オン・デマンド)、BMW、Citroën(シトロエン)、DS、Jaguar Carpe(ジャガー・カルペ)、Land Rover Carpe(ランドローバー・カルペ)、Mini(ミニ)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)、Care by Volvo(ケア・バイ・ボルボ)といったブランド自動車メーカーによるサービスも存在している。

デジタルで推進されるサブスクリプションサービスには、従来型の自動車販売モデルを崩壊させる潜在力があり、常に新しいスタートアップが市場参入を果たしている。

finn.autoのモデルは、環境意識の高いミレニアル世代に訴えるものとなっている。サブスクリプション1件ごとに、同社はその車両の二酸化炭素排出量をオフセットする。つまり、利用者はカーボンニュートラルなかたちでクルマに乗れるということだ。現在同社は、純電気自動車の車種も増やし、ClimatePartner(クライメットパートナー)と組んで、一部地域の気候保護や開発プロジェクトを支援している。

ミュンヘンを本拠地とするこのスタートアップで重要な役割を果たしているのが、車両管理工程と顧客対応の自動化だ。つまり、こうしたサブスクリプション関連の作業を、ずっと簡単かつ安価で行うこgとができる。

Finn.autoのCEOであり創設者のMax-Josef Meier(マクス・ヨーゼフ・マイヤー)氏はこう話す。「このような高い手腕を持つ投資家に参加してもらえたこと、そして以前からの支援者である投資家のみなさんが今回のラウンドで信頼を固めてくれたことに、大変にうれしく感じています。自分のクルマで移動することは、インターネットで靴を買うのと同じぐらい手軽なものとなります。私たちはすでに、豊富なブランドの自動車を取り揃えていますが、どれも私たちのプラットフォームで、わずか5分で柔軟なランタイム環境からオンライン注文いただけます。その後も、車をご自宅の玄関先までお届けする利便性を誇ります」。

White Star CapitalのジェネラルパートナーであるNicholas Stocks(ニコラス・ストックス)氏は「自動車販売分野には、時代遅れの顧客体験を全体的に洗練させる、また自動車業界のAmazon(アマゾン)になるという大きなチャンスがあります。その点において、利便性、柔軟性、価値、持続可能性を提供するFinn.autoは、投資対象として秀でています」と付け加えた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Finn.autoサブスクリプションカーボンオフセット

画像クレジット:finn.auto

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(翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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